踵(かかと)で呼吸する

呼吸法

foots

 

 

不安な時、落ち着かない時、忙しくて時間に追われている時・・・

「何かが自分の中でしっくりこない」、そんな気持ちになったりしませんか?

それもそのはず。きっとそんな時は、しっかり呼吸できていないのです。

 

しっくりこないのは、具体的に言えば、「地に足が着いていない状態」ゆえなのです。

じゃあ、どうすれば、地に足着いた状態にできるのでしょう?

それには、「足の裏=踵(かかと)で呼吸すること」

 

 

昔むかし、この日本の江戸時代。白隠禅師(はくいんぜんじ)という、それはそれは大きな働きをした禅宗のお坊さんがおりました。この方は駿河の国・原宿(現在の沼津市)に長沢家の三男として生まれました。

十五歳の時に出家し、十九歳より旅に出て諸国を修行し、ついに五百年間に一人と言われるほどの高僧となり、やがて臨済禅中興の祖と仰がれるようになりました。

生涯に大量の禅画を残し、好んで釈迦、観音、達磨などを描き、それらの作品は現在、松蔭寺に保存されています。当時、こんな歌が詠まれました。

 

「駿河には過ぎたるものが二つあり 富士のお山に原の白隠」

 

あの富士山に並び賞されるほどの素晴らしいお坊さんだということです。その活躍は多くの庶民を苦しみや絶望の淵から救い、また様々な健康法に関する本を書いて大衆の健康にも寄与しました。

 

 

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●白隠禅師像(静岡県・松蔭寺)

 

 

さて、そんな白隠禅師が生前残した言葉に、こんなのがあります。

 

「衆人(しゅうじん)の息は、喉(のど)をもってす。

真人(しんにん)の息は、踵(くびす)をもってす」

 

どういう意味かというと、衆人とは「一般の人たち」のこと。真人とは「悟った人」のこと。喉は「のど」、踵とは「かかと=足の裏」ということになります。「一般人はのどで呼吸するけれど、悟った人はかかと=足の裏で呼吸する」というわけです。

 

といっても、これはあくまでも例えであって、実際、足の裏に呼吸器があるわけではありません。

この世に生きる人々は、日常あれやこれやと頭を使い過ぎ、気が上のほうにばかり行って、下半身がおろそかになってしまっているのがほとんど。これを「地に足が着いていない」状態と言います。

本来、深く正しい呼吸ができた時には、自然とその呼吸はあたかも踵=足の裏でしているかのように感じられるものです。充分な呼吸ができた時には、下半身にも気が充満し、地に足も着いて、自分の内側にしっかりと精神の土台のようなものができあがります。

目指すべきはそのような呼吸。

 

・・・しかし、具体的にはどのようにすれば良いのでしょう?

 

様々な指導家が様々な呼吸法を説いていますが、私が時々行うのは次のような方法。特別難しいものではなく、意識とイメージさえ活用すれば、誰でもできるようになります。

 

まずは、行う前に立って目をつぶり、自分の重心がカラダのどのあたりにあるかを確認しておくと良いでしょう。地に足が着いていないと感じる時や、不安な時、何かに追われている時というのは、大体、重心が高い位置にあって不安定なものです。そんな重心の位置を覚えておきます。

 


 

■踵(かかと)呼吸法■

①あおむけに寝て、伸びを3回くらいしてからフーッと「ため息」を3回つきます。そして、頭を左右にゴロンゴロンと転がして準備完了です。

②足の裏に意識を向け、どんなふうに感じるかを意識します。ムズムズする、ジーンとする、冷たい、温かいなど。

③足の裏の感覚に注意を向けたまま、鼻から吸った息を足の裏から吐くつもりで呼吸します。(足の裏の感覚が息を吐くと強まる感じをイメージします)

④吐く息とともに、強くなる足の裏の感覚を感じながら、10~30回を目安に呼吸を数えます。(途中で数が分からなくなっても構いません。)*数は、30、29、…と数え、数字を少なくしていく方がリラックス効果があがります。

 

このように呼吸できたら、再び静かに立ち上がって目をつぶってみます。

どうですか。先ほどよりも重心が低い位置に移動し、地に足が着いた心地がしませんか?

心が落ち着き、じっくりとモノゴトを判断できるようなゆったりとした自分を発見されるかも知れません。

 

踵でする呼吸。

ぜひ、あなたの慌ただしい日常の、マストアイテムのひとつに加えてみて下さい。

 

 

 

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