ミイラの導引〜気を巡らせば病は逃げて行く | 宇宙の種 Health ミイラの導引〜気を巡らせば病は逃げて行く

自称「ミイラマニア」の私です。子どもの頃にデパートの催事で「ペルーミイラ展」なるものを観覧してから、死からの再生を願う人間の思いの強さにえらく感動し、以来ことあるごとに旅しながら世界各地のミイラを見てきました。ペルーのミイラはもちろんのこと、エジプトのミイラから始まって、インカ・アステカのミイラ、アジアのミイラなどスタンダードなものからレアなものを含めて実にさまざまなミイラをこの目で見てきました。

マイフェイバレットミイラとは？

そんなミイラマニアの私が最も驚かされたミイラというのがありあます。それは中国のミイラです。1972年、中国・湖南省長沙市の「馬王堆」と呼ばれる何の変哲もない丘から、2000年前の前漢時代の王族の墳墓が見つかりました。「一号墓」と名付けられた墓からは夫人の生き生きとしたミイラと、1000点にものぼる副葬品が見つかったのです。

なお、このミイラの特異な点は、肌が干からびておらず「ミイラ」と呼ぶにはあまりにも弾力性があるのです。なぜなのだろうと思って解説文を読んでいくと、そのミイラが発掘された時は漆塗りの棺に入れられていたことがわかりました。そして、その棺を開けてみると、またその中に棺があり、というふうにまるでロシアのマトリューシュカ人形のように何層かにわたる構造をもっており、最後の棺の蓋を開けた時に、夫人の遺体は謎の液体に浸かったまま見つかったそうなのです。

政府当局ではこの謎の液体の成分については公表していませんが、2000年以上の時を経ても蒸発しないなんて非常に不思議です。夫人の肌が弾力性をもって生き生きしているのも、おそらくこの液体が関与しているはず。

導引はすでに古代からあった！

さらに興味深いのは、隣にあった二号墓です。二号墓は次男の墓で、そこからは奇妙な絵が見つかりました。その絵も博物館に展示されていましたが、そこにはさまざまなポーズを取っている老若男女が描かれていたのです。それは44種類の気功のポーズであり、その意味が丁寧に解説してありました。

面白いのは、その絵に描かれていた人々の服装やヘアスタイルが明らかに王族に限られたものではなく庶民のものであったことです。つまり中国では、2000年以上も前に「気功」による健康法が一般化していたことです。お肌ピチピチのミイラ夫人もきっとこの健康法をしていたに違いありません。実はこれこそが、現在私が研究している「導引（どういん）」と呼ばれる健康法なのです。

導引は、生命エネルギーである「気」を鍛錬し、からだの中で気を安定させ、心身を健康にしようというものです。難しいものと思われがちですが、当時の庶民も励行していたのですから簡単なものであったはずです。私はその事実に大いに感動しました。

気を巡らせてみよう

たとえば、次のようなものでも良いのです。実際に行ってみましょう。

①足を肩幅に開いて立ち、両腕は体の前下方で、何かを抱えているような感じで楕円形を描く。ゆっくりと自然に呼吸をして、全身をリラックスさせます。

②その状態から、気が右手から左手に巡り、さらに背中を通って、再び右手から左手へと巡っているイメージを描きます。すると、本当に何かがからだの中を流れていくのが実感できるはずです。これこそが「気」なのです。

③それが上手にできたなら、今度は逆回りに気を回してみましょう。気を回しているうちに、からだがますますリラックスしてきます。

いかがでしたか？たったこれだけのことですが、毎日10分間続けているだけでも、動脈硬化、高血圧、糖尿病の治療に良く効いてカゼもひかなくなります。導引は古くて新しい人類の遺産であると思います。本ブログでも、ミイラが教えてくれた健康法〜導引の方法を時々ご紹介していきたいと思っています。

＊トプ画は私が中国で見た馬王堆の王族夫人のミイラ

⭐️ 絶版で中々手に入らない本ですが、とても有用な内容が多く大変役に立ちます！著者の早島天來は明治生まれ。現在の高知城造営の祖・大高坂家の嫡流としてこの世に生を受けました。村上源氏の村上水軍と縁の深い大高坂家は、村上源氏より合気術と導引を受け継いでいます。天來の養父は独特な方法で人々の病気を治し、また柔術の達人でもありました。このような環境で育った天來は、養父母が亡くなった後、「気」の療法で近所の人々を救っていた養父の志と精神を受け継ごうと決意。毎日のように道教の寺院に通いながら導引を学び、独自に導引術と仙術医学を徹底的に研究し本書で紹介される導引を編み出したのです。大変貴重な本、手に入るうちに入手することをオススメします！