災害に見舞われた時のパニックから脱出する方法

心と体

 

今月9日に関東地方を襲った台風15号の影響で7都県約93万世帯に停電が発生しました。千葉県南部など台風被害の大きかった地域では、電柱や電線などの損傷により未だ全面復旧が困難な状態。

ライフライン再開のめども立たず、依然として酷暑の続く厳しい環境の中での生活は想像を絶する苦労がおありのことと思います。被害に遭われた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

私自身も昨年9月に発生した北海道胆振東部地震により人生において過去最大級の揺れを体験し、二日間の停電生活を余儀なくされました。幸い家族にけが人は出なかったものの、電気が使えず物資が供給できない不便さは、便利さに慣れきってしまった私たち現代人には非常に大きなストレスとなることを痛感しました。

しかし、マスメディアやネットから得られる情報を見る限り、今回の台風15号による被害は昨年の北海道の地震以上に甚大であると感じます。

停電直後の政府およびマスメディアの動静について一言言わせて頂くなら、初動がたいへん遅かった。安倍総理が救援指示を出したのが発生から4日後、新聞もテレビも組閣のニュースばかりを大きく取り上げ、国民に今起こっている危機を軽視しているようにさえ感じました。

その間、ツイッターなどのSNSでは現地の被害状況がユーザーによって画像とともに伝えられ、災害の規模や詳細を知ることができました。察するに完全復旧にはまだまだ時間がかかり、現在、停電生活の中にある方々はとても大きなストレスに見舞われていらっしゃることでしょう。

こうした非常時に際して、何より大切なのは「心の平静を保つ」ことであります。パニックにならずに心の健康を維持することが二次被害を防ぎ、困難に立ち向かう気力を養ってくれるのです。

こんな時、頼りになるのはカラダです。心とカラダは本来一つのもの。カラダに直接アプローチすることで不安や恐怖の感情を抑え、心の状態を整えることができます。今回はその方法をお伝えいたします!

 

 


 

■タッピングでエネルギーの流れをつくる

過去に本ブログでも地震に遭った時にパニックにならないための対処法として「タッピング」のテクニックについてお伝えしたことがあります。

 

チリ大地震ーパニックに襲われた時の対処法
先週、チリ大地震がありました。津波、火山噴火に経済崩壊・・・次々に予期せぬことが起こる21世紀。この混乱の世紀を生き抜いていく上で、ピンチの時、冷静に対処できる精神力が求められています。そんな強い精神力は鍛えて得られるものでしょうか?また、...

 

 

私たちは本来、肉体という物質的なボディと、エネルギー体としての「気」のボディの両方を持ち合わせた存在です。

しかし、人間が何かショックを体験した時、そこで生じた感情がエネルギー場に障害を発生させます。エネルギーは常に循環していなければならないものなのに、その障害がエネルギーの流れを滞らせ、特定の部位に閉塞をもたらしてしまうのです。

エネルギー系が不調になると、例えば、頭痛や動悸がしたり、気分やカラダが重くなったり、不安や恐怖にさいなまれて眠れなくなるなど、種々の不快な症状が生じるのです。

そうなると、正しい判断や思考もできなくなり、感情が不安定になって疲労も増大します。それを改善しようと思うならば、特定の部位に起こった閉塞を解き、再びエネルギーを流れるようにする必要があります。で、何をすれば流れるようになるのか?

「タッピング」が問題解決の助けになります。タッピングとは、タップすること、すなわち「叩く」のです。もちろん、叩く場所は適切でなければなりませんし、あまり力を入れすぎてもいけません。優しく心地良いくらいの刺激で自分のカラダをタッピングするのです。

 

■ベトナム帰還兵のトラウマを治癒へと導いたタッピング

ベッセル・ヴァン・デア・コーク博士はトラウマ研究の第一人者。70年代に彼は、アメリカにおいてベトナム戦争の帰還兵に多くみられたトラウマ体験の後遺症治療にたずさわりました。

当時、世界にはまだPTSD(心的外傷ストレス)という言葉はありませんでしたが、コーク博士は複数の方法を用いてパニック症状に苦しむ多くの帰還兵を治癒へと導いたのでした。実はその治療法の一つが前述したタッピングだったのです。

その後、アメリカの心理学博士ロジャー・キャラハン博士がさらにそれを発展させ、TFT(Thought Field Therapy)=「思考場療法」として世に発表しました。私も彼のテクニックを日々の臨床に活用させていただき、その手軽さと効果の素晴らしさに驚いています。

東洋医学における鍼治療や指圧は、目には見えない生命エネルギーの流れの停滞をツボを刺激して改善することを目的に行われますが、キャラハン博士が開発したタッピングも同様に体表のいくつかのポイントを指先でトントンと叩くことにより、問題のあるエネルギー場を整えることを目的に行われます。

では、カラダのどの場所をどんな風に叩けば良いのか?具体的に説明しましょう。

 
■タッピングに用いるポイントについて

タッピングをする場所は特定されています。主に集中しているのは顔と手、次いで上半身です。少し数は多いのですがこれらのポイントを一応一通り覚えて順にタッピングしてみます。

 

