これから風邪が流行る季節です。多くの人は風邪を嫌がります。しかし、整体的な観点から捉えると、風邪は健康だからこそひくことができるとも言えます。死人はひけませんからね。
要は、ひいても構わないけれど、こじらせることなく上手に経過させることができれば良いのです。現に毎日クライアントさんのカラダを観ていると、臓器や筋肉、神経の働きが活発で元気な人は重症化させることなく経過して、風邪症状が治った後には、ひく以前よりもかえってスッキリと元気になっていることが多い。
整体の名人、故・野口晴哉先生も『風邪の効用』という本を書いて、風邪とは、気候の変化に身体が順応していったり、溜まっていた疲労を回復させるなど、体調がより良く変化していくためのプロセスなんだとおっしゃっています。そんな風邪のお話。
風邪ひきさんの中にも、なかなか症状が治らず、いつまでもグズグズと長引かせている人がいますが、そういう人に限ってちょっと咳が出たり、鼻水が出た程度ですぐに風邪薬を飲んでいる。
全ての薬が良くないとまでは言いませんが、本来カラダは理由があって咳を出したり、鼻水を出したりしているわけです。これらは全て体の内側から外側へ悪いものを出そうとしている自然な排出作用であって、これをすぐに薬で再び内側へ押さえ込んでしまったのでは、カラダの免疫システムがいつまでも学習できないし、力を発揮する機会をみすみす奪ってしまいます。
また、やたらと栄養栄養と言って、普段から過食している人やサプリメントを摂りまくっている人も風邪が治りにくいです。これらは過剰に摂取した栄養がかえって内臓の負担となって免疫機能を低下させているのだと思います。
だからと言って、もう何年も風邪などひいていないと自慢する人のカラダはもっと深刻かも知れない。もしかしたら疲労が溜まりに溜まって、カラダのほうは風邪をひきたいのに、感覚が鈍くなってしまってひけないカラダになってしまっている場合もあるからです。
肩コリなんかもそうだけど、肩コリを自覚できているうちはまだ良いけれど、重症化してくると、触れると筋肉が石みたいに固いのに本人は全く気にならないなんてことがあります。これは生命を守るためのカラダのセンサーが麻痺している状態と言えるわけで、風邪の場合にも当てはまります。
実際、チョコチョコと小さな風邪をひいている人のほうが大病に至らないし、何年も風邪などひいていない人のほうが後に厄介で大きな病気を患うということもあるのです。
だから、風邪にかかることを恐れずカラダを調整してくれるものだと心得て、ひいても軽やかに経過させるようにしましょう。
状況によっては、風邪で寝込んでなんかいられないよって人もいるでしょう。でも、時間にも気持ちにも余裕のある場合、いつものように薬を飲むのを少し我慢して静かにカラダの反応を観察しながら自然に風邪を経過させてみてください。
風邪症状を無理に押さえ込むことなく経過させると、カラダの中はまるで激しい台風が過ぎ去った後のような清々しさと静けさを取り戻すはずです。そんな時こそカラダ本来の免疫力や調整能力が働いて、大変リフレッシュした感覚を得ることができるのです。
この体験はとても大切。肌はツヤツヤになるし、カラダも気分も軽くなり、まるで自分が新しく生まれ変わったような心地さえするはずです。風邪は悪者じゃなかったんだ!カラダの調整役だったのか!ってわかるはず。
では、自然に経過させる上でどんな風に過ごしたら良いか?その極意は次回にお話します。
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