学校給食の裏側2

食の安全
■今、子供達の脳と精子が危ない!■

ここにひとつのショッキングな研究報告があります。1998年に生殖医療専門医の森本義晴先生が行った報告です。平均年齢21歳の健康な男子60人の精子について調べた結果、60人の男子のうち、正常な精子を持つ男子はなんとたったの2人でした!殆どの精子が頭が巨大化していたり、逆に小さかったり、頭の先が二つに分かれていたり、コブができていたりと奇形を有していたのです。(以下の図参照)





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●「正常な精子と奇形の精子」

彼らがどんな食生活をしているか調べてみたところ、8割がカップ麺とハンバーガーを常食していました。ハンバーガーの45%は脂肪分です。環境ホルモン物質であるダイオキシンは油に溶けるため、それが精巣に蓄積されて精子に異常が生まれたのだと考えられています。

戦後、アメリカの余剰小麦と大豆、脱脂粉乳などをどう処理すれば良いかという問題で目をつけられたのが日本の学校給食でした。昔は冷害で農産物が全滅したり、貯蔵技術もないので栄養失調で無くなる方も多かったため、余った分を学校給食に回せば良いと考えられたのです。しかし、そのうち長期の食糧政策によって食事がエサ化され、若い人たちのファストフードやインスタント食品、危険な油脂食品などによって食がファッション化されて現在に至ります。

10代でも肥満や動脈硬化、糖尿病などが増え、大腸がんや女性の乳がんも確実に増えています。これらの背景には、従来の日本食を忘れた偏った欧米食化、油、砂糖、小麦製品、各種飲料水などの偏食、過食があります。

こうした問題に教育の現場から改革を試みた一人の偉大な人物がいます。

■ある教育者の挑戦■

大塚貢(おおつかみつぐ)先生をご存知ですか?

長野県で、中学校の教員、校長、教育長・・・と長く教育にたずさわってきた大塚先生は、非行や犯罪などが多発する問題校に赴任する度に考えていました。

「この悲しい現状だって、子供達を救う方法が絶対にあるはずだ。それは何だろう?」

1992年春、長野県内の中学校校長に赴任した大塚先生は、「ある挑戦」をスタートさせました。数年後、この学校での非行件数はゼロ、不登校生徒激減という驚異的な成果を上げたのです。

大塚先生の「ある挑戦」とは何だったのでしょう?

■荒れた学校を立て直す■

荒れた中学校に赴任した大塚先生は、まず教師たちの授業を実際に見学してみました。素晴らしい授業をする先生がいる一方で、教科書を棒読みするだけの教える意欲を欠いた先生も多いため、授業が退屈でこれでは子供達に学ぶ意欲が起こらないと大塚先生は感じました。

授業で発言したり、意見を交換し合うなど、積極的な生徒の行動が全くないのです。エネルギーを発散できないためか、子供達のエネルギーは外へと向かい、学校の外で、強盗や窃盗、暴力や空き巣狙いなどの犯罪を繰り返します。

学校内もイライラする子供、先生や仲間をいじめる子供、無気力な子供、不登校の子供など、精神的に落ち着かない生徒はかなりの数いました。1997年、長野県真田町の教育長に就任した大塚先生は、このときの苦い思い出をこう話します。

「教育長をしていた時、町でオートバイが数カ月に20数台も盗まれました。それも、80万円以上するような高価なバイクです。生徒らはバイクを盗んでは改造し、暴走行為を繰り返しました。無免許でマフラーの騒音を大音量で町中に響かせながら、深夜から明け方まで、延々と行うのです」

当時、少年たちの非行行為の対応に追われた大塚先生は、昼間は警察、鑑別所、家庭裁判所に出向いて生徒たちを指導、夜は、非行行為を起こした少年たちの親と会うという毎日でした。しかし、誰一人として大塚先生の話を熱心に聞いてくれる者はいませんでした。

■大塚先生の3つの挑戦■

大塚先生が疲れきって帰宅すると、夜中に町民たちからの苦情電話が鳴り続けます。

「バイクの騒音がうるさくて寝られない!」

「どうにかしてくれ!

