世の中には、それぞれは優れていても、掛け合わせると、その良さが引き立たないどころか、マイナスになってしまう組み合わせ、なんてものが多く存在いたします。
美味しいとか、栄養があるとか思って食べたり飲んだりしていても、たまたま組み合わせが悪いばかりに、肝心の栄養素を破壊して吸収を悪くしたり、逆に毒となってしまう場合もあったりします。
例えば、紅茶。
紅茶はじめ、茶の類には、カテキンという成分が多く含まれているのは皆さんよくご存知だと思います。カテキンはフラボノイドの一種で、体脂肪を燃焼させ、心疾患の予防にも効果があることが確認されています。また、体脂肪を燃焼させることで、お腹についた余分な脂肪を減らし、生活習慣病の予防にもつながります。
日本で240人を対象とした検査では、カテキンの摂取量が多いグループの腹部断面が10平方cm以上も減っていたという報告があります。
しかし、日本人同様、イギリス人も紅茶をよく飲むにも関わらず、私たち日本人よりも心疾患の頻度が高いことを不思議に思ったベルリン大学病院の心臓病学教授・Verena Stangl博士がある比較実験をしてみたところ、思わぬ事実が浮かび上がりました。それはこんな実験です。
16名の健康な更年期後の女性に、0.5Lの紅茶、同時に10%のスキムミルクを入れた紅茶、あるいは水だけを飲んでもらって、紅茶の効果がどう変化するかを調べたのです。
お茶の飲み方にも世界中、様々なスタイルがあります。私たち日本人は主に緑茶や番茶などのようにストレートで何も加えず飲むし、紅茶の場合も入れるのはお砂糖だけという人が多いです。またトルコや中央アジアの人々も同じです。ところがイギリスでは、お茶といえばミルクティーを指します。イギリスに長く植民地支配を受けていたインド・パキスタン・バングラディシュも同じようにチャイといえば、ミルクティー。
そこで、Verena Stangl博士は、ミルクがカテキンの作用を打ち消す原因となっているのではないかと睨んだのです。果たしてその比較実験の結果はいかに?
被験者の上腕動脈の動きを測定したところ、紅茶だけを飲んだ人では動脈が拡張し、血液がスムーズに流れる(=血行が良くなる)事実が確認できました。ところが、紅茶にミルクを加えて飲んだ人にはそのような効果が見られなかったのです。
次にラットに紅茶を飲ませ、大動脈及び内皮細胞を取り出して調べたところ、紅茶のみの場合では血管が拡張していたにも関わらず、紅茶にミルクを加えたものでは、やはりその効果は見られませんでした。
以上の結果から、ミルクを紅茶に加えると、カテキンの作用の一つである血管拡張作用が打ち消されることが明らかになったのです。
では、なぜこのような結果になってしまうのでしょうか?
それはミルクに含まれる成分のカゼインが紅茶成分と結合し、カテキンの濃度を下げたのではないかと考えられています。
ミルクティーにカフェラテ、抹茶ラテ・・・最近のカフェの流行でかつてなかったようなミルクを使った新しいメニューが多く誕生し選ぶのも迷ってしまうほどですが、こうした事実はおさえておく必要があるかもしれません。
私はなにも酪農産業や乳製品を否定するわけではありませんし、私の暮らす北海道は欧州に気候も似て、良質の乳製品も手に入りやすい環境にあります。私自身は、乳製品を全く摂らないというわけではなく、あくまでも嗜好品という位置付けで、栄養食品だから努めてたくさん摂ろうというスタンスではないのです。それくらいの方が私にとっては調子が良いのを実感しています。
もしも、ダイエットしたい、心疾患を予防したいと考えてお茶のカテキンが良いからと思って毎日、ミルクティーを飲んでる方がいらっしゃったら、「それはもったいないですよ!」と申し上げたくて、今回、記事にしたのです。
「紅茶とレモン」もよく目にする組み合わせですが、一般にスーパーで売っている防カビ剤を使用したレモンと、紅茶のカフェインとが結合すると、発ガン細胞毒性が増すという報告があります。レモンティーがそれなのです。カフェの定番メニューですよね。でも、「このレモンは無農薬ですか?」と、いちいちお店の人に尋ねるわけにはいきません。
同じレモンティーでも、無農薬レモンを使用した場合は問題ありません。けれど、コストの面から考えても、無農薬レモンを使っているお店は少ないと思われます。もし、どうしてもカフェでレモンティーを飲みたい時には、オーガニックカフェを利用しましょう!
ちなみにうちもオーガニックカフェです。使用しているのは無農薬レモン。私たちのオーガニックカフェ知恵の木をどうぞよろしく!って最後はCMになっちゃってすみません!!(笑)
⭐️ 実はこの本読んでません。けれどなぜお勧めするかといったら、著者の済陽 高穂先生は医師、欧米で注目されているフードシナジー(食べ物の組み合わせでその栄養効果を最大に引き出すこと)の研究家でもあり、先生の書かれた本には実際役に立つものが多いのです。この本も内容的に参考になること大と直感します!
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