寒の時期には質の良い卵を食べよう

マクロビオティック

 

さて、早いもので一月も、もう15日。暦の上ではすでに「寒」に入っています。

5日は「寒の入り」でした。それは二十四節気でいうところの「小寒」の最初の日。寒の入りから1か月後の節分までは、いわゆる「寒」の季節となります。

小寒とは、だんだんと寒さがまして、半月後にはさらに寒い「大寒」が来ます。大寒は平年でだいたい毎年1月20日。大寒は二十四節気の冬の最後とされていて、大寒の最終日は季節の変わり目となる「節分」があります。昔から日本人は、こうした季節の変化を大切にし、それぞれの時期に合った暮らし方というものを習慣づけてきました。




■寒に卵を食べると健康になれる?

例えば、この間の時期に行うと良いと言われる「縁起担ぎ」があります。

それは、卵を食べること。

昔から、寒の時期に食べると縁起が良い物として卵があげられるのですが、中でも大寒に生まれた卵は「寒卵」とか「大寒卵」と呼んで大切にされてきました。言い伝えによれば、大寒に生まれた卵を食べれば・・・

 

①健康になれる。

②金運に恵まれる。

 

のだそうです。もちろん、大寒に卵を食べるのは縁起担ぎのためではあるのですが、寒の時期の卵というのは、実際、一年のうちでも最も栄養成分が豊富で凝縮されていて、今のように満足に食べ物がない時代、しかも寒い時期を過ごさなければならない庶民にとっては本当に心強い栄養となり、人々の健康に寄与したのだと思われます。

しかし、食が豊かになった現代では、卵のおかれている環境もガラリと変わってしまいました。ちょうど寒に入ったこの時期、そんな卵について、ちょっと掘り下げて考えてみたいと思います。今年は酉年でもありますし、ね。

 

■養鶏業がニワトリの環境を変えた

マクロビオティックでは、基本的に卵を「食べ過ぎること」は、あまりよろしくないとされます。

理由はいくつかあるのですが、一つにはその性質。卵はある意味、月経と同じようなものと考えられます。ヒトの女性には、毎月排卵がありますよね。この時、精子と受精すれば受精卵となり、妊娠します。しかし、受精できなければ月経という形で体外に排出されます。

ニワトリはヒトよりも多くの卵子を体内に持っているため、毎日排卵します。その卵が精子と受精すれば有精卵となり、受精しなければ無精卵として排出されます。

ニワトリは普通、毎日卵を産んで、それがある程度になると卵を抱いて温め、卵を産まなくなります。しかし、人間に飼育されているニワトリは毎日卵を産みます。いくら産んでも人間が卵を搾取してしまうので、親ドリは卵を温めることも忘れ、産み続けるのです。ニワトリの産んだ卵がなくなると生み続けてしまう習性を利用して養鶏業は成り立っているわけです。

養鶏場のニワトリは、1日1個として、年間約300個もの卵を産まされます。これは、本来のニワトリにとってはかなり不自然で多過ぎる数なのです。こうして無理に産まされたニワトリは、あっという間に産卵のピークを終え、卵の質が悪くなり、しだいに卵も産めなくなります。そうなったら、用済みということで人間に殺されてしまいます。

もともと自然に飼われていれば十年は生きられるはずのニワトリなのですが、養鶏場で飼われているニワトリたちはその10分の1の一年しか寿命がありません。こんな不自然な環境の中でニワトリはストレスを抱えながら今日も卵を産まされ続けているのです。

 

●不自然な鶏舎でなく、平飼いされてる元気なニワトリのカップル

 

■美しい卵の裏に潜むもの

もしニワトリを長く飼おうと思ったら、強制的に新しい羽に抜け変わらせることが必要になってきます。それは2週間ほど一切のエサを与えずに飢餓状態にさせるのです。そうすると羽が抜け変わり、体質が変わって新たに卵を産めるようになります。しかし、こうした不自然な処置はニワトリに多大なストレスを与え、中には餓死してしまうものも出てきます。

また、基本的に卵を産むのはメスで、卵を産まないオスはひな鳥の段階で大量に殺処分されます。それを免れたメスのひな鳥たちも鶏舎の過密空間の中で飼育され、ストレスのために互いにくちばしでつつき合い喧嘩を始めます。喧嘩を防ぐためには麻酔もかけずにそのくちばしが切り落とされます。