「教育長だろ、なんとかしろ!」

こうしたなかで、大塚先生は3つの挑戦を思いつきます。それは・・・

①授業の改革

②学校内に花壇をつくる

③給食の改善

しかし、周りの教師や保護者からは大反対を受けました。けれども大塚先生はそれにめげることなく黙々と挑戦を遂行していきました。

■授業の改革■

まず先生は中学校校長に赴任後、各教科の先生の授業に参加してみて生徒が真剣に授業を聞かない理由を見つけました。「生徒が荒れている原因は、授業がつまらないからだ」「こんな授業をしていては、生徒たちに学ぶ意欲が起きるはずがない!わかる、できる、楽しい授業をしないかぎり、生徒たちの学ぶ意欲が高まるはずはない!」

大塚先生には、民間企業での勤務経験がありました。教育現場だけの視野では狭すぎると感じた先生は、一時、ビル・マンション等建設販売会社に就職をしたことがありました。その経験をもとに教師たちにこう語りました。

「あなた達の授業を私は10分も聞いていられない。子供達はこれに、50分も耐えている。私よりよっぽど我慢強い。こんなつまらない授業をしていては、あなた達は民間企業ならクビですよ!」

大塚先生の発言に授業を良くしたいと意欲を高めてくれる先生も現れ始めました。家庭用ビデオがそれほど普及していない時、50万円近いビデオを自費で購入して日本の水産業を教えるために、焼津や釜石などの漁港へ行き、漁業について調べてきた教師もいたと言います。こうして先生達の授業が変わってきました。反感を抱く先生ももちろんいましたが、教材を手作りしたり、わかりやすい授業をするために努力を重ねるなど、熱心に取り組むほかの先生の姿を見て、変わる先生が確実に増えていったのです。

■学校内に花壇をつくる■

全国で多発する無差別殺人。犯人は青少年。「親や同級生、殺す相手なら誰でもよかった」と語る少年や少女たち。こうした事件が起こると大塚先生は、全国どこであっても、その子供が生活していた現場に行きました。全て子供達が通う学校や育った地域の環境を確認するためです。自分の目で見て感じないことには、テレビや新聞の情報で推測しただけでは、はっきりしたことが語れないという先生の信念からです。先生は、犯罪現場で「ある共通点」を見つけました。

・・・それは、「花が一つも咲いていないこと」でした。

事件を起こした少年や少女が通う学校には花が咲いていないのです。植木鉢の植物は一様に枯れていたと言います。生命あるものを大切にする心の教育が感じられない学校の風景に大塚氏はその都度、落胆し、自分の学校に花を植えることを始めました。

■給食の改善■

大塚先生は、凶悪犯罪を起こした子供達の学校とともに、家庭にも足を運びました。意外なことに、凶悪犯罪を起こした子供達の殆どは恵まれた家庭環境にあると言います。

地域の住民に訊ねても、家庭の評判は悪くなく、実際、家を見ても、貧しさが感じられるような家庭は殆どないと言います。しかし、大塚先生は、むしろそこに問題点を見出しています。裕福な家庭では、子供は食べたいものを食べることができます。「その家庭環境こそが、凶悪犯罪につながっている危険性をはらんでいるのではないか?」大塚先生はそう考えました。

東名高速でバスハイジャック事件を起こした14歳のA君の小学校卒業文集には、好きな食べ物は「やきにく」とありました。また、就寝中の母親を殺害した高校3年生B君の祖父に「子供の好きな食物」について聞いたら、「子供が好きだし、元気が出るからと、よく肉を食べさせていた」という答えが返ってきたそうです。「子供が好きな”肉食”に偏った食事が、子供から自制心をなくしてしまっているのではないか」大塚先生はそう感じました。

