いのちの水と熱中症予防


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■カラダは水でできている■

私たちのカラダの中では、水が血液やリンパ液として循環しながら栄養物や酸素を運んだり、老廃物を排泄したりしながら働いています。また、体温を一定に保ったり、体内の浸透圧を保っていられるのも水が働いてくれているおかげです。

カラダの中で、水が占める割合は大人なら体重の60%、新生児なら80%位というのは前回お伝えしました。

では、私たちが飲料水などで1日に取り入れている水って、どの位の量になると思いますか?

・・・答えは、大体、2.5L位です。

また、尿や汗でカラダの外へ出て行ってしまう水も1日に2.5L。

つまりは、体重が70kgの大人なら、約40Lの水を常にカラダに保持し、2.5Lの水を毎日入れ替えている計算になります。


■この世界に流れる水■

ちなみに、木々は地中から水分を吸い上げてそれを空中へと放出していますが、高さ50m位の大きな木なら、その量は1日に190L位になります。木の幹に聴診器をあててみると、「ゴー」という滝のごとき音がします。この木が水分を吸い上げる量を人間の体積に換算すると、その割合はまったく同じになります。

つまりは、この世界は、すべて水の循環によって営まれ、あらゆる生命は、水によって運ばれているということが言えるのです。私たちがお母さんのお腹で受精により生命を宿してからも、羊水という水に浮かんで人間としての一生が始まるし、何より生命は、この地球上に水が誕生してから発生したわけですから、これは私たちのカラダの中に水があるというよりは、水がそのまま私たちの命であり、「水こそは、いのち」と言っても良いくらいなのです。

■熱中症を防ぐには■

最近、温暖化の影響からか、熱中症による脱水症状で亡くなる方が毎年のように報告されます。水が不足するということは、それほど命にかかわってくることなのです。以前、医学者であるアドルフ博士という方が砂漠で行った有名な実験というのがあります。

それは、数名の被験者に砂漠を脱水症状がおこるまで歩いてもらい、その後、真水を飲ませました。すると、被験者はある程度までは真水を飲むことができたのですが、途中からは以上飲むことができませんでした。カラダのほうはまだ水を欲しているにも関わらずです。つまりは、真水だと脱水量の回復がうまくいかなかったわけです。

なぜなのか、その理由は長くわかりませんでした。

しかし、当時、京都府立医科大学の森本武利教授がネズミを使ったある実験をしました。まずは、体重の7%の割合で、ネズミに脱水症状を起こし、その後、ネズミに蒸留水を与えたのですが、ネズミはやはり途中で飲むのを止めてしまいました、脱水回復率は、50%に過ぎなかったのです。ところが、同じネズミに血液と同じ濃度の電解質を含む水を与えると、今度は回復率がしっかり100%になったのです。

電解質とは、水に溶けると電気を通す物質のことで、水中では電気を帯びたイオンになり、電気を通すようになります。細胞の浸透圧を調節したり、筋肉細胞や神経細胞の働きに関わるなど、身体にとって重要な役割を果たしています。少なすぎても多すぎても細胞や臓器の機能が低下し、命にかかわります。電解質にはナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。これらはみな、ミネラルの仲間です。

先の砂漠の実験では、体温が異常に上がってしまいます。すると、ヒトのカラダは汗をかいて上昇した体温を元に戻そうとします。その汗の元となる水分がどこから来るかというと、筋肉です。体重60kgの人なら、約30kgが筋肉で、筋肉のうち20kgが水分です。

脱水症状が起こった時には、この筋肉や皮膚から水分を出して温度を調節し、今度はその失われた水分を補わせるため脳が「喉の渇き」を通じて知らせます。

しかし、この時に真水で補給しようとすれば、摂取した水分によって血液の浸透圧が下がり、そうすると、細胞内外の浸透圧に差が生じて細胞の機能が障害される恐れがあるため、浸透圧がある一定の量に達すると、脳内のリセプターが作動し、今度はもう水を飲むなという指令を出すのです。

汗をかいた時、失われるのは水分だけではなく、電解質もなので、水分を補給しようとするなら水よりもそれらミネラル分を豊富に含んだ電解質溶液のほうが、細胞内外の浸透圧に差を生じさせることなくスムーズに水分を補給できるということになります。

熱中症が起こるメカニズムは、脳梗塞や心筋梗塞とほぼ同じで、血液がドロドロになって心臓や肝臓、腎臓などに障害が起こるのです。カラダの中の水分は、酸素や栄養素を運ぶ、老廃物を体外に出す、カラダの環境バランスを保つなど重要な働きがあるため、体内の水分量が減るとさまざまな影響が出るのです。

これからの季節に多い熱中症を予防するには、活動する前の、あるいは最中のこまめな水分補給が大切です。この時に真水で補給しようとすると、先にお伝えした通り、体内の塩分濃度が薄まり、かえって細胞内液の脱水が進んでしまうので、理想的なものは電解質溶液で、しかも0.2%程度の塩分を含んだスポーツドリンクを飲むのが理想的です。

通常市販されているスポーツドリンクは、嗜好性を高めるため濃い味つけで、砂糖も大量に含まれているため、これをそのまま飲めば逆に喉が乾いてしまうので、倍くらいに薄めると良いでしょう。これを活動前に250~500cc、活動中なら1時間ごとに500~1000cc飲むと良いです。

また万が一、熱中症にかかってしまったならば、まずは、木陰など涼しい場所でカラダを冷やし、衣服を脱がせて霧吹きでカラダに水をかけ、扇風機があれば、風を当てます。この際、股のつけ根や首、脇の下などを氷で冷やすと効果的です。

さて、私たちの命と密接に関わり合っている水ですが、女性が最も関心ある「美しさ」。その象徴が「みずみずしい肌」ではないでしょうか。美しい肌を維持する上でも、水分は絶対に欠かせません。次回は、そんな水と美容についてお伝えしたいと思います。

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