前回は、今、子供たちの中で扁平足の子、拇指内向の子が急増していること、そして考えられる原因についてお伝えしました。
では、原因がわかったとして、どのようにすれば、扁平足や拇指内向が改善できるのでしょうか?
今回はその改善の方法についてお話したいと思います。
大きく分けて次の2つがあります。
①イモ類や砂糖を使った甘いのものなど陰性な食品を摂りすぎないようにすること。
②履物を変えること。
これらが必要だと思います。
兵庫教育大の原田碩三教授が以前、姫路の2つの保育園に協力してもらい、こんな実験をしました。
保育園児を調べてみたところ、年長児(5・6歳)に48%、年中児(4・5歳)に40%の割合で扁平足と拇指内向が見られました。これは実に半数近い割合です。
そこで原田教授は、園児が使用していた市販の運動靴を、通園と屋外活動はゲタ・ぞうりに変え、屋内では裸足にさせて6ヶ月間観察してみたのです。
その結果、何が起こったと思いますか?
ほぼ100%の確率で拇指内向が改善し、土踏まずが復活したというのです。
これは一体、何を意味しているのでしょう?
戦後、日本は敗戦により欧米からたくさんのモノゴトを受け入れ、発展させてきました。その結果、私たち日本人のライフスタイルは西洋化し、物質的にも豊かになりました。しかし、その中で廃れ、消えてしまった良い習慣や伝統もたくさんありました。
「履物」もそのひとつです。
昔の日本人は足袋(たび)を履き、履物には必ず鼻緒がついていて、足の指を自由に動かすことができました。それにより足の靭帯・筋肉が鍛えられ、きれいなアーチができあがり、自然と足に踏ん張りがきくようになるのです。
ところが、戦後、日本人は西洋のライススタイルを取り入れたことにより、靴下に靴を履き、足の指を使うことが少なくなりました。しかも、インドアの遊びが増え、幼児犯罪などの社会不安により、子供たちは昔に比べ裸足で外を駆け回る機会を奪われました。そのことと子供たちの足の変形の間には深い関係があると思われます。
子供たちの足の健康のために理想的な履物は何だろう?
そう考えた私は、「日本人の履物の歴史」について調べ、今から10年前にあるものと出会いました。
それは、「足半(あしなか)」と呼ばれる、小さくて可愛らしい草履(ぞうり)でした。
●わらで編まれた足半
足半は記録が残っているだけでも、飛鳥時代から戦後間もない頃まで1000年以上履き続けられた日本人の履物のルーツです。普通の長さの半分しかない草鞋で、近年でも、農村や漁村で作業用に普通に履かれていました。
その形状から、足の裏の前半分と土踏まずの部分しか保護する事ができませんが、鼻緒から飛び出た指がスパイクの代わりになって滑らず、踵(かかと)を浮かせて飛び跳ねるように軽快に歩くことができます。また、踵部分がないために泥が跳ね上がることがなく、足と履物との間に砂や小石がつまることもありません。水の中でも抵抗が少なく、川の流れに足を取られることもないのです。
見た目以上に便利な履物で、今ではその名前すら忘れ去られつつある足半ですが、何百年も昔から武家にはポピュラーなものでした。
弘安4年(1281年)、蒙古が襲来した当時の様子が描かれた『蒙古襲来絵詞』という巻物の中には、 蒙古と戦う日本の武士たちが足半を履いている様子がしっかりと描写されています。
●『蒙古襲来絵詞』
また、上の写真は150年以上前の日本の野菜売りを撮ったものですが、彼も足半を履いています。重い荷物だって足半を履けば、指にチカラが入るので軽々と持ち上げ運ぶことができたのです。
しかも、足半を履くことにより、自然と美しい足のアーチができあがり、指先が鍛えられ、変形が予防されるのです。
これら足半の優れた点に注目し、何人もの整形外科医が足半を奨励していることも知りました。私も実際に履いてみて、立った時に足の裏の理想的な場所に重心が落ち着くのと、自然と姿勢が良くなることに驚きました。
「たかが履物ひとつでこんなにカラダに影響があるのか!」
完全に一目惚れした私は、知り合いの職人さんにかけあってオリジナルの足半を作ってもらいました。そして、文献や資料を参考に何度もの試行錯誤の末、完成したのが「noahnoah設計によるオリジナル足半」です。
これは現在、治療院となりのオーガニックカフェ・知恵の木で販売し、人気商品となっています。
●知恵の木の足半 (Sサイズ2000yen~ Mサイズ2200yen~ )
Organic cafe 知恵の木 http://www.chienoki.info/#!foods-goods/chy6
足の問題を抱えるクライアントさんに購入して頂き、とても良い評価を頂いています。足のトラブルとて若いうちなら修正がききます。足半を家の中で履くだけでも子供さんの足の変形予防・改善になるし、大人が履いても姿勢が良くなり、腰痛が楽になったり、冷え性やしもやけが改善した例もあります。
私自身もすでに10年間、仕事場で履き続けていますが、足のチカラが強くなり、足腰が疲れにくくなったのを実感しています。冬に雪さえ降らなければ、一年中、外でも履いていたい位です。
もし、お子さんの足の問題でお困りの方や、ご自身が不調に悩んでいらっしゃる方はぜひ一度試してみることをおすすめします。
現在、ネットでも足半を扱っている業者さんは多数ありますが、よく見るとできあがった商品は肝心なポイントが考慮されておらず、見よう見まねで作られたまがい物もあります。そうしたものを長く履かれた場合は、変形の改善どころか逆に腱や靭帯に負担をかけて、トラブルのもととなりますのでご注意下さい。
健康は丈夫な足から。子供の頃から足の変形を持っていては先が思いやられます。
何かと先行き不安な現代社会。しかし、健康な足腰さえあれば、人間はたくましく前へと進んで行くことができます。今回お伝えしたことを参考に、どうか大切なお子さんの拇指内向を予防・改善してあげて下さい。お子さんたちが丈夫な足でこの社会の荒波を乗り越え、幸せな人生を切り開かれますことを心からお祈りしています!
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