肉食に偏った食事では、イワシなど青魚に入っているミネラルやカルシウムやDHA、EPAなどを摂取できません。これらは全て大切な脳の栄養となるものです。しかし、肉食が多いと血液はドロドロになってしまい、前頭葉の働きが麻痺してしまいます。前頭葉は、モノゴトを考えたり、判断したり、学ぶ意欲を高めたり、人とコミュニケーションをとったり、人間の知的活動にとって大変大切な場所です。その大切な働きをする前頭葉の能力が、偏った食事のせいで低下してしまっているのではないかと大塚先生は結論付けました。

■見えてきた貧しい食生活■

大塚先生が生徒たちの家庭の食事を調べてみたところ、朝食を食べてこない生徒が多いことがわかりました。食べたとしても、菓子パンやジュースなのです。

「前の晩8時頃に夕食を食べてから、何も食べずに給食の正午すぎまでを過ごすと、子供達は約16時間も欠食状態になる。身体に栄養がまわらない。授業中は無気力になったり、イライラして気持ちが落ち着かない状態になるのは当然だ」と大塚先生は思いました。

中学校で開催する球技大会や、陸上競技大会の日。生徒たちが集合する前に、大塚先生は近くのコンビニエンスストアに車を停め、朝5時ごろから張り込みました。

親にコンビニに連れてこられる子供達が買うのは、コンビニ弁当や菓子パン、ジュースなどおよそ力が出るとは思えないものばかり。買い物をする彼らの顔を覚えておき、職員会議で彼らの生活態度について尋ねると、殆どが非行や教師に暴力を起こす問題のある子供達ばかりでした。

大切な球技大会や、待ちに待った遠足の日でさえ、朝食や弁当を作ってもらえない子供達。自分で買ったコンビニ弁当や菓子パンでは、「お母さん、今日はどんな弁当を作ってくれたんだろう」という期待はありません。帰宅後、「弁当どうだった?」という親子の会話もありません。「食」を通じて強くつながるはずの親子の絆が切れてしまっていることに先生は気づきました。そして、家庭の2週間の食事調査を行いました。

生徒が各家庭で食べた3日分の食材の包装やカラの容器を学校に持ってこさせたのです。すると、菓子パンや肉、ハムやウインナー、ジュースなどに偏っていることがわかりました。容器を見ると、朝ごはんは菓子パン、夜はカレーや焼肉だろうと推測できました。それらは、育ち盛りのこども達にとってはなんとも貧しい食生活と言わざるをえないものでした。

本来子供達には、カルシウム、ミネラル、マグネシウムやビタミン類を十分摂取させ、血のめぐりが良くなるような魚や野菜を食べさせてやる必要があるのです。しかし、「肉ばかり食べさせないで下さい」と言っても耳を傾けてくれるお母さんは皆無だったのです。

■「食」の授業を開始する■

大塚先生は、考えました。「親の意識を変えることは難しい。食事の改善を家庭に任せるのは無理だ。肉類は、家庭で食べてもらえばいい。その代わり学校では魚や野菜を食べさせよう!」

こうして、「ごはん」「魚」「野菜」中心の給食への取り組みが始まりました。保護者に話してもムダだと悟った大塚氏は、まず、生徒達の意識の改革に取り組みました。専門の栄養士に教室で「食」の授業をしてもらったのです。まだ「食育」なんて言葉がなかった時代です。

ところが思わぬ反対者は、教師達でした。「栄養士に授業をしてもらう時間なんかない。授業数が減るので反対だ!」。しかし、大塚先生は校長としてその意見はあえて聞き入れませんでした。

栄養士は、食の大切さをわかりやすく説明してくれました。ごはんや魚、野菜にはどんな栄養素が入っていて、それらがカラダにとってどれほど大切かを、写真などを駆使して話してくれたのです。

やがて生徒だけでなく教師たちの間でも「食」の意識が少しずつ変わってきました。「次はうちのクラスで、栄養士さんの授業をしてほしい」という要望が、教師たちから出てきたのです。

