インドの古典医学・アユルヴェーダの考え方にはたいへんユニークなものが少なくありません。
例えば、一般には「食後のデザート」という言葉がありますよね。
フランス料理にしても、イタリア料理にしても、そして中華料理にしても、デザートを食べるのはきまって食後です。ところがアユルヴェーダの考え方からすれば、これはやっちゃいけないこと!健康をそこなう習慣だというのです。
・・・では、食事の中で、いつデザートを食べるべきと思われますか?
実は、正解は「食前」なんです!
「えーっ!!??」っていうあなたの気持ち、よく分かります。私も最初、それを知った時は「えーっ!!??」って思いましたからね。
でも、なぜだと思いますか?
アユルヴェーダでは、健康をそこない、病気になる要因のひとつに「アーマ」があると考えます。アーマとは、「毒素」のことです。
食事の終わり頃になると、私たちの消化力はすでに低下し、ベストな状態ではありません。そのタイミングで甘みの強いものや脂肪の多いものを摂ることは、消化器にさらに負担をかけ、結果、アーマを増やしてしまうと考えるのです。
あまり馴染みのない食べ方かもしれませんが、どうしても甘いものを食べたい時には、消化力がまだ衰えていない食事の始めのほうで食べてしまうと、食後の腹重い感じがかなり軽減するのは確かなのです。
同じものを食べるにしても、食べる順番を「食べ物の消化のしやすさ」や「消化のしにくさ」を基準にして決めると、健康への影響が大きく変わってくるのです。
①消化力の旺盛な食事の始めのうちに、甘いもの、重いもの、脂肪の多いもの、濃厚なもの、固形物など消化しにくいものを食べます。
②食事の中盤では、消化力を上げる働きのある、塩辛いもの、辛いもの、酸味のあるものを食べます。
③そして、食事の終わり頃には、消化のしやすいもの、軽いもの、乾燥したもの、苦いもの、渋いもの、液状になったものを食べます。
実はこの食べ方には、「過食を防げる」というおまけがつきます。甘いものは、始めに頂くとそれで結構、満足感が生じ、その後の食事を落ち着いた気持ちでとることができるため、過食しなくてすむのです。
これらの食べ方というのは、何も「こうしなければいけない」というわけではありません。
世の中の考え方やモノの見方は多様性に富んでおり、それぞれに長所短所があるものです。私が生活信条としているマクロビオティックでは、食事の始めには液状のスープやお味噌汁を食べるべきとすすめていますし、一般的なコース料理でも最初にスープが出てくる場合は多いです。
けれど、時々、そうした定説をあえてくつがえしてみることで、新たな真理を見つけられたり、カラダにとっても変化をもたらす刺激となったりするものなのです。
柱は柱としておさえつつも、私は色々な考え方をリベラルに取り込み、どんな変化にも対応できる自分でありたいと思っています。いくら良いと思われることでも、それが習慣化して、長期にわたり固定化されてくるとカラダの新陳代謝というものは緩慢になって、かえって生き生きとした生命力を働きにくくしてしまうことがあるのです。
デザートは食後に食べるな!食前に食べろ!
だまされたと思ってまずは、やってみて下さい。きっと、新しい自分のカラダの反応と出会えるはずです。
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