えぇっ!?うがいに黒コショウ?

アーユルヴェーダ

思うに、人間の「固定観念」て、新しい世界へとつながる扉をご丁寧にもすっかり閉ざして、さらに2重に鍵までかけちゃうようなところってありません?

固定観念、すなわち現状維持というか、ルーティーンワークというか、決まりきった世界からぽーんと飛び出して、見知らぬ世界へとわが身を解き放った時、そこには思いもかけない風景が広がっているんです。そんなわけで今回は「意外性」のある組み合わせの話です。

呼吸器疾患が増えてます!

今年は春先からこれまでの間に、ずいぶんと呼吸器の症状を訴えるクライアントさんが私の治療院に多く来院されました。たぶんこれは中国大陸から舞い上がった黄砂が風にのって日本列島に降り注いでいたためと思われます。中国大陸にはタクラマカン砂漠とゴビ砂漠という2大砂漠地帯がありますからね。それが砂塵となってPM2.5などの化学物質を巻き込みながら、そのような原因物質を日本にエッサ、ホイサと運んでいるわけです。

わが国の環境省によれば、黄砂の飛来によって、次のような呼吸器や循環器に係る疾患の症状の悪化が指摘されています。

① 目や鼻、皮膚などのアレルギー症状との関連があり、目のかゆみ、結膜炎、鼻水やくしゃみなどを引き起こすことがある。

② 呼吸器疾患についての関連があり、気道や目、皮膚症状の悪化が見られる場合がある。喘息など呼吸器疾患のある人はいっそう注意が必要。

③ 循環器疾患について関連があり、脳梗塞での入院や心筋梗塞での入院、発症の増加との関連が報告されている。高齢者や糖尿病、慢性腎臓病等の既往歴がある方は、循環器疾患への影響リスクが高いため注意が必要。

例年も黄砂が原因と思われる症状を訴えるクライアントさんは一定数いらしたのですが、今年はそれが半端なく多い印象なのです。本来ならば黄砂の飛来は3月と4月がピークですが、今年は5月も度々飛来しており、私の暮らす札幌の空は連日薄黄色い霞がかかったようになっていました。気象庁のホームページにあげられていた4月の黄砂解析予想図を見ると、ほらこの通り。

日本列島全域にわたって黄砂雲に覆われている上、北海道なんて集中的に狙い撃ちって感じでしょ。こりゃ、呼吸器症状に悩むクライアントさんが多く来院されるわけですよ。

うがいは最大の防衛策

6月に入ってからは春先ほどには激しい症状を訴えるクライアントさんは多くはないけれど、それでも皆無じゃありません。あまりに症状がひどい場合は病院の呼吸器内科での受診をおすすめしますが、そうでなければ、施術の後に日常生活での防衛策を指導させていただいています。

中でも、うがいは誰もができるシンプルな防衛策でありながら、高い効果が期待できます。繊毛運動のような、のど本来が持つ防御機能を高めるとともに、物理的な洗浄効果によって口腔やのどを清潔にしてくれます。その結果、のどの粘膜の機能が回復して活性化され、口の中を介する感染の予防や口臭の抑制なども期待できます。 具体的なうがいの効用を書き出すと次のようなものがあります。

うがいのすぐれた効果

  • 適度の刺激が粘液の分泌や血行を盛んにする
  • のどに潤いを与え、粘膜の働きが弱まるのを防ぐ
  • ホコリなどを粘液とともに上気道から洗い流す
  • 口腔粘膜への細菌の付着を抑え、定着しにくくする
  • セキを抑え、タンを除去する
  • のどの痛みを抑える
  • 口臭の元になる汚れを除き、口臭の発生を防ぐ
  • 口腔内に清涼にし、口臭を抑える
  • かぜの予防効果も実証されている

…いかがですか?あらためて、うがいってなかなか素晴らしいでしょう?これをやらぬ手はないというものです。

おすすめはスパイスうがい

うがいを行う時は、ただの水だけでなく、殺菌効果を高める目的でうがい薬を用いる人も多いかと思います。確かに医薬品には消毒作用がありますが、その反面副作用もあります。妊婦さんが使用することにより、胎児の甲状腺機能に影響を及ぼしたり、ヨードアレルギーのある人や甲状腺疾患(特に機能低下症)のある人には強い副作用があらわれる場合もあります。またそのような症状のない人でも、毎日使い続けることによって口腔内が荒れてしまうことも考えられます。

私自身は、そのような観点から医薬品を用いずに、「台所にあるもの」でうがい薬を自分でつくってしまいます。実は、日常使っている意外なものが、うがい薬として代用できるのです。それが何かといえば、本格派インドカレー好きのご家族がいるなら、きっとどのご家庭にもあるであろう2種類のスパイスです。それは、ジャーン!! 黒コショウとターメリックなのです!