■パンをごはんに変える■

生徒と教師の「食」の意識の変化を受けて、大塚先生はいよいよ本格的に学校給食の改善に取り組み始めました。まだ学校が5日制になる前のこと。週6日のうち、5日をパン食からごはん食に切り替えて、肉をやめ、魚や野菜のおかずを多くする給食に変えたのです。

ごはんと魚を中心の給食内容には、教師たちからも反対がありました。教師自身も子供の味覚のままで、揚げパンや肉が好きで魚の味に慣れていないのです。けれど大塚先生は、校長だからこそ強く押し通しました。

栄養士は、イワシの甘露煮やサバの味噌煮など、バラエティに富んだ魚料理を食べやすく調理してくれました。頭から食べられるように柔らかく煮込んだり、魚に含まれるミネラルの重要性を生徒や教師たちにわかりやすく解説してくれたのです。こうして学校の新しい給食が少しずつ定着していきました。

■学校の次は町を変える■

しかし、大塚先生は1997年に真田町の教育長になり、町全体で給食の改善を進めようとすると、各小中学校にはそれぞれの校長がいるため反対勢力はより大きいものとなり、町の小中学校全体の給食を変えることには、さらに大きな苦労を強いられることになりました。

教師自身が、パン食や、コンビニ弁当の味に慣れているのです。また、親も、給食費を払っているのは自分達なのだから子供の好きなものを出すのが当たり前だろうと言って理解しようとしません。栄養士はそうした教師や親、生徒達の意見に従って揚げパンや中華麺、スパゲティ、ハムやソーセージ、揚げ物などに偏った給食を作り続けていました。

大塚先生は、町全体の給食改善については何度も挫折しそうになりました。

しかし、市販のパンを買って来て実験してみると、数日たっても固くならない、カビが発生してこないことの異常や、ハムやソーセージのあまりの色の良さから、使用されている合成着色料や添加物が気になって仕方がありませんでした。添加物は1食分食べるだけでは安全なのかもしれませんが、毎日家庭で食べ、給食で提供し続けると子供達のカラダに全く害を及ぼさないとは言い切れません。

「教育長として、町内のこども達に安全・安心な食材を食べさせなければならない使命がある。育ち盛りのこども達に、時間の猶予はない」その使命感が、大塚先生を奮い立たせました。

■発芽玄米を学校給食に導入■

大塚先生は農産物に使用される農薬についても研究しました。そして、農薬が子供の脳の正常な成長を阻害する事実を知ったのです。安全な米を手に入れるため、長野県内を走って農家を見学し、多くの米に農薬が浸透していることを突き止めました。それから、何十種類もの米を用意し、農薬が少ない米がどれかを調べました。

しかし、学校給食用にと無農薬の米を選び、購入しようとすると、一農家の利益のために教育長は学校給食を私物化していると批判されます。それらの農家の米を使うと、給食食材の供給ルートに反することから、給食費の補助金が下りないという問題もありました。しかし、先生はあきらめませんでした。

教師や保護者の理解を得るため、栄養士に応援を依頼し、何度も試食会を開催してごはんと魚料理の美味しさを生徒や教師、親に浸透させ、栄養素がカラダに働く役割について地道に伝えていったのです。

特に大塚先生が注目したのは「発芽玄米」でした。発芽玄米に含まれる成分「GABA」に着目したのです。ギャバには、脳内の血流を活発にして、酸素の供給量を増やしたり、脳細胞の代謝機能を高める働きがあります。脳内のギャバが不足すると、イライラしたり、体調不良を招いてしまうのです。ごはん給食では、白米に発芽玄米を10%以上加えて提供しました。こうして小中学校の献立表は、発芽玄米入りのごはんと魚、野菜のおかずが主流を占めるようになっていきます。

