気圧と白血球②

免疫力

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■日本人が長寿の理由■

戦後の日本人の平均寿命はものすごく伸びて、今や世界一になりました。

この大きな理由の一つには「食べ物が豊富にあり、栄養状態が良くなったこと」が挙げられると思います。栄養状態が良くなれば、人間のカラダは、あくせくと働き回って「えさ取り」に奔走することもなくなるため、自律神経が興奮・緊張を司る交感神経優位の状態から、リラックス・弛緩を司る副交感神経優位の状態へと切り替わるのです。

サッカーの試合などを見てもわかるように、ホームとアウェイで言えば、人間はホームで戦うほうがアウェイで戦うよりも、リラックスして実力を発揮できたり、ゲームそのものを楽しむ余裕というものを持つことができます。

もちろん、獣に追われて逃げ出す時のように、興奮・緊張が必要なこともありますが、興奮・緊張があまりに長く続いては自律神経のバランスを崩してしまいます。いわゆる働き過ぎで過労死してしまったり、重篤な病に冒されるというのがこのケースです。

さて、自律神経が交感神経から副交感神経優位に切り替わると、カラダの防御体勢にも変化が生じます。免疫力を司る白血球の中で、顆粒球よりもリンパ球のほうが増え、主役が切り替わるのです。それにより、老化や酸化の原因となる活性酸素にさらされる機会が経るのです。これが戦後、日本が長寿国となった大きな理由のひとつであると思います。

 


 

■長寿の地域と短命の地域■

けれど、この日本国内に目を転じてみれば、「長寿の地域」「短命の地域」というものが存在しています。それは一体なぜでしょう?

実はここに「気圧」というものが関わってきます。

長寿者の多い地域として知られているのは、沖縄県、長野県、岩手県などがあります。

逆に短命な人の多い地域として知られているのが、青森県、秋田県、大阪府、福岡県などです。

 

これらの地域の気圧を調べてみると、長寿者の多い地域では、沖縄のように空気の温度が温められたて上昇気流が生じやすく、低気圧の状態を生み出します。また、長野や岩手など、高地を含む地域も酸素分圧が低くなり低気圧となります。低気圧の状態になれば、空気中の酸素が少なくなり、人間のカラダはリンパ球主体の防御システムとなって副交感神経優位になります。低気圧の地域に暮らす人たちは、基礎代謝量も低くなるため塩分の摂り方も少なく、薄味を好み、長寿の条件がそろうわけです。

それとは反対に、青森や秋田などの地域では、寒さによって空気が重くなり、年間を通じて気圧は高め。また、寒さそのものが基礎代謝を上げて交感神経優位の状態を作り出しやすくさせ、塩分の多いものを欲するようになり、しょっぱい漬け物が好まれるようにもなります。カラダは顆粒球主体の防御システムとなって、興奮・緊張の状態が長く続きやすくなるのです。これでは、ブレーキのないアクセルだけの自動車を運転しているようなもの。短命の条件となってしまいます。

 

このように、気圧差が人間の寿命と関係する事実を知ると、どうすれば、健康に長生きすることができるのかということも自ずとイメージできますよね。

ふだんから交感神経優位の状態で活動している人は、つとめて副交感神経優位のリラックス・弛緩した状態へと針を戻してやれば良いということになります。

けれど、ここで間違って頂きたくないのは、必ずしも交感神経優位が悪くて、副交感神経優位が良いということではありません。大切なのはバランスなのです。副交感神経だって、その状態ばかりが長く続けば、リウマチやアトピー、気管支ぜんそくなどという自己免疫疾患に罹るリスクを高めてしまうのですから。

そのメカニズムと、具体的なバランスのとり方については、また次回でお話したいと思います。

 

 

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