6月22日は夏至の日です。
いよいよ待ちに待った梅の実の季節の到来です。
思うに、梅の実ほど私たちの生活に深く入り込み、
長い歴史を持つ果実はないのではないでしょうか?
「お天気の塩梅(あんばい)が良い」
「吸い物の塩梅をみる」
「親の塩梅が良くない」
などなど、「塩梅」という言葉にも使われるくらい、
梅はカラダになくてはならない「塩」と同格に扱われているわけです。
梅干し、梅酒、梅酢、梅肉エキス、梅ジュース・・・
この国における梅の利用法は、なんとバラティーに富んだことでしょう。
私事になりますが、
母などは若い頃、「断乳」に梅を使いました。
私が幼い時、すでに弟が生まれたにもかかわらず、
なかなかおっぱいを離れない私に、
しびれを切らした母が考えついたのが
乳房の先に練った梅肉を塗り付けることでした。
結果、いつものようにおねだりし、
乳房にくわえついた私は、そのあまりの酸っぱさに目を丸くし、
直後、眉をひそめて半泣き状態になって乳房を離れたといいます。
以来、一切おっぱいを求めることはなくなり、
母の断乳作戦は成功したわけですが、
幼子に残された心の傷を、きっと彼女は知りません。
思うに、肉親に裏切られ、
欺かれた心のショックは相当なものがあったと思います。
大人になるまでの私は、母の愛情に対していつも疑心暗鬼になり、
「女性の乳房」に対して、
ある種の「恐怖心」を抱くようになってしまったのです。
例えば、なにげなく開いた週刊誌のグラビアで
水着姿の女性が載っていたりなんかすると、
きっとビキニの下の乳房には、
あの酸っぱい梅肉エキスが塗っているのではないかと想像してしまい、
大量に生唾が出てしまうのです。
友人たちに相談したところ、
「それは、お前が助平だからだ」と一笑に付されてしまい、
誰一人として理解してくれません。
それは、セクシャルな反応というよりは、
むしろ、不快感と恐怖心からくる反応であり、
その頃、もし私の中に検索エンジンがあったなら、
「梅の実」とか「梅干し」、「梅肉エキス」と検索すれば、
間違いなく、「悲しみ」とか「裏切り」、「恐怖」とか「絶望」
というサイトが群れをなして出てきたことでしょう。
事実、私は20代のある時まで、
全く梅干しを食べることができなかったのです。
人に、食べ物で何が嫌いか?
と問われれば、半ば怒りの表情で
迷いなく「梅干し」と答えていました。
そんな私が、苦手な梅干しを克服できたのは、
マクロビオティックと、「ある方」のおかげでした。
今では、梅干しは最も好きな食べ物のひとつになりました。
人生には、さまざまな「出会い」が用意されています。
人は「出会い」によって変われるものなのですね。
本当は「梅だより」と題し、
梅の効用と梅肉エキスの作り方をお伝えしようと思って
書き始めた今回の記事ですが、
子供の頃の悲しい記憶をたどるうち、
なにやら、物語の様相を呈してまいりました。
いっそ、『私の梅干し物語』に改題し、
次回は「私の運命を変えたある方」と、「運命を変えた梅干し」について
語ってみたいと思います。
おまけに「梅肉エキス」の作り方もお伝えします。
どうぞお楽しみに。
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