■挑戦の効果が現れ始める■

「授業の改革」と「学校内に花壇をつくる」「給食の改善」という3つの挑戦の効果は次第にそれぞれがうまく融合しながら、現れてきました。大塚先生が校長に就任して1年が過ぎたあたりから、校内にタバコの吸殻がなくなり、イライラしたり、無気力な生徒が減っていきました。

2年目が終わる頃には、生徒が起こす非行や犯罪件数がゼロになりました。これには、地元の警察も「異常だ!」と驚いたほどです。今まではバイクの盗難や少年犯罪が多発していた地域だっただけに、こんな平和な状態は今までになかったというわけです。

当初、不登校の生徒は学校に70人近くいたのですが、不登校児は二人にまで激減しました。生徒が落ち着き始め、学ぶ意欲が高まったことから始まった大きな変化に「図書室を利用する生徒が増えた」ことがあります。

学校が荒れていた頃は、図書室を誰も利用しないにも関わらず、本の紛失が年480冊くらいありました。盗まれてしまうのです。それが、昼休みに図書室の席がすべて埋まるくらい利用者が増え、生徒達が盛んに読書をするようになったのです。そして、本の紛失は2年目からゼロか1冊になりました。

生徒達の読書力が高まるにつれ、難関と言われる読売新聞主催の「全国作文コンクール」で、1位か2位に入賞する生徒が現れ始めました。また、歌を歌う子供達が増え、合唱コンクールでも中部日本大会で毎年1位に入賞するようになりました。

■子供たちは変わる可能性を持っている■

大塚先生が教育長として、町全体にこれらの取り組みを進めて以来、その成果は確実に現れました。それは生徒達の学力にも良い影響を与えました。

2005年に、生徒一人ひとりの学習状況やクラスの状況が分析できる全国学力テストを実施したところ、多くの教科で、学力が高いランクにいる生徒の割合が全国平均より極めて高く、学力が低いランクの生徒の割合が極めて低いという結果が出ました。2006年には「全国子ども絵画展」において、町内の小学6年生の女児が応募8000点の中から第1位を獲得しています。

子供達が見事に変わっていく姿を目の当たりにして、大塚先生は確信しました。「非行やイジメ、キレる、無気力の子供達は、もともとそうして生まれてくるわけではない。家庭で、学校で、大人がそのように育ててしまっているのだ」

家庭でバランスのとれた食事を十分にとっていない子供達には、心もカラダも授業を受け入れる体制ができあがっていないのです。

東京から転校してきた中学生のある女子は、重度のアトピー性皮膚炎でした。それが、真田町の学校で給食を食べ始めてから4ヵ月ほどすると、その皮膚炎が治ったのです。その後、彼女は父親の転勤で大阪へ転校すると、食事が変わり、症状は再発しました。結果的に、父親が大阪で単身赴任することになり、母と二人で真田町の中学校に戻り、きれいな肌に戻った状態で卒業していったそうです。

大塚先生は、凶悪犯罪を引き起こした大人の食生活にも注目しています。秋葉原で無差別殺人を犯した犯人の普段の食事を調査すると、ブログで「コンビニ弁当を買って帰った」という記述を見つけたり、容疑者の自宅のゴミがカップラーメンの容器だらけだということを関係者から聞いたりしました。

その度に、玄米入りごはんと魚、野菜のバランスがとれた食生活であれば、このような残虐な事件を起こすことはなかったはずだ、という思いを強くしていきます。そして実際、に真田町では大人の犯罪率も減少していったのです。

■大塚先生のこれからの夢■

やがて大塚先生の食の取り組みは、少しずつ全国的に知る人が増え、講演を依頼されるようになりました。前述した現代の若者たちの精子の異常についての資料も大塚先生の講演で使用されたものです。しかし、先生は各地の講演活動をこなしながらもがっくりする時があると言います。食育がこれだけ声高に叫ばれている現在でも、耳を貸さない教育関係者や親が少なくないのです。

