お子さんのいらっしゃる方は、日頃、体調を観察されることが多いと思います。
顔色を見たり、食欲があるかないか気をつけてみたり、情緒的に安定しているか、などなど・・・
けれど、「足元をじっくり見てみる」、なんてことは案外少ないのではないでしょうか。
今の子供たちは、確かに昔に比べ、背は伸び、一見体格は良くなっているように思います。
ところが、足について言えば、ここ20年くらいの間に異常な現象が急増している!のです。
この頃、治療家として日々の臨床を通じて感じるのは、足腰が弱く、トラブルを訴える子供たちが増えていることです。
例えば、「拇指内向」(ぼしないこう)をご存知ですか?
これは、足の親指が15度以上内側へと曲がってしまう現象で、一般的には「外反母趾」(がいはんぼし)として知られています。
以前、当ブログでも一度取り上げたことがあるので覚えていらっしゃる方もおられるでしょう。
「足の裏博士」の異名をとる、元・放送大学の体育生理学教授の平沢弥一郎さんという方が遺跡から発掘された古代人の足形を調査したことがありました。そこで判ったことは、古代人の足は、指が5本とも外へ開き、指と指の間の間隔がはっきりと見られたこと。
ところが現代人の足指は内側にまとまってしまっている人が急増しているんです。親指が内側に曲がってしまえば拇指内向になります。靴の生活が長い欧米では昔からとても多い症状ですが、日本人にはまれでした。
問題なのは、大人のみならず、子供にこの拇指内向が増えていること。
親指が曲がっていると、足の踏ん張りがきかず、片足立ちをしてもすぐにバランスを崩し倒れてしまいます。そうなると、捻挫や骨折など足のケガをしやすくなる上、変形が進めば深刻な外反母趾となり、日常生活に痛みをともなうようになってしまいます。
また、京大(教育人間学)の藤本浩之輔さんの調査によれば、最近の小学生は足の指のチカラが極端に弱くなって不器用になり、土踏まずができる過程が遅くなり、扁平足になる子も急増しているといいます。
なぜ、今、子供たちにこの拇指内向が増えているのか?そして、なぜ土踏まずができにくくなっているのか?
原因としては、次のことが考えられます。
①あまり足を使わず、飛んだり跳ねたり、踏ん張ったり、足を自在に動かす遊びが少なくなった。
②靴下や靴に守られ、裸足で遊ぶ機会が少なくなった。
・・・これらは一般的に指摘されることの多い原因要素ですよね。
けれども、私はこれらに加え、食べものや飲みものも、子供たちの足腰の弱さや足の変形に関係しているのではないかと考えます。
昔、マクロビオティックの提唱者・桜沢如一先生のお弟子さんのお一人である食養指導家・松岡四郎先生とお話させて頂いたことがあったのですが、こんな興味深い話をお聴きしました。
●松岡四郎先生
松岡先生が若い頃、桜沢先生のもとでマクロビオティックを学んでいた時のこと。廊下を裸足で拭き掃除していた松岡先生の後ろに桜沢先生が立たっておられたそうです。そして、桜沢先生は松岡先生の足の裏を観察すると、「お前のお母さんは、妊娠中にイモをたくさん食べたな」とおっしゃったそうです。
「なぜ、それがわかるのですか?」
松岡先生が訊ねると、桜沢先生はこう答えられたそうです。
「お前の足はひどい扁平足だ。イモという食物はカラダの組織を引き締めるチカラが誠に弱く、モノを膨らませる要素の強い食べ物だ。しかし、足の土踏まずは引き締めるチカラによって生じる。お母さんが妊娠中にイモ類のような引き締めるチカラの弱い食物を多く摂ると、足の裏側が十分に引き締まらずに、膨れたままの状態=扁平足で生まれる子供が多いのだ」
普通、ジャガイモといえば、ビタミンCやB1、B2、それに食物繊維が豊富な食品と捉えられがちですが、マクロビオティックでは、カラダを冷やしたり、組織をゆるめる働きのある食品=陰性食品と捉えます。甘いものや砂糖をふんだんに使ったお菓子などもこの陰性の仲間に含まれます。
松岡先生曰く、毎日のごとくイモを食べると自律神経が狂ってしまい、ちょっとした石や出っ張りに足がつまづきやすくなり、捻挫したり伸ばしたり、下半身に悪い影響を及ぼしやすくなるそうです。また、足元が狂うということ自体、自分の身長よりも高い位置にある果実を摂りすぎたか、地中に実るものでも、根が真下へ伸びるのではなく、横へ伸びるもの(=イモがそうです)を多く摂りすぎると起こる現象だとお話されました。だから、運動して強い足腰を鍛え、良い成績をあげたい人はこれらを食べるのを慎まなければいけないと。
ゆるめるものを摂りすぎることにより、足の故障が起こりやすくなるというのは、私も日々の臨床で感じることです。うちの治療院にはスポーツをしている学生さんもよく来られるのですが、しょっちゅう足の捻挫をする運動部の生徒さんたちは、聞いてみると、運動した後、甘いものが飲みたくなって清涼飲料水を一気飲みしているという子が多いのです。ジャガイモを箱買いして家族で頻繁に食べているという子も確かにいました。そこで、イモ類を控え、甘い飲み物をお茶や水に切り替えてもらってしばらくすると、捻挫するのが極端に減りました。
先生のお話だと、もうすでにカラダがつくられる胎児の時代に、妊婦さんの嗜好が子供の体質や気質に影響するわけで、現在のようにどこへ行っても沢山の甘いスウィーツが手に入る時代にカラダをゆるめるものを妊婦さんが食べないわけもなく、子供が生まれつき扁平足で拇指内向になるのは当然なことだと思います。
なので、拇指内向の原因には次の2点を加えたいと思います。
③お母さんが妊娠中、イモやスウィーツなど砂糖を含む陰性の強い食品を多く摂りすぎた。
④本人がイモやスウィーツなど砂糖を含む陰性の強い食品を多く摂りすぎた。
さて、拇指内向の原因がわかったとして、どのようにすれば、それを改善できるのでしょうか?
食べ物や飲み物を気をつけるのは当然として、生活にあるモノを取り入れると、実は、めざましく改善がみられるのです。
子供たちの足のトラブル改善の救世主となる、あるモノとは一体何なのか?
・・・その答えは、次回にお伝えしたいと思います。
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