誰もが学生時代に一度は「栄養」について習ったことがあると思います。
思い出せますか?「5大栄養素」。
まず、エネルギー源としての3大栄養素として挙げられるのが、タンパク質、脂質、炭水化物の3つ。
それに、体の調子を整える栄養素としてのビタミンとミネラルを加えて5大栄養素。
たぶん、ここまでは共通の認識として誰もが答えられると思います。
けれど、最近言われている「8大栄養素」ということになると、あと3つ足りません。
さて何でしょう?答えられますか?
あとの3つは、昔はあまり重要視はされなかったものの、
最近の研究でその働きの大きさから新たに栄養素として加えるべきと言われているものたちなのです。
私はそれを「栄養素新御三家」と呼んでうやまっております。
1つ目は、食物繊維。そして、2つ目がファイトケミカルで、3つ目が酵素。
合わせて8大栄養素というわけなのです。
今回は、新御三家のうち、ファイトケミカルについてお話したいと思います。
ファイトケミカルは主に何に多く含まれているのでしょう?
それは、果物と野菜です。果物と野菜と言えば、それこそビタミンとミネラルが十分含まれているとおっしゃるあなた、それはもう古い栄養学なのです。フェイトケミカルは、ビタミンやミネラルよりもずっとパワフルな、植物だけに含まれる化学物質で、自然界にある植物を強い紫外線や放射線、微生物など外敵から守っている植物のフレーバーや香り、色素の成分なのです。
ポリフェノールやβカロチン、リコピンなど、あなたも一度は耳にしたことがあるでしょう。これらの物質が植物のカラダのみならず、私たちのカラダをもさまざまな病気から守ってくれているのです。
私たちの細胞は、食べ物の代謝副産物やタバコの煙、環境汚染物質によって体内に生じる活性酸素の攻撃を1日に10万回以上も受けているといいます。がんや心臓病、脳卒中、糖尿病、アルツハイマー病などといった病気は、これらの攻撃によって細胞組織がダメージを受け発症しやすくなることが近年の調査でますますはっきりしてきました。
しかし、果物や野菜に豊富に含まれている抗酸化力に優れたファイトケミカルが、活性酸素を除去したり、そのダメージから細胞を守り、傷ついた細胞の遺伝子を修復し、これらの病気にならないように働いてくれていることがわかってきました。
これらの物質には、形成されてしまったがん細胞の複製や増殖を阻止し、心臓や脳を健康に保ち、記憶力や集中力を改善し、感染症を減らし、免疫力を高め、慢性疲労を改善し、老化を遅らせるといった優れた力があるのです。
では、どのような果物や野菜にこのファイトケミカルは多く含まれるのでしょう?
それは、色の濃い果物や野菜です。
青紫のブルーベリーやブラックベリー、真っ赤ないちごやラズベリー、トマト、さくらんぼ、黄色やオレンジのにんじん、みかん、オレンジ、さつまいも、かぼちゃ、緑色のクレソン、ケール、ほうれんそう、ブロッコリー、アボカドなど・・・
こうした鮮やかな色彩を持つ自然の食べ物の中には、今日わかっているだけでも約1万種以上のファイトケミカルが含まれているのです。これらの食べ物には、ファイトケミカルが、酵素や食物繊維、ビタミン、ミネラル、太陽エネルギーなどとともに一つのユニットとなって含まれていて、お互いに相乗効果を発揮しながら、私たちのカラダを活性酸素から守り、老化予防のために役立っているのです。
なんとありがたいファイトケミカル。これを日常、意識して摂らない手はありませんよね。栄養素新御三家のあとの2つはまた別な機会にお話ししたいと思います。
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