前回のブログで風邪は悪者じゃないとお話しました。上手く経過させれば、それはカラダのお掃除やリセットに有効なのです。しかし、だからといってそのまま放っておけば良いわけではありません。「しかるべき過ごし方」があるのです。それによってはじめて風邪は忌み嫌うべきものではなく頼もしい味方となってくれるのです。
では、どんなことに気をつければ良いのでしょう？今回はそんなポイントについてお話します。
風邪にかかったかなと思ったら、ぜひ気をつけていただきたいことがあります。全部で5つあり、私はこれを『風邪の養生五原則』と名づけ、自らが実践しています。ざっとあげれば次の通りです。
- 十分休息を取る
- 目を酷使しない
- 栄養の過剰摂取を控える
- 十分な水を飲む
- 下半身は暖かく保つ
それでは、ひとつひとつの項目について詳しく説明しましょう。
困った時は、当たり前のことを当たり前に行うのが基本。無理は禁物です。風邪だって、カラダが発していたはずの「休め」のサインを無視するからひくのです。しっかりと休ませることで、備わった全ての機能がカラダを改善させる方向へと向かいます。慌てず、焦らず、心落ち着かせ、仕事のことは忘れ十分休みましょう。
案外知られていませんが、風邪の原因には食べ過ぎの他に「目の酷使」があります。風邪をひいた後も目を使いすぎると視神経が緊張して、脳から各臓器への信号伝達がスムーズに行かなくなり、回復を遅らせてしまうのです。
横になって自分は休んだ気でいても、テレビやスマホを見たり、本を読んだりしていると経過は悪くなります。休みが必要なのは、カラダだけじゃなく神経だって同じこと。目を疲れさせない、ぜひ気をつけてください。
風邪をひいている時、内臓だって疲れています。特に消化器系。栄養が大事といってサプリメントや食事をたっぷり摂る人がいますが、大きな間違いです。そもそも風邪をひいている時って、食欲が湧かないし食事が美味しくないでしょう。それこそが自然の反応です。
過剰な栄養を摂れば回復に必要なエネルギーが消化吸収に取られてしまいます。できるだけ内臓に負担をかけないように気をつけて粗食を心がけるようにしましょう。なお、風邪が上手く経過して食欲が出てきた時は、内臓が回復してきた証です。その時は、カラダが真要求するものをよく噛んで食べましょう。
内臓が働く時も、カラダが回復する時も、十分な水分は必要です。水はできるだけしっかり摂るようにしましょう。この場合、コーヒーやジュースではダメです。質が良く、冷たすぎず、沸かしていない水をガブ飲みせずに、少しずつチビチビと回数を分けて飲むのです。
この場合の必要量というのは、人によって異なります。必要量以上に摂っていれば心地良くないものです。カラダに訊いて「心地良く飲めているかどうか」を手掛かりにしながら、自分の必要量を見極めましょう。
健康の秘訣は頭寒足熱と言われます。風邪をひいている時はその逆で手足は冷たく寒気がし、頭はどうにも熱っぽいもの。これを整えようと思うなら、まずは頭を冷やし、足元を暖かく保つこと。日本の民間療法には優れた健康法や対処法が多くあります。
私のおすすめは、まず冷えとり健康法で言われるところの靴下の重ね履き。肌の上にシルクの五本指靴下、その上に綿の五本指靴下、さらにシルクの筒状靴下、最後に綿の筒状靴下と四種類の異なる靴下を重ね履きするのです。
こうすることで皮膚から毒素を排出し、カラダに備わった自然治癒力を高めることができると考えられています。基本的にお風呂に入る以外は布団の中でもこのままの状態で休みます。まるで繭玉に包まれているような安心感の中、治癒のプロセスが進行して行くのが実感できます。
そして、もう一つのおすすめは、天才整体治療家・野口晴哉先生考案の「足湯」。これは以前に『野口整体からみた楽な生理中の過ごし方』という記事でもお伝えしたことがありました。女性の生理を苦痛なく経過させるためにも有効な足湯の方法なのですが、これ、風邪の対処法としても抜群に効果のあるものなのです。単にカラダを暖めるだけでなく、歪みまで整えてくれます。下にリンクを貼っておきますのでご興味のある方はぜひご一読ください。
以上、風邪にかかったかなと感じた時にすべき過ごし方のポイントでした。風邪を自然に経過させることこそ、カラダの良きリセットになります。薬にばかり頼らず、時にはご自身の治癒力を信じて上手にやり過ごしてみてください。きっと疾病に対する新しい選択肢が増えるはずです。どうぞお試しください。
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