五臓で顔を見る望診法

望診法

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健康に生きる上で大切なことは、内臓が丈夫に働けているということです。「五臓」とは、東洋医学でいう「肝・心・脾・肺・腎」のことで、これらは「肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓」と近いものではありますが、本来はより広く大きな意味を持つものと捉えて下さい。西洋医学では、臓器を「解剖学的」に分類していきますが、東洋医学では五臓を「生理機能」として分類しているため、臓器そのものというよりは、エネルギーの働きとして捉えるためです。

 


 

順をおって説明しますと・・・

 

■五臓の性質と意味■

●「肝」は、血液の貯蔵や再生、カラダの生理機能全般を司り、栄養物の分解や合成、貯蔵・供給、および血流量をコントロールして西洋医学でいう肝臓とほぼ一致する性質を持ちます。また、自律神経をスムーズに機能させることでカラダの機能をなめらにしていきます。

●「心」は、全身のポンプとしての心臓と「心」や「精神」「脳」としての動きを含んでいます。血液を循環させ、栄養の運搬と循環を維持するとともに精神や意識、思考活動に深くかかわっています。

●「脾」は、現代医学でいうところの消化器系=胃腸の働きを司るものです。食物を消化して栄養や水分を全身に運びます。また、血管壁の機能を保ち、止血因子を生成・供給します。

●「肺」は、臓器としての肺以外にも、鼻や喉、気管支などの呼吸器と皮膚および免疫系の働きを司っています。呼吸と同時に、気・血・津液(しんえき)=<カラダを構成する液体成分>をカラダのすみずみまで行き渡らせます。また、体表部の抵抗力を強めます。

●「腎」は、水分代謝を担当する腎臓と生命を司る生殖器系と関係があり、内分泌系・泌尿器系・生殖器系の働きを司っています。カラダや機能を支える構成物質「精」を貯蔵し、ホルモンバランスを調節します。

 こうした五臓の構成は、基本的には人間誰でも変わりませんが、それぞれが持って生まれた体質や、問題、カラダに関する悩みが異なるのは一体なぜでしょう?それは、カラダを構成している血液や水分、エネルギーなどの量や質的バランスが人によって違うからなのです。その違いが生じるのは、先天的なものに加えて、日々、摂りこんでいる食べ物が違うからにほかなりません。

例えば、いつ会っても顔に赤みがある人っていますよね。「顔全体が赤い」のは、エネルギーが過剰で熱が発生していたり、心臓のトラブルがあって体内の熱の分布が偏っている状態と考えられます。

私たちのカラダは、食べ物から発生させたエネルギーを体内の水分を使って冷やして調節し、体温36度を保っています。いわば、「水冷式」というわけで、エネルギー過剰により熱が生じているならば、水分が蒸発するのが早くて熱を出しているので、水を多めに摂ることでなんとかバランスを保つことができます。また、「頬や唇など部分的に赤い」のは、カラダが消耗していることを表しています。

エネルギー配分と水分調節を司る五臓のうちの「腎」のエネルギーが低下し、水分が足りないために体温を下げられず、微熱を生じている状態です。こんな時は、カラダが弱っているため、無理に大量に水を飲んではいけません。無理に飲ませてもカラダが受けつけずに下痢を起こしてしまいます。

このように顔に現れた変調を手がかりに、カラダの状態を知り、調整する方法を学んでいきましょう。五臓については時々出てくるキーワードなのでざっくりで構いませんので覚えておかれると、望診法の理解が深まりますよ。

 

 

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