現代人よ、ストレス解消には和室でしょ!

暮らし

日本家屋

 

 

環境というものは、そこに住む生きものに多大な影響を与えます。

私たち人間もまたしかり。

 

人間にとって一番身近な環境と言えば、それは「住居」

そのスタイルだって、私たちの心身に日々影響を与えているのです。

 

■和室と洋室、リラックスできるのはどっち?■

そこであなたに質問です。

例えば、和室と洋室の両方があったとして、

ストレス解消に効果があるのはどちらの方だと思いますか?

 

 

これは、きっと予想がつくでしょう。

 

・・・そう、その通り、和室が正解!

心とカラダの安らぎを得る場所として考えるなら和室が最適なんです。

 

 

でも、なぜだと思いますか?

 

ひとことで言えば、和室の多くはベージュ系の色でまとまっているからで、この色がストレスの解消に大変役立つわけなんです。

 

■和室に隠された黄金律■

家の壁面というのは、床面積のおよそ3倍。大きい面積には最も弱い色を使うこと!という住宅色彩学の原則があります。もし、壁の色がまばゆくなれば、逆に住む人の肌色は陰気に黒ずみ、気分まで落ち込んでしまいます。かといって、周囲が暗すぎるのも禁物です。

 

一般的に、和室の視界に入る空間の70%を占める部分は、ヒノキの柱、畳表、壁面(大体においてベージュかわさび色)、スギの天井などで構成されていて、それらの反射率というのが50%といわれているのです。

この反射率50%というのは、人間の肌と同じ割合なので良くなじみ、心理的にも最もストレスの少ない割合であると同時に色彩調節における黄金律なのです。

日本人の肌色とヒノキの肌色は同系色であり、同系色がなぜ心地良いのかと言えば、遠い祖先から受け継いだ人間本能、すなわち、敵の襲撃から身を守ることができる、という安心感に根ざしたものがあるのではないかと思います。

 

■植物性素材が心地良さのひみつ■

さらに、和室のヒノキ、スギといった木材は細胞でできている植物性素材。水との親和性が大きく、外界の気温・湿度によって、繊維の細胞膜が一定の水分を保ち、調節してくれるのです。こうした木材のアロマ効果も無視できません。ヒノキの香りはまた格別の魅力があります。

ヒノキは耐久性に優れ、木材腐朽菌に侵されにくく、シロアリなどの害虫にも比較的攻撃されにくい性質を持っていると言われますが、その耐久性の原因が繊維に含まれる香り成分、すなわち精油なのです。

 

以前、今は亡き、宮大工の西岡常一さんが、1300年以上も前に建てられた法隆寺の改修をした際、柱の表面を2~3ミリ削るとヒノキの香りがしたという話は有名です。

ヒノキ材特有の落ち着いた香りのもとになっている香り成分はカジノール類で、これには虫歯菌の繁殖をおさえる働きがあったり、院内感染の原因菌として知られるMRSAにも殺菌作用を示します。菌に冒されにくい環境というのも人間にとってはストレス解消につながりますよね。

 

森林浴を行うことで血圧が下がってリラックスしたり、興奮物質の分泌が少なくなる(=リラックスする)ことが明らかになっていますが、ヒノキやスギ、ヒバなどおなじみのこれらの木材を使った和室は、この森林浴と同じ効果が得られるというわけなのです。

 

■和室における障子やふすまの役割■

あと、和室における障子やふすまの役割も大きいです。特に障子の優れた点をざっと述べただけでも以下の通り。

 

①日光のすべての光と色を室内に伝えるのでカラダが健康になる。

②室温が外より高いと熱を逃がし、その逆の効果もある=夏涼しく、冬温かい。

③湿気においても上に同じ。

④空気をろ過する。外気が障子を通って中に入る時、フィルターの役目をして、タールや排ガスの微粒子などの発がん物質を吸着してくれる。

⑤強い光を和らげ、過度な明るさを調節してくれる。

 


 

■和室は先人たちの努力と知恵の結晶だった!■

障子といえばですが、この白という色も日本人の健康に良い影響をもたらす色です。例えば、光を通さない黒い色ばかり着ていると、しわが増え、肌がしなびてくることは、以前ブログでも取り上げましたが、白は逆でプラスをもたらします。

真っ白い服や下着を2日間身につけただけで、どんな人でもカゼが治ってしまうのです。それゆえ、昔から下着の色は白が基本なのです。ちなみに、私がふだん行っている色体治療においても、白という色は、肺や気管支・鼻を含む「呼吸器系」の色として活用しています。

 

和室の天井、柱、畳、いずれの素材も呼吸する植物性。しかも、ふすま、障子は白でこれも呼吸する色。

昔の日本人はこんな風に分析、調査したわけではないのでしょうが、体験的にカラダに良いものを感じ取り、住環境の中に和のしつらえを施したのですね。

 

けれど、戦後の急速な西洋化の流れの中で、和の良さが忘れられています。和式便所は様式便所になり、ふとんはベッドになり、ちゃぶ台はダイニングテーブルになり、ごはんがパンになった。

以前、知り合いの大工さんに聞いたところ、最近、新築する家で和室を注文する若い世代はどんどん減り続けているというのです。畳のある和室が絶滅危惧種になっているというのです!

私たち日本人は、和食が世界遺産に登録されたからといって喜んでいる場合じゃありません。私は最近のこの傾向に危機感を感じているものの一人です。

 

私たちの活動エネルギーを充電する大切な住居だからこそ、少しの部分で良いから「和」の要素を取り込み、「暮らし」と「生きる」の質を高めていこうじゃありませんか。そこには、先人のたゆみない努力と経験に基づいた知恵があふれているのですから。

 

 

 

 

★かつて日本人は季節の変化を暮らしに取り込み、それと調和して生きた。そこには和室同様、先人たちの知恵がいっぱい!二十四節気を読むと、旬な生き方と健康のあり方が見えてくる!

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