日本でも、「オーガニック」という言葉が随分と定着してきたように思います。
けれど、オーガニックの意味までは本当に浸透しているのかな?
もし人から「オーガニックって何?」と訊かれた時、あなたなら何と答えますか?
「化学農薬を使わない」とか、「土づくりにこだわった農法」とか、あるいは「自然の生き物を大切にする」というエコロジー的発想から答えを導き出す人もあるかもしれません。
オーガニックとは直訳すると、「有機の」という意味で、農法について言えば、「化学合成農薬や化学肥料に頼らず、有機肥料が使われます。基本的には土壌の持つ力を生かして栽培する農法」と言えます。
その他の基準としては 「3年間農薬や化学肥料を使っていない土地を使うこと」、「遺伝子組み換え原材料は使用しない」、「合成添加物の使用制限」などもこの中に含まれます。
でも、本来の「有機」にはもっと大きな意味が含まれるように感じませんか?
国際的規模の有機農業推進団体 IFOAMは、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。
これらをもっとわかりやすく言うと、次の5つを信条としたスタイルが特徴です。
①環境保全
②健康な生活
③自然と共生
④身土不二
⑤健全な社会
環境の保全 | 化学農薬や化学肥料を使わずに、水、土、大気を汚染から守る。 |
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健康な生活 | 保存料や着色料などの添加物をできる限り低減し、食品の安全性を確保する。また、化学的な染料や塗料を使用せず、アレルギーのない生活を目指す。 |
自然と共生 | 自然の動植物を守り、生物多様性を保全する。 |
身土不二 | 適地適作・地産地消で、地域の文化を大切にする。 |
健全な社会 | 児童労働の禁止、植民地栽培の排除、南北格差の解消など、人を大切にする社会を実現する。 |
こうして見ると、オーガニックとは、農法や食品に限ったこではなく、ライフスタイルの様々な分野にその対象があることに気づかされます。
例えば、音楽だってそう。
一般的にはアコースティックベースで余計な音が入ってないとか、機械を駆使した処理をしてないとか、概念的にはヒーリングミュージックの延長上で音楽に疲れた人が好んで聴くイージーリスニングなども含まれるし、楽曲的にはクラシカルなものではなくポピュラーミュージックに近くて、民族音楽なんかを含んでしまっても良いかもしれません。
難しい言葉を使わずシンプルに表現するなら、「生きるのが心地よくなる音楽」。
これが、私のオーガニックな音楽の定義です。
日々の暮らしの中で少しずつオーガニックを知り、多くの人たちと思いを共有していくことは楽しいものです。それは食べ物も衣服も、そして音楽も皆同じ。本ブログでは、そんな私のお気に入りオーガニックなアーティストと作品を時々紹介してみたいと思っています。
今回、ご紹介したいのは高木正勝さん。今から十年前、彼の作った「Girls」という曲に出会って以来のファンです。
彼の実家は仏教のお寺で、現在は京都の田舎の山奥で暮らしています。見渡す限りの自然に囲まれた環境の中で、古民家を少しずつ改築したり、自ら畑を開墾して野菜を作ったりしながら制作の日々を過ごしています。まさに暮らしの中にオーガニックがあるのです。
数年前、評判となった映画『おおかみこどもの雨と雪』のサウンドトラックやトヨタやJR東海、JALなど多数のCM音楽も手がけています。そのどれもが美しく優しい。
彼は旅が好きで、旅行の際は必ずビデオカメラを携行し、旅行先の人々や風景を撮ってきます。それを帰国後、グラフィック処理して音楽のイメージ映像も自分で制作してしまうのです。過去にはNews Weekの日本版で「世界が尊敬する日本人100人」の1人に選ばれるなど、世界的な注目を集めるアーティストです。
豊かな自然環境の中、彼のインスピレーションが生み出す音楽たちに私の心も躍り出す。それはまるでみずみずしいとれとれのオーガニックベジタブルを丸かじりした時のような喜び。
彼の音楽に出会えて本当に良かった。
音楽っていいな。
オーガニックっていいね。
●YouTubeライブ映像から
*トップ画像はこちらから http://dreamindream.in/sense-of-quiet-presents-the-piano-era-2013-%E9%AB%98%E6%9C%A8%E6%AD%A3%E5%8B%9D/
⭐️ 彼のCDはいくつか持っていますが、どれもお勧め。このアルバムもタイトル通り「かがやき」に溢れた魅力的な楽曲たちが迎えてくれます。 あなたも気がつけばきっと高木ワールドの住人。
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