あなたは読書が好きですか?
私はもちろん大好きですし、日常における食事のようなもの、そう思っています。食べ物というのは何も口から入るものばかりではありません。目から入るもの、耳から入るもの、肌で触れるもの、五感を通じて私たちの内側に取り込まれるものの全ては食べ物と思っています。
考えてみれば、本を読むという行為は、本を買う、ページをめくる、しおりを挟む、など、活字を読むまでのプロセスも含め、全てが精神に作用します。毎日の食事によって私たちのカラダがつくられていくように、読書という行為も精神を構築していく原料となるのです。
現代は、本ブログも含め、紙媒体に代わってインターネットが台頭してきましたが、それはまるでサプリメントのようにも思われます。確かにネットによって必要な情報は手に入るかもしれませんが、長期の記憶としては残りにくい。サプリメントのようにあくまでも補助的であって主食とはなり得ないもの、そんな風にも思います。
読書は人間にとっての食事であり、書物は栄養。「食」は、人を良くすると書きますが、日々取り込むものも、可能な限り自分を高め、より良くするものを選びたいものです。で、今回はそんな読書が健康にも良いというお話です。
私にとって、本を読む目的というのは栄養を取り込むという以外にも2つあります。
ひとつは、運気を上げるためのツールとして。そして、ふたつ目は、知恵の吸収のため。
有名無名の先人たちが長年この世に生き、その人生の中で得た発見や研究してきたことの成果を吸収できてしまうのが読書であるとするならば、そこには無数の知恵が存在します。
私は、歴史書、ビジネス書、小説、ノンフィクションなら科学から宗教学、農業や医学まで様々なジャンルのものを読みます。
最近ならば、日本の歴史に関する本が気に入ってます。作家なら、司馬遼太郎さんや梅原猛さんなんかが好きです。もちろんお二人の書かれたものにも脚色された部分はあるのでしょうが、過去の歴史上の人物たちが生きてきたその生き様を通じて、自分の人生にとって大いに栄養となる知恵を吸収することができるのです。
もしもこの世に本がなければ、自分の実際の経験からしか学ぶことが出来ず、進歩がなくなってしまうことでしょう。人間というのは、些細な一つの情報や気づきがきっかけとなって、人生が大きく展開していくということがままあります。だからこそ読書の習慣はとても大切なのです。
さらには、自分が尊敬する人が書いたエッセイというのも、私にとっては大変なご馳走です。現在活躍している人物がどのような心構えで生きている人なのか?また、どのような哲学を持っている人なのか?そうした視点で読むことにより、自分自身の運気をあげるヒントが無数に手に入るのです。こんな風にして本の良いところをうまく活用すると、自分一人では到底得られなかった哲学や考え方を先取りして学ぶことができるようになるのです。
ただ、読書を続けて行く上で大切なことが一つあります。
それは、書かれていることをいかに咀嚼し、自分のものとして吸収し、ちゃんと実生活に生かすことができるか、ということです。咀嚼や吸収というところまで、やはり読書は食事に似てますよね(笑)。どんなに優れた知識だって、自分で実際に活用してものにしなければ、知恵にはならないのです。
幸せになるためのノウハウ書や、健康になるための関連本は世の中にたくさんありますが、大切なのは、それらを実際に試してみることなのです。そして、もし自分にとってしっくりこないようなら、自分流にアレンジして取り込むのです。これが知識を自分の地肉にするということです。
いくら読書を通じて良い情報を知ったとしても、そこに行動がともなわなければ意味がありません。行動がともなってこそ自分は変わり、状況は変化していくのです。なので、自分を高め、より良き自分になるために読書を活用しようと思うなら、真剣勝負で本と向き合う、そんな姿勢が求められます。
そうした意味では、本は自腹で買って読むべきと思います。身銭を切ったぶん、人はもとを取ろうとして必死に読みます。それが、図書館や知人から借りて読んだ本であれば、がくんとその吸収率が落ちるのです。
書かれていることをしっかりと自分のものにできたなら、1000円、2000円、いや10000円の投資だって安いもの。本は、その何十倍も何百倍もの価値ある体験やひらめき、良き出会いをもたらすきっかけを運んできてくれるはずですから。世の中で大きな成功をしている人だって、必ずと言っていいほど、本やセミナーなど自分を成長させるものにはしっかりと投資しているようです。
さて、そんな読書ですが、もしも読書することが健康にも良いと言ったなら、あなたは信じられますか?