例えば、「うちは給食の残飯が少ない」と自慢げに語る栄養士。給食の内容を聞けば、子供が好む菓子パンや中華麺、ウインナーばかり。それでは家庭で食べるものと変わりません。栄養士さえも、残飯率の少なさを最優先し、子供や親の要望を第一に考える現状に食育の形骸化を感じると言います。

「パン食や肉食に偏った食事がこどもをダメにします」といくら講演で訴えても、表情を曇らせるだけの保護者が多いことにも苦しさを感じます。「食育」という言葉が漫然と広がっているだけで、現状は何も変わっていないことを痛感するそうです。

しかし、少しずつですが給食を改革する自治体が現れ始めています。福井県や滋賀県、山梨県、高知県などでは、ごはん給食が進んできました。給食で安心・安全なものを食べさせることで、子供の心とカラダをつくり、やがては立派な市民に育てようとしています。それこそが大塚先生にとっての食育であり、一番の願いなのです。

ある企業では、経営者が大塚先生の講演を聞き、真田町の献立表を真似した食事を社員に出したそうです。その経営者からは「若手社員にやる気が出てきたと感じる」と先生に報告があり、バランスのとれた食事が業績の向上に貢献できることを知りました。

このように、大塚先生の講演活動は全国各地で実を結びつつあります。「将来は全国的にごはん給食を増やし、日本の子供達とともに日本の農業や漁業を元気にし、この国の食糧自給率をアップさせたい」教育委員長を辞した今、大塚先生はそう語ります。夢の実現に向かって、挑戦はこれからもまだまだ続きます。

・・・いかがでしたか?

2回にわたってお送りしました「給食の裏側」。親にとってはありがたい学校給食ですが、その背景には様々な問題があることがお分かり頂けたでしょうか?

そして、その改善に尽力した一人の教育者の存在と、彼の活動によって実際に子供達の心とカラダが大きく変化していくことに希望を見出された方もいらっしゃるのではないでしょうか?

食を人任せにしてしまうのは、「生きる」ことを人任せにするのと同じです。便利になった今だからこそ、原点に立ち戻って、私たちの「食」の意味について深く考えてみたいと思います。

*参考サイトhttp://members3.jcom.home.ne.jp/mulukhiya/syokuiku/kiji/mainichi-hokkaido.html

●大塚先生の講演から「子供たちを救った奇跡の食育物語」*長い映像ですが、子供さんを持つ親御さんにはぜひ見て頂きたい映像です。

⭐️ ショッキングなタイトルながら、書かれているコトは皆事実。例えば、農薬を大量に使ってる地域の子どもと農薬を使っていない地域の子供の絵がまるっきり違うのです!農薬を大量に使っている地帯の子どもはヒトを描かせてもまったく形にならない。それは一体なぜなのか?極めて読みやすく、説得力があり、現在、給食を取り巻く事実が浮き彫りにされる一冊です!

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コメント

  1. 渋谷 貢 より:

    noahnoah 様
    私は,健康のことに関心があり,ネット検索をすることが多いです。特に,気功に関する情報を探しています。
    私は,北海道在住しており,最近見かけたnoahnoah様のブログを閲覧させています。
    さて,幾つか質問事項がありますので,ご返答していただければ幸いです。
    ①夢幻先生の講演会は,いつ開催されますか。
    ②noahnoa様は,治療家といことですが,治療院を開院されているのでしょうか。開院 されておられましたら,施設名,住所等を教えてください。

    • noahnoah より:

      渋谷さま
      コメントありがとうございます!ご質問にお答えいたします。
      ❶夢幻先生の講演会、今の所、開催の予定はありません。自分以外にも市内で夢幻先生の講座を企画するグループがあり、競合するため、現在は活動を休止させていただいてます。
      ❷私は実家の宮本治療院にて治療家として勤務しております。ブログはあくまでも自分自身の備忘録として運営しているため院のコマーシャルはしていませんが、住所は以下の通りです。
      札幌市豊平区福住1条6丁目11-10 ☎️011-853-5134

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