ドクダミ礼賛

暮らし

2023.07.262023.07.23

生命力の強い植物

今、ボクの治療室の窓の向こうに白い花を咲かせたドクダミが青々と生い茂っています。この時期になると必ず思い出すのが原爆記念日。今年もまたあの日がやって来ます。大東亜戦争（太平洋戦争）の末期、昭和20年8月6日広島市に、同月9日長崎市にアメリカ軍が原子爆弾を投下した日。それにより広島で約14万人、長崎で約7万4千人が死亡したと伝えられます。

原爆投下直後、広島では被ばくの影響により、次々と命が失われていきました。情報も医薬品も充分でない時代、対処法なんて誰も知るよしがありません。人類史上初めてもたらされた一発の原子爆弾によって、焼け野原になった広島は、「75年間は草木も生えない」と言われました。

そんな広島の地に芽吹いた最初の植物が「ドクダミ」だったのです。

人々の希望

その後、さまざまな緑が育ちだしたのを見た医師たちは、ドクダミに放射性物質を分解する力があるのではないかと考え、ドロドロに煮たドクダミの葉やドクダミ茶を飲むよう患者に勧めたといいます。広島の人々は、藁にもすがる思いでドクダミを飲み続けました。因果関係は不明ですが、ドクダミのおかげで生きながらえた、という証言が多く残されているのです。

人間の生きようとする力、治ろうとする力を最大限に引き出したという点では、ドクダミが「最良の薬」だったといえるのかもしれません。

ドクダミといえば、強烈な匂いが印象的ですが、実はあの香りに含まれる成分・デカノイルアセトアルデヒドは、カビの生育を防ぐなど強い抗菌性を備えているのです。まさに良薬は口に苦し、薬草は鼻に臭し！だからこそ先人たちは、できもの、腫れもの、肌荒れ、水虫の特効薬としてあぶった葉を傷口に貼りつけたり、葉の汁をつけたりしてきたのです。また、生の葉を鼻の穴に詰めておくと鼻づまりが改善するとして、蓄膿症に悩む人々も頼りにしていました。

江戸から始まるドクダミ茶

江戸時代から人々はドクダミの薬効を直接取り入れようと、葉を煎じた「ドクダミ茶」を薬として飲むようになります。葉には利尿作用のほか、便をやわらかくしてくれる成分が含まれているため、便秘をはじめとする胃腸の調子が悪い時などに「毒下し」として愛飲してきたのです。今でも健康茶として多くの人が愛飲しています。ドクダミ茶は市販もされていますが、結構なお値段がするもの。もしうちの庭みたいにドクダミが繁茂しているなら断然自分でつくるべきです！作り方は次の通り。　　

〈ドクダミ茶の作り方〉

・どくだみ　200g

①天気が良くカラッと晴れた日を選び、刈り取って干す。

②ドクダミの根を切り落とし水洗いする。茎ごと干す場合は茎つきで洗い、葉だけ干す場合は、ハサミで葉を取って洗う。バケツで水を何度か変えて洗い、ザルにあげて水けを切る。

③ザルや網にドクダミを広げる。風通しの良い場所で陰干して夜は取り込む。

注）干し始めは日に当てて水分を飛ばし、時々上下を返す。4～5日程度でパリッと乾燥すれば乾燥剤を入れた密封容器やジッパー付き保存袋で保存する。

ドクダミの匂いが苦手という人も、刈り取って干せば臭い匂いがなくなってちゃんと薬草茶の匂いになるから不思議です。お茶は慣れるととても良い味で体調が整っていくのも実感できるはず。採取時期は７月まで。薬効は花が咲く前の状態が最も良いけれど、花が咲き終わっても十分効果はあります。ボクもこれから摘んで乾燥させる予定です。原爆後のドクダミの活躍を知るまでは雑草扱いしていたボクですが、今では完全にドクダミ教の信者です。繁茂している庭にドクダミを祀る神社を建てたいくらい（笑）。

十の効能をもつ薬

ネーミングがイマイチ良くないドクダミですが、かつては「シブキ」と呼ばれ、「ドクダミ」と呼ばれるようになったのは江戸時代になってから。「毒を矯める(=矯正する)」が語源で、できものや腫れものを治してくれる薬効から名づけられたと思われます。ほかにも「十薬」と親しみを込めて呼ばれ、「十の効能をもつ薬」として江戸庶民にも愛されました。古くて新しいこの妙薬を現代に生きるボクたちも大いに活用してまいりましょう！

現在、健康ブログ「宇宙の種 Health」で健康情報をお伝えしています。プロフにリンクを貼ってますのでよかったら覗いてみてくださいね。

健康を哲学する治療家noahnoahでした。それでは皆さん、ごきげんよう！

⭐️ 徳島・兵庫・佐賀・長野・京都産の無農薬ドクダミを自然乾燥させてできあがったこの製品。いつでも安心無農薬。自宅の近くに自生するドクダミが見当たらない場合の選択肢としてこれはあり！