それは事実であり、ちゃんと根拠があるんです。イギリス・リバプール大学のJosie Billion氏が運営するQuick Readsの研究によれば、4000人の成人を対象にした調査で、読書習慣が健康と幸せの両面に与える影響に関して驚くべき事実が明らかになりました。それは次のような報告です。
●1週間に30分以上読書する人は、しない人に比べ、生活の満足度が20%以上高い。
●読書する人は、しない人に比べ、自分がクリエイティブであると感じることが11%高い。
●読書する人は、しない人に比べ、憂鬱な気分になる割合が28%低く、18%以上もの高い自尊心を持つ。
●本を読むことは、友人と会話したり、散歩したりするよりも、より効果的に不安を解消してくれる。
●回答者の19%、およそ5人に1人は、読書によって孤独感をあまり感じないでいられる。
●本を読む人は、読まない人に比べて、知らない人との会話がより快適に感じられる。
●定期的な読書により、不眠症が治った例も報告された。
また、同国のサセックス大学の研究によると、人がわずか6分間、読書をすれば、なんとストレスが3分の2以上も軽減されることがわかったそうです。これは音楽鑑賞や散歩によるストレス軽減をはるかにしのぐレベルです!
理由は、読書に必要な集中力が脳をリラックスさせ、筋肉の緊張をほぐし、心拍数を下げるためだと考えられています。
さらには、アメリカ・カリフォルニア大学の研究チームが発表したところによると、60代の成人を対象にした調査で、子どもの頃から読書習慣があり、継続的に脳を刺激している人は、していない人に比べ、アルツハイマー病の原因である物質「ベータ・アミロイド」の形成を抑制することがわかったそうです。
このほかにも、読書を通じて、他者の考え方や感情を体験することにより、人の感情を推し量ることができるようになってコミュニケーション能力がアップすること、また、読書習慣のある子どもは集中力が増すことや、書かれていることの展開を想像することにより論理的な思考力が育まれることが報告されています。
これらの結果はいずれも、人間のカラダと脳の健康において、「読書」がいかに良い影響を与えるかということを示しています。
とはいえ、世の中には読書に対して苦手意識を持っている人もいます。そんな人の多くは、読むことに「義務感」を持っているのではないでしょうか?
例えば、きちんと読まなければいけないとか、読んだら理解していなければならないとか、読み飛ばしがあってはいけないとか・・・そして、ぜんぜん先に進めない自分を責めてしまう。こんな風に義務感を持っていては、さらに読書が嫌いになってしまうことでしょう。
先ほど「真剣勝負で本と向き合う姿勢が大切」と言いましたが、それはあくまでも私自身や、最初から本好きの人に対して向けた言葉で、本来、読書に守るべきルールなんてものはありません。もっと自由で良いと思います。なぜなら、読書は他人のためにするものではなく、自分のための体験だから。あなたのペースで読んで構わないのです。他人の読書法を参考にするのは良いことですが、比較することはありません。
このブログをお読みの読者には、まさか文字を読むのが嫌いな人はいないと思いますが、もしも読書に苦手意識を持っておられるなら、次にあげるヒントを参考に本と向き合われると良いかと思います。
<本を読みたくなるヒント>
①価値ある1%を目指そう!
本に書いてある内容を完全に理解することはありません。100%を目指すと疲れてしまい、それが苦手意識を増長します。自分にとって価値のある内容を1%でも見つけられたら、それで良いじゃありませんか。そんな意識で読みましょう。
②決して無理をしない!
誰でも気がのらない時はあります。そんな時は無理せず、一度読むのをお休みしたって良いのです。読書にはタイミングがあります。一度読むことをやめたって、きっとまた読みたくなる時が訪れます。その時まで寝かせておくくらいの心の余裕が大切です。
③短い時間で習慣づけよう!
例えば、夜寝る前の10分間を読書にあてるとか、トイレに入ったら本を開くなどして、短い時間でも良いから確実にライフサイクルに組み込むことです。そうすれば必ず読書は習慣化できます。
読書は、先人の知識や経験を吸収できるというほかにも、教養や品性、知性といった人間性や人間力まで磨いてくれるツールとなるものです。おまけにこれが健康にも良いものとわかったら、当然しない手はありません。
もし、あなたが、最近本を読むことが少なくなったと感じられていたら、これを機に読書の量を増やしてみてはいかがでしょうか?
ページをめくれば、未知の世界が広がり、あなたの心に充足感を満たしてくれるだけでなく、心身ともに向上し、その向こうには、昨日までとは違う、新しいあなたが待っています!
⭐️あなたは、なぜ人間にとって読書が必要なのか答えられますか?元リクルート社勤務の藤原さんの「読書論」は面白い!私が好きな彼の言葉は「読書とは<他人の脳のかけら>を自分の脳につなげること」。読書って、こんなにも得られるものがあったのか!もうこの本を読んだあなたは、すぐに読書せずにはいられなくなる!
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