以前、よもぎについて書いたことがありましたが、香りの強い野菜や、山菜、ハーブは、食用としてよりも薬として用いたほうが良いような気がしてなりません。今回ご紹介する「三つ葉」もやはりその仲間です。
春から初夏にかけて旬の三つ葉。あの香りは、お吸い物に浮かべてもサラダやおひたしにしても、優れた薬味として重宝しますよね。あの香りを嗅ぐと、何でも美味しく感じられて、ちょっと食欲が増す気がしませんか？
そうなんです。三つ葉の効用のひとつには「食欲増進」があるのです。
三つ葉が食用として用いられはじめたのは、17世紀頃にさかのぼると言われています。食欲増進を促す精油成分に加え、カロチンやビタミンC、カルシウムなどを多く含み、鎮静効果、痰を切ったり、腫れ物や二日酔いにも効果があります。もともとは日本でも自生していたものが、今では農家さんの栽培しているものがスーパーには並びます。
栽培や出荷方法によって、「切り三つ葉」「根三つ葉」「青三つ葉」の３種類に分けられるのですが、成分や薬効の点から「青三つ葉」が最も良いとされます。では、その三つ葉の持つ効用をどのようにしたら最大限引き出すことができるのかお伝えしたいと思います。
春に出回る三つ葉は、香りが良く、本当に食欲を刺激してくれるものです。あのグリーンの鮮やかな色味も爽やかで、春の食卓にはもってこいですよね。どうせなら、できるだけごちゃごちゃと味つけせずシンプルにおしたしで頂きたいものです。
また、ふだん胃腸の弱い人には、ジューサーで三つ葉を加えた野菜ジュースにしても、飲みやすく美味しく頂けるでしょう。にんじん、キャベツ、トマト、りんごを一緒にすると三つ葉だけよりも格段に飲みやすくなります。
三つ葉を陰干しして日本酒にひたします。薬用酒のように漬込む必要はありません。これを痰が切れない時に飲むわけです。もちろん、未成年や幼児にはおすすめできませんが、大人はこれが結構効果あります。
赤ちゃんが夜泣きして困った経験がありませんか？こんな時、三つ葉が手に入ったなら、葉をつぶし、ペーパータオルに包んで搾り、その汁を飲ませます。三つ葉には神経を鎮静する作用があるのです。もちろん、大人だって仕事がうまくいかずにイライラした時や寝つかれない時、試してみると良いです。
飲んだ翌日、具合の悪い時、三つ葉のみそ汁も良いですが、酢を用いることで肝臓にも効果的に作用するため、酢みそ和えをおすすめします。私はこれで今までどれだけ助けられたことでしょう。
ぶつけたりしてできた腫れや、いつの間にか皮膚にできた憂鬱な腫れ物。こんな時には、軽く塩をふって葉をもんで、それを腫れ物に当てておきます。２、３回取り替えながら様子をみていると、自然と腫れが引いていきますよ。
どうでしょう。薬味にしておくだけではもったいないくらい、三つ葉には色々な効用があるでしょう。なので、できれば常備しておきたいものの一つですよね。ただ、スーパーで買ってきても、そのまま冷蔵庫に入れておくだけではすぐ乾燥してしまうので、生を長く保存したい時には、コップに水を入れて、そこに差したまま、キッチンへおいておかれると良いでしょう。冷蔵庫で保存したい場合は、ジップロックなどに入れて空気を吹き込み、密封して野菜室へ入れれば長持ちします。
ちなみに、三つ葉の根の部分を捨ててしまう人が多いのですが、よく水洗いして天ぷらやきんぴらにすると思いのほか美味しいものです。
食欲を増進させるだけでなく、主役もはれる名優ハーブ、それが三つ葉なのです。もし、自生種が手に入ったなら試しに一度食してみて下さい。さらに香りも強く、今、お伝えした効用が、栽培種よりもさらに上回ることは言うまでもありません
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