長老に学ぶ②

暮らし

真弓

 

空気が加工され、食が加工され、なにもかもが便利で物質にあふれている今の日本。ところが日本人の平均寿命は延びたものの、病人は増え、カラダの弱い子供が増えています。

東京・吉祥寺で小児科医院を営まれている真弓定夫先生は、その原因は「アメリカにある!」こう断言します。

今から70年前の戦後間もない頃、日本にやってきて、日本人の暮らしや思想に触れたアメリカの政治家や軍人たちは、そのあまりの文化の質の高さに驚き憧れたと言います。そして、これじゃそのうち日本に勝てなくなる日がやってくるに違いないと、日本人及び日本文化を弱体化させる計画を立てたのでした。

 

昭和27年までは、実質的に日本はアメリカに占領されていました。しかし、昭和30年以降もその占領は終わるどころかますますエスカレートして現在に至っています。しかもその傾向はどんどん悪い方向へ向かっていると真弓先生は主張します。

 




 

■アメリカの罠にはまった日本■

真弓先生曰く、

「日本という国は、いかに優れている国なのか考えてみたことはありますか?

日本は季節に応じた食べ物が食べられる。豊かな自然に恵まれている。この日本人を劣化させるためには、もともと日本にあった文化を壊し、自然に合わない衣食住をあてがい、習慣化してしまうことだとアメリカは考えたんです」

果たして70年かけて日本はその通りになりました。アメリカが意図的にやったことは、まず衣食住を加工して与えること。具体的に言うと、コメ食をやめてパン食をすすめ、「牛乳は完全栄養食品」と喧伝して食生活を欧米化したこと、核家族化を進めたこと(そうすることで子育ての知恵を教えてくれる祖父母が身近にいなくなる)、お産婆さんによる自宅分娩が減り、医療機器に囲まれた病院出産が主流になったこと、などがあげられます。

ここにはアメリカの戦略として、政治家・医師・大学教授・乳業・教育委員会等が大きく関わっていて、公官庁ぐるみで支配されていると言う事実があります。その結果、日本は経済優先で医療費が膨大にはね上がる国になりました。

終戦当時の日本の人口 6,500万人だったのが、現在は1億3,000万人と2倍なのに対して、医療費は実に170倍にも膨れ上がっています。医者と薬屋→利潤→政治家が潤うという図式を構築し、それが延々70年繰り返され、歯止めが掛からない状況が続いています。

 

■空気環境を整えましょう■

この状況を変えるには、まず生活環境を整えるべきと真弓先生はおっしゃいます。中でも一番影響があるのが「空気」。一番寒暖の差があるのが「冬」

病院分娩の赤ちゃんは産まれた時から間違った空気を吸わされています。密閉したまま空気を加工していないかどうか注意が必要です。窓を密閉しない。極力、冷暖房を使わない。可能であれば屋外と室内が5℃の温度差という環境を用意します。(*寒冷地に暮らす人は無理しないで下さい)

家屋の中を温め過ぎず、少しでも野性の動物の環境に近い環境に設定すると本来の恒常性を維持しようとして自然と人間の体温だって上がってきます。

そして、ゆったりとした衣服で身を包み、カラダを温める必要のある時には、心臓から遠い部分を温めること。湯たんぽや炭のこたつをうまく利用し、空気を加工してはいけません。

 

■赤ちゃんには母乳を与えましょう■

「まるで動物園の動物的育て方をされて育ったのが現代人。牛の赤ちゃんの飲み物である牛乳をなぜ人間に飲ませなきゃならないの?」

乳幼児にとって理想的な食品は「母乳」だけです。ミルクや豆乳も乳児の成長を促すことはできますが「母乳」にはかないません。

特に産後数日間に分泌される初乳には、生命を脅かす感染症に最も冒されやすい時期に免疫に与える働きがあります。母乳には抗体が豊富に含まれていて、そのタンパク質は、病原菌やウイルスによる感染症から赤ん坊を守るのに必要なものなのです。

牛乳の成分は、実際は牛の血です。白いから誰もそれが血だとは気づかずに飲むけれど、牛乳は本来、母牛が子牛を育てるために与えられるものなのです。

1930年代、アメリカのシカゴで2万人以上の乳児を対象にこんな実験が行われました。

生後9ヶ月間、母乳だけで育てたグループと、母乳にミルクを足したグループ、煮沸して還元した牛乳に砂糖を混ぜて飲ませたグループの発育状況を比較しました。

結果は、生後9ヶ月で完全母乳栄養児と混合栄養児を合わせたグーループの乳児死亡率は、1000人につき1.5人の割合だったのに対して、完全人工栄養児の死亡率は、1000人につき84.7人と高い数値を示し、さらに完全人工栄養児では消化器系の感染症の死亡率が40倍、呼吸器系の感染症の死亡率は120倍にも達していました。

それ以外にアメリカの8都市の赤ん坊を対象に行なわれた研究でも、同様の結果が報告され、完全人工栄養で育てられた子供たちは生後6ヶ月までに死亡する確率が20倍高かったといいます。

この結果は、まだ病原菌による感染症を治療する抗生物質が出回るよりもずっと前の話なので、抗生物質や高度な医療体制がある現代では考えられない話ですが、母乳がいかに乳児の免疫に大事かが実感できます。

 

■低体温の子が増えている■

最近、低体温の子供が増えているそうです。子供の平熱は37~38度が理想ですが35~36度の子供がほとんどとのこと。低体温だと元気に動けない、脳の働きが弱い、そして免疫力の低下にもつながります。

原因としてまず第一に考えられるのが、先に述べた空気の加工と食べ物。その他にも、運動不足や遅寝遅起き、締め付ける衣類や紙オムツ、暴飲暴食、冷たい物や甘い物の食べ過ぎ、過度のストレスによる自律神経のバランスの崩れなどがあります。

体温を上げるためには、その逆に早寝早起き、しっかり睡眠をとる、カラダを動かしてお日様の下で遊ぶ、動きやすい服装を心がけるなど、生活のあらゆる面からの見直しが必要です。

 

真弓先生の主張は、私が初めて先生を知った20年前といささかも変わっていません。

昔、大家族が主流だった頃の日本には、どの家にも人生経験を積んだおじいちゃん、おばあちゃんがいました。長老たちはただやさしいだけでなく、孫の幸せと健康を願って、時に耳が痛くなることも、生きる知恵として伝えてくれました。

核家族化が大きく進んだ現在の日本。ネットの普及で情報は氾濫しているけれど、暮らしの身近でそうした先人たちの肉声に触れる機会は減りました。

こんな時代だからこそ、しっかりと耳を傾けたい長老の言葉。十分咀嚼して、私も次の世代の子供達へ伝えていきたいと思います。

 

 

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*トップ画像はこちらのサイトから http://mibyouyobou.com/semi/

 

 

 

 

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