気圧と白血球①

免疫力

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■高気圧と低気圧、その違い■

高気圧が来て良いお天気になると、気分が高まり張り切ってやる気が出てくるのに、低気圧になって雨でも降り出すと、物憂くだるくなってなにもする気が起こらなくなる、こんな経験あなたはありませんか?

なぜこのようなことが起こるのでしょう?

今回は、そんな気圧が健康に与える影響について考えてみたいと思います。

そもそも「高気圧」とは何かといえば、空気の量が多いこと。ということは、酸素の量が多くなることでもあります。それゆえ、高気圧の時は人間の呼吸は活発になり、カラダに取り込まれる酸素量も増え、エネルギーを得て行動は活動的になります。

ところが、人間は大量の酸素を取り込むと、交感神経が緊張し、脈拍が上がって呼吸数が多くなり、白血球の中にある顆粒球が増えてしまいます。

 


 

■気圧に対応する顆粒球とリンパ球■

白血球の中には、大きく分けると「顆粒球」「リンパ球」があって、顆粒球60%、リンパ球35%の割合で存在しています。残りの5%は単球と呼ばれるものです。これらが、カラダの免疫力を司っています。

カラダに何か炎症が起きると、顆粒球がどんどん増え、やがて白血球の90%以上を占めることもあります。診断学においてはこうした顆粒球の増加が肺炎や扁桃腺炎など炎症の有無を表すサインになります。

顆粒球は、体内に侵入した細菌や死んだ細胞を食べて分解し、カラダを守っているのです。そして、顆粒球は細菌をやっつけると同時に自爆して死んでしまいます。この死骸が「膿(うみ)」なのです。

一方、リンパ球のほうは、細菌などよりもずっと小さなウィルスや病原体を狙います。リンパ圏内に侵入してきた病原体に対して「抗体」と呼ばれる抵抗軍を結成し、病原体を殺したり、他の肉体細胞と手を組んで病原体を食い止めます。この時に「リンパ腺が腫れる」という状態が起こるのです。

高気圧になれば、白血球中の顆粒球が増えるのに対して、低気圧が近づくと、今までとは反対に、空気の量が少なくなり、脈や呼吸数はゆるやかになって代謝は抑えられ、自律神経は副交感神経優位となり、白血球にはリンパ球が増え、エネルギーを温存するため、活動は抑制的になります。

これらをまとめると以下のようになります。

 

高気圧  酸素多い  交感神経優位   顆粒球が増える   活動活発  興奮・緊張

低気圧  酸素少ない 副交感神経優位  リンパ球が増える  活動抑制  休息・弛緩

 

どちらが良い悪いというわけではなく、モノゴトというのは、どんなものでも自動車における「アクセル」と「ブレーキ」のような2種類の異なる性質のものがあって、それらが、互いに調和・協調して行く中で変化が繰り返されるようです。

高気圧で天気が良く、活発に活動できることは良いことのように思いますが、酸素が多いということは、それだけ活性酸素にさらされる機会も多くなるということです。

戦後、日本は急激に寿命が伸びた国ですが、この理由の背後にも、気圧と白血球が大きく関係しているのです。それが一体なぜなのか?

答えは次回のブログで明かしたいと思います。

 

 

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