コーヒーは毒ですか?

食と健康

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私が務めている治療院のとなりにはカフェが併設されています。

その名も「オーガニックカフェ知恵の木」。

オーガニックやマクロビオティックをコンセプトにした食事や飲み物を提供させて頂き、治療院のクライアントさんやご近所の方にもっと「食」に関心を持って頂きたいとの思いから12年前にオープンしました。

 

カフェゆえに、コーヒーももちろんメニューとしては扱っているのですが、三年番茶やハーブティーなどノンカフェインのドリンクも豊富に取り揃えています。それは、カフェインには功罪両面があると思うからです。

ものごとはすべからく、プラスとマイナスの両面を持っているものです。私自身はコーヒーが好きで、1日か2日に1杯は楽しむのですが、体調のすぐれない時は、飲むのを止めています。それは、カフェインの持つマイナス面を知って上手につきあいたいと思うからなのです。

 

タイトルの「コーヒーは毒ですか?」にドキッとされた方もあると思います。

私自身は、カフェインの持つ毒性は確かにあると思うし、コーヒーも飲み過ぎれば「毒」になるとも思っています。

カフェインは、実際に強心剤・頭痛薬・中枢神経亢進剤などの目的で、薬として1回につき0.2mg程度の量で投与される事があります。「毒を薬として用いる」ということですね。

薬ですから、当然、副作用があるわけですが、投与量1g以上から嘔吐・動悸が始まり、致死量とされる10gに近くなってくると痙攣や不整脈、瞳孔拡大などが現れてくるそうです。

このカフェインの致死量10gというのは、我々が飲む飲料では一体どれ位の量に当たるのでしょうか。含有量から調べてみると、以下のようになります。なお、この致死量は30分以内に飲み干すのを前提に計算されています。(※カッコ内は1単位あたりの含有量です)。

 


 

■各飲料におけるカフェインの含有量と致死量■

コーヒー カップ一杯 (カフェイン量100mg) 致死量100杯

紅茶   カップ一杯 (カフェイン量 25mg) 致死量400杯

煎茶   湯呑み一杯 (カフェイン量 20mg) 致死量500杯

コカコーラ 350ml缶 (カフェイン量 45mg) 致死量220缶

ペプシ   350ml缶(カフェイン量 38mg) 致死量260缶

リポビタンD   1瓶 (カフェイン量 50mg) 致死量200本

 

■コーヒーのマイナス面■

コマーシャルの影響もあって、コーヒーは疲れを癒し、安らぎの時間を与えてくれる飲み物というイメージを誰もが持っているのではないでしょうか。しかし、はっきり言ってしまうとこれは「幻想」なのです。

真実は、コーヒーばかりかどんなカフェイン飲料も、大量に常用していると、心臓病や脳卒中、糖尿病、がん、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症まで、老化にともなう様々な病気を引き起こすリスクが高まっていきます。

カフェインは、心臓に不整脈を引き起こすリスクを高め、突然死を助長させるほか、血圧、コレステロール値、中性脂肪値を上昇させてしまうため、血圧の高い人には注意が必要なのです。

たった一杯のコーヒーを飲んだだけで、数時間にわたって動脈の弾力性が失われ、心臓に余計な圧力がかかり、血圧が5〜10ポイントも上がってしまうことが最近の研究から分かってきたのです。

また、カフェインは強力な中枢神経刺激物質で、カップ1、2杯の量で(カフェインの量150〜200mg)副腎を刺激し、肝臓のブドウ糖製造を増やす一方で、筋肉や脂肪細胞がブドウ糖を利用する能力を妨げ、インシュリンの感度を低下させるため、糖代謝を混乱させ、糖尿病を引き起こしやすくさせてしまいます。結果、皮質・髄質・脊髄にまで良くない影響をもたらしてしまうことがあるのです。

