あなたの健康を奪うイス | 宇宙の種 Health あなたの健康を奪うイス

「適材適所」という言葉がありますが、然るべきものは然るべき所に配置すべきという意味をもちます。であるならば、健康でありたいと思えば、健康を増進する状態に身をおくことも適材適所といえるのではないでしょうか。そこで考えたいのが「イス」。

からだの悪い人に特有のパターンとは？

痛みがあったり、コリがあったり、疲れが抜けなかったり、からだのどこかに異常があるという人を調べてみると、いくつかのパターンがあることに気がつきました。

⚫︎姿勢の悪い人

⚫︎一日中、机で仕事をする、または一日中立ちっぱなしで仕事をする人

⚫︎車によく乗る人

⚫︎ハイヒールをよく履く人

これらの特徴が浮かびあがってくるのです。そしてこれらは全て姿勢に重要な関係があることは、いうまでもありません。姿勢が悪ければ、当然、からだの異常はなかなか良くなりません。また、再発させないためにも、姿勢を良くすることは大切すぎるほど大切なのです。中でも特に気をつけてほしいのが意外にも、イスに座る時の姿勢なのです。

文化違えば腰を痛める

昔、アメリカに嫁がせた一人娘に子供が産まれて、孫の顔を見に行く予定のクライアントさんがいました。

「私、とうとうお婆ちゃんになっちゃったわよ」半分は悲しそうに、そして半分は嬉しそうに言っていたそのAさんは、孫の世話をしに生まれて初めてのアメリカへと出発しました。

３ヵ月滞在した後に帰国したAさんは「とにかく疲れた」とため息つきながら、ゲッソリとした表情で再び私の治療院にやって来ました。よほど疲れているのか目に生気はなく、なんだか顔色も悪そうです。60代の人が海外旅行に行くと、言葉も通じないことが多く、さらに食べ物が合わなかったり、水が合わなかったりと、１週間の旅行でもまいってしまうことはよくあります。

サイズの合わないイスに注意！

Aさんの場合は、慣れない海外に３ヵ月も滞在した上に、孫や娘夫婦の世話、アメリカ人の先方の両親とのコミュニケーションなど、ふつうの旅行の何倍、何十倍も疲れるのは当然のことでしょう。

しかも体を休めようとイスやソファーに座っても、アメリカサイズで大きすぎて姿勢が悪くなり、かえって筋肉を不自然に使ってしまったようなのです。帰ってきて一番辛いのは、腰に痛みが出るようになってきたとのこと。

欧米人のサイズのようなソファーやイスが、日本人の家の中にもたいへん多くなっていますが、深いイスに足の短い日本人が座ると、背もたれに寄りかかった時に寝そべるようになって、背中が曲がってしまうのです。

理想のイスとは？

こんな時こそ、思い出すべきは「適材適所」。日本人である私たちは、可能であれば日本人の使用を想定して作られた日本のメーカーのもののほうが良いのです。インテリアが趣味の私は、そのカタチの美しさから、デンマークのデザイナーであるウェグナーや、モーエンセンの家具を使っていますが、それはあくまでも眺めるためのもので、日常リラックスする目的で使っている椅子はすべて日本のメーカーのものです。では、どんなのが理想のイスなのかといえば次の通りです。

座った時に、低すぎず、高すぎず、背中を伸ばした状態で、足の裏がピッタリと床につくのが理想です。座った時に、足の関節、膝の関節、股関節のすべてが直角になるようにすれば、腰や股関節に負担がかからずからだにも良いわけです。なお、背もたれは、軽く触れているかどうかくらいの感じで座ると良いでしょう。イスの背もたれは、背骨が伸ばせるような木製のものがオススメです。逆にふかふかしたイスでは、かえってからだを痛めてしまいます。」

イスをチェックしてみてください！

それから大切なのは、座っている間に何度も足を組み変えるようにすこと。これは、腰のためには大変重要なことです。

来院されたAさんも、整体で姿勢のアンバランスを整えて、正しいイス選びと座り方についてアドバイスさせていただいたところ、現在では腰痛とは無縁の生活を取り戻されたようです。現在あなたがもし腰痛に悩まされているとしたら、自分に合ったイスかどうかを今一度チェックしてみてください。そして座り方を改善し、イヤな痛みから解放されてください。

ある意味、「健康は（イスの）脚から」といえます（笑）。

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