この2つのスパイスは目的によって使い分けることができます。痰がからんでのどの調子がおかしい時には「黒コショウ」。炎症でのどが痛い時には「ターメリック」と覚えておいてください。中には、これを聞いて「ええっ!? 調味料でうがいするの?」と驚かれた人もいるかも知れません。でも、それこそ人間の自由自在性を否定する悪しき「固定観念」にほかならないのです。

先日も「最近ずっと、のどがイガイガして痰がからむんですけどなかなか良くなりません。診てください」といって来院されたクライアントさんがいました。お聞きすると市販のうがい薬を使って毎日うがいはしているとのこと。そこで「黒コショウ」を使った方法をお伝えしたところ、「ええっ!?黒コショウでうがいですか?」と驚いた様子。まるで信じられないという訝しげな表情。一応その日は呼吸器疾患向けの施術を終え、レシピを伝えて毎日行うよう言い添えて返しました。

で、後日来院された時には「あれからスッカリ良くなりました!ありがとうございます!」とのこと。その秘伝のレシピ知りたいですか?では、お伝えしましょう。

<黒コショウのうがい薬レシピ>

⚫︎分量の目安
小さじ1/4
黒コショウ少々
ぬるま湯…200ml
 
材料すべてをコップに入れてよく混ぜ合わせ、口に含んでガラガラとよくうがいして吐き出す。これを2、3回繰り返します。

実は、種明かしをしちゃうと、これね、インドの古典医学アーユルヴェーダの手当法からの引用なんです。でも「黒コショウ」は単なる調味料でしかない、という固定観念をもっている人だとなかなか馬鹿にして実行しないものですよね。けれども、先ほどのクライアントさんはその固定観念を外したことで実際に効果を得られ、症状が改善したわけなのです。

黒コショウには、粘液を排出させる作用があるため、痰がからんでのどがねばついている時などは、粘膜から不純物を掻き取って排出を助けてくれ、すぐにスッキリした感覚を得られます。ただコショウは刺激物でもあるため、のどの粘膜が赤く腫れ上がったりして炎症症状のひどい時には悪化させる場合があるので注意してください。そういった場合や、のどが痛む時には「ターメリック」が有効です。そのレシピもお伝えしましょう。

<ターメリックのうがい薬レシピ>

⚫︎分量の目安
ターメリック小さじ1/4
小さじ1/4
ぬるま湯…200ml

ターメリックには炎症を抑える働きがあります。のどに痛みを感じた時にお試しください。なお、うがいしてかえって炎症が強くなるように感じた場合は、もしかしたら残念ながら体質に合わないのかも知れません。すみやかに専門の病院を訪ね、医師の診断・治療を受けてください。あくまでもご自身の判断と責任において試行されますようお願いいたします。

常識を疑え!そして世界を広げよう!

いかがでしたか?何か不調があった時には、市販の薬を使わずとも台所にあるもので手当てできるということです!私の実家は私が生まれた時にはすでに治療院を経営し、家族全員が自然療法マニアでした。それゆえ家族は皆、できるだけ市販の薬を使わずに自分たちで健康を維持するという意識が強かったんです。私が子供の頃には、熱を出してもよほどのことじゃない限り、頭にキャベツの葉っぱを貼られて学校に行かされたものです。それを友達に見られてからかわれるのがとても恥ずかしかったことを今でも思い出します。

でも、そのおかげで幼少時からつまらない固定観念を取り払い、どんなものでも受け入れ、許容できるようになったと思います。それだけは頭のキャベツに感謝です。というか、常識を疑い、世間の目を気にせずキャベツを貼ってくれた親に感謝です。

確実にいえるのは、固定観念を外すと感じられる世界も大いに広がるということ。どうぞご参考までに。


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