昔、この国のおじいちゃんやおばあちゃんは、
ことあるごとに手を合わせ、
「ありがたい、ありがたい」
そういって感謝の気持ちを表したものでした。
実は、手のひらは「コントロールの意志の端末」。
犬だって、手のひらを向けて人が近づけば警戒します。
しかし、手の甲を見せられれば、安心します。
手のひらを向かい合わせれば、
ふたつの手が響き合い、
コントロールの意志が溶けていく。
自分に対しても、
また他人に対しても、
コントロールしてやろうという意志がほどけていくのです。
頭をたれ、
胸をゆるませ、
身構えをほどいて手を合わせ、
大きな流れに身をまかせて力を抜けば、
周りの世界や人との間に
なにか温かいものが交流しはじめるのです。
ここにこそ「安心」が宿ります。
自然と「感謝」の心も湧いてくるというものです。
昔の人は、こうしてセルフコントーロールの術というものを
暮らしの中に落とし込んでいったのでしょう。
気を鎮めて落ち着きたい時や、
胸の緊張をゆるめて不安を和らげたい時、
自律神経系や免疫システムの安定をはかりたい時、
現代人と呼ばれる私たちもぜひ、やってみましょう。
手のひらを合わせる整体。
①両手のひらを合わせ、胸の前で向かい合わせる。
②手のひらで呼吸をするようにイメージする。
③両手のひらの間が自然と広がったり縮んだりしはじめる。
④手のひらと同様に手の甲の側でも呼吸するようにイメージする。
⑤その呼吸している感覚を全身の皮膚に広げ、全身の皮膚で呼吸しているようにイメージする。
⑥全身が大きなひとつの袋になって膨らんだり縮んだりしはじめる。
⑦気持ちが落ち着いてくるのを感じる。
⑧目線をお腹の底のあたりに向けるとさらに落ち着く。
いかがですか？
心が落ち着いて、自然と感謝の気持ちが湧き起こってきませんでしたか？
どんな神を信じ、
どんな宗教に属しているかはあまり重要ではありません。
手のひらを合わせることにより、呼吸が深くなり、
人知れず「生きていること」の不思議を感じ、
ただただ「ありがたいなー」って、
そんな気持ちになったなら大成功。
この整体法は、カラダや呼吸のみならず、
生きる構えを整えてしまう力を有しています。
日に何度か行っていると、
さらに感謝したくなる出来事が起こるというおまけつき。
はじめない手はありませんよね。
どうぞ、健やかで幸せな毎日をお過ごし下さい。
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