<顔のタッピングポイント>

①眉がしら

②眉じり

③目の下

④鼻の下

⑤あご

顔のタッピングポイント

 

<手のタッピングポイント>

①親指の爪の生え際内側

②人差し指の爪の生え際内側

③中指の爪の生え際内側

④小指の爪の生え際内側

⑤薬指と小指の間の甲の上

⑥空手チョップエリア

手のタッピングポイント

 

 

<上半身のタッピングポイント>

①鎖骨エリア

②脇の下エリア

③大胸筋エリア(*左側のみ)

上半身のポイント

 

■タッピングの仕方について

タッピングの仕方はそれぞれの左右のポイントを約5秒間に10回のリズムで順に指先の腹を使ってトントンと軽く叩いていくだけ。指先の爪の生え際など面積の狭いポイントには主に中指と人差し指の2本を使い、幅の広いエリアには親指以外の4本の指を使って叩いていきます。

注意するのは、最後の上半身の③大胸筋のエリア(左側)だけは指先でタッピングせずに、軽く拳を握り、優しく円を描くように4、5回さすります。

効果にはもちろん個人差があり、これよりも少ない回数のタッピングで気持ちが落ち着く人もいれば、より長く、より多く叩く必要がある人もいるでしょう。けれど、一応目安は各ポイント10回です。

まずは注意深く自分の気分や症状を観察しながらタッピングしてみてください。すると不思議なことにあなたの抱えている不安や恐れ、カラダに現れた症状がタッピングに反応し始めます。効いている時はそれを実感できるのです。

そして、どのポイントを叩くのが自分にとって最も効果的であるか、回数を追うごとに明らかになってきます。とはいっても、初めのうちは全てのタッピングポイントを一通り覚えておくのが大切です。

後に慣れてくれば、自分にとって効果的なポイントを残してほかは省略しても構いません。しかし、初めにどの症状や問題にどのポイントが効くかを予測することはできないので、一応全てのポイントを知って試してみることがこの成功には欠かせないのです。

 

■タッピングする上でしてほしいこと

もしも、急を要する場合で各ポイントを全てタッピングするのが難しい場合は、以前、本ブログでお伝えしたように手のタッピングポイントの⑤薬指と小指の間の甲の上のエリアだけを叩いてもかなり効果があります。

また災害時などに多い、心配事や不安にさいなまれているような心理状態の時には、顔のタッピングポイントにある③目の下を叩いた後、上半身のタッピングポイントにある①鎖骨エリアを叩いてみても不安が解消して気持ちがずいぶんと楽になります。

さらにタッピングの効果を客観的に評価する上で行ってほしいことがあるのでそれをお伝えします。

まず、自分のおかれた状況からくるストレスを実感して数値化しておきます。例えば、施術前に感じる心の中にある不安や精神的な辛さ、カラダに生じている不快や苦痛のレベルを「レベル10」としておきましょう。

そしてタッピング後、再び意識を不安や苦痛にフォーカスしてみてどう感じるかを数値化し判断してみるのです。多くの方は全てのポイントを一通りタッピングしてみるだけで「レベル10」から半分の「レベル5」以下になるのを感じられることでしょう。場合によっては、不安が全くなくなってしまうことだって起こります!

もしもストレスの軽減が十分じゃないと感じたならば、再び順にタッピングしてみます。回数を重ねるほどにストレスの度合いや苦痛がどんどん減っていきます。心の底から絶望的な不安や苦痛がなくなるまで、毎日タッピングを繰り返し行うのです。

さらなる効果を期待したい場合は、「アフォアメーション」といって、自分がなりたい状態をタッピングを始める前に言葉に出して宣言するのもたいへん有効です。この場合の文言は、「たとえ〇〇だったとしても、私は大丈夫!」という風にします。〇〇には否定的な言葉が入ります。

例えば、「たとえ停電が何日も続いたとしても、私は大丈夫!」とか、「たとえ、辛い状況を体験したとしても、私は大丈夫!」のような感じです。

 

■大変化の世紀を生き抜くために

アメリカの哲学者で詩人のラルフ・ワルド・エマーソンの残した有名な言葉に次のようなものがあります。

賢人は嵐の時、「危険から逃れられますように」ではなく、「恐怖から解放されますように」と、神に祈る。

 

人生は誠に不確かなもの。誰も自分自身が、明日災難に見舞われるかどうかなんてわかりっこありません。だからこそ、どんな時でも自分自身の心の状態をニュートラルにしてどんな変化にも対応できるようにしておかなければならないのです。

21世紀は今までの世紀にも増して大きな変化の予兆が人類を取り巻いています。政治、経済、国際関係、環境問題・・・、どれをとってもまさに世界中毎日が非常事態。心を柔らかにし、強くして、この大変化の時代を元気良く乗り切って参りましょう!今回被災された多くの方々の一日も早い復旧を心よりお祈りしています!

 

 

⭐️タッピングについての類書は他にも色々あるけれど、最もわかりやすくて実用に即しているのは心理療法士ロベルタ・テムズの書いたこの本。彼の師匠がロジャー・キャラハン博士。このシンプルにして効果の高い療法がどうか世界中に広がり、多くの病める方々に救いをもたらしますように!

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