疲労して、少々睡眠が足りなくても、カフェインの刺激を受ければ、なんとかやり過ごして日々を切り抜けていくことができるため、それがかえって睡眠不足を助長し、脳神経エネルギーの製造や修復ホルモンの分泌を低下させ、さまざまな病気や肥満、早い老化などをもたらしてしまいます。

また、女性にとっては、エストロゲン値を上昇させ、月経障害、子宮内膜症、子宮筋腫、乳房の痛み、乳がんのリスクを高めたり、カップ1、2杯のコーヒーでカラダからは2〜3mgのカルシウムが失われてしまうため慢性関節リウマチや骨粗鬆症のリスクも高めてしまいます。

頭痛から逃れるためにコーヒーを飲んでいるという人にも時々出会いますが、これなどは完全にカフェイン中毒で、これを治療する過程では、コーヒーを飲まないでいると、禁断症状としての頭痛を体験することが多くあります。

さらには、女性の失禁のリスクを高めたり、その利尿作用を通じてビタミンB群やミネラルが尿中に流れ出してしまうなど困ったことも多いです。

成人の場合は1日300mg程度の摂取であれば、それほど有害な影響はないのですが、500mgを超えると、人によっては急性中毒症(神経過敏、興奮、睡眠障害、顔面紅潮、嘔吐などの胃腸症状等)を起こすこともあるので注意が必要です。

 

■コーヒーのプラス面■

では、逆にプラスの面ではどのようなことが言えるでしょう。

少量のカフェインは、集中力アップをアップさせたり、脂肪の分解を促進するリパーゼと言う酵素を活性化する働きなどがあります。

また、カフェインは骨格筋を刺激するため、筋肉の力が高まり、さらに運動することになるため、運動能力の向上や疲労に効果があると言われています。あと、カフェインの持つ覚醒作用や利尿作用はプラスに働くと、気分を変えたり、むくみを改善するのに役立ったりしますね。

マイナス面と比べると、プラス面が少ないのが寂しいです。コーヒーに関わる産業界は、カフェインやコーヒーの持つプラス面をアピールしようとやっきになって、専門家や研究者を使って人体にとって役立つというデータを見つけては盛んに広めようとしますが、先に述べたように医学的な面から言えば、過度に用いた場合、健康上のリスクをともなう飲み物と言えると思います。

しかしながら、人間の暮らしというものは医学的側面のみで成り立つわけではありません。

コーヒーは文化的・精神的な面では、ヒトの暮らしに多大なプラスをもたらす飲み物であるとも思うのです。ヒトとヒトとを結ぶきっかけとしてのコーヒーだったり、香りと苦みの醸し出す刺激により脳が覚醒し、新しいアイデアやイメージを生み出す起爆剤となったり、暮らしを豊かに感じさせる脇役としてのコーヒーの存在に私は何よりも価値を感じます。

コーヒーに含まれるカフェインが、本来、「劇薬」に類するものでありながら「薬」として活用されることがあるように、私たち人間は、あらゆるものの特性を知り、それを上手に活用することによって文化を今日まで大きく広げてくることができました。

ものの特性を知り、上手に活用することは、すべてのことに当てはまります。すべてのものがまるでコインのように裏と表を持って存在します。光と影、両方の側面を見ることで、よりモノゴトへの理解は深まっていきます。

今回は、その良い例として「コーヒー」を取り上げてみました。これからも、自信を持ってカフェではコーヒーを出し続けていきたいと思います。ちなみにうちの店の豆は、ブラジル産のオーガニックを使用しています。

体調のすぐれない方には、ノンカフェインの三年番茶をおすすめしてしまうちょっと変わったカフェです(笑)。気になったら、いつか遊びにいらして下さい。あなたのご来店、心からお待ちしています。

 

 

★私たちのカフェはこんな店です。↓

Organic cafe 知恵の木ホームページ

 

 

 

★今回のカフェインに関する健康情報について参考にしました。アメリカでブレイクしたナチュラルハイジーンの基本的な考え方が網羅されていて活用できるところがたくさんあります!

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