劣悪な環境の中での飼育に耐えられるように、ニワトリにはワクチンを接種し、エサには抗生物質が混ぜて与えられます。こうした中で作り出される大量の卵が綺麗な透明のプラスチックに入れられてスーパーの店頭に並びます。いくら見た目には美しい卵とはいえ、それを産み出すためのニワトリの悲しみ、間接的にも影響はゼロとはいえないであろうワクチンや薬剤の使用を考えると、いくら栄養に富んだ食品といえども、その摂取のしかたについては考えてしまいます。

 

■卵醤をご存知ですか?

このような飼育法が一般的になっているのは、人間の欲に目が眩んだ無理な大量生産・大量消費がもっとも大きな原因であることは否定できません。だからこそ、こうした状況を改善する上でも、私たちは、卵とニワトリが現在置かれている環境について知る必要があると思います。

こうした視点を私に与えてくれたのは、マクロビオティックでした。

誤解されやすいのですが、マクロビオティックでは、何も卵を食べるべきではないと言っているのではありません。昔からあるマクロビオティックの料理本の中にも、お正月やハレの日向けに卵を使った料理が紹介されていますし、弱った病人の食養法のひとつとしては「卵醤」が勧められてきました。

あなたは、この卵醤ってご存知ですか?

現代人は、やたらと塩分を毛嫌いします。塩分過多は病気の原因というわけです。しかし、それは天然塩ではなく化学的に生成された塩を摂るからで、本来、適量の塩分は必要なのです。それによって体質をアルカリ性に保つことができるからです。病気は塩分やミネラルが不足したり、添加物や悪い油を使った食べ物を多く摂ることにより、体質が酸性に偏ることからも起こります。

そうして酸性に偏ったカラダの状態をアルカリ寄りに戻すのに有効なのが、この卵醤。また、マクロでいうところの陰性に傾いた体質を陽性に整えてもくれるのです。

疲れやすい。カラダが冷える。傷がジクジクして治りにくい。気が落ち込みやすい。やる気が出ない・・・などはみんなカラダが陰性に偏り過ぎているがゆえに起こる症状です。カフェブームやスウィーツブームでいつもコーヒーや甘いものをたくさん摂っていたり、アルコールが大量に入ったりしても体質は陰性へと傾きやすくなります。そんな状態を一気に陽性にもっていけるのがこの卵醤なのです。

 

■卵醤の作り方

せっかくですから、その卵醤の作り方についてお伝えしましょう。まず準備するものは以下の通り。

 

●有精卵1個

●伝統的製法で作られた天然醸造醤油

●卵と醤油を入れる器

*必ず有精卵と天然醸造醤油を使用すること。普通の無精卵や、薬品や化学塩を使った促成醤油を使っても全く効き目がありません。

 

まず、卵を半分に割ります。ちょうど真ん中から割れるように工夫してみてください。そして、二つに別れた殻の一つに醤油をすりきりまで入れます。それを卵と一緒に器に入れてかき混ぜます。それを一気に飲み干すだけ。これをはじめは3~4日連続で1日1回飲みます。そして翌週は週2~3日飲み、あとは状態に合わせて1週間に1回程度飲むというもの。

基本的にこれは手当て法であり、極陰性の病気に使う、極陽性のお手当なので個人的には長期にわたって行うべきものではないと思います。しかし、どうしてもやる気が出ない時や、アルコールをたくさん飲んだ後などに卵醤を飲むとカラダがシャキッとして引き締まるのがすごくわかります。また、万が一、急性アルコール中毒で倒れた時などにも気付け薬的効果があったり、陰性過剰による心臓疾患などにも上手に用いれば薬となります。

ただ、もともと肉食が多い人や高血圧、腎臓病を患っている人、明らかに陽性過剰の人は逆に症状を悪くする場合があるので注意が必要。あくまでも陰性気味の人が陽性に近づけバランスを取るために用います。

お正月からご馳走を食べ過ぎたり、お酒を飲み過ぎてカラダが酸性体質に傾いていると感じる人、また、甘いものの食べ過ぎや、ふだん薬を服用していて陰性過剰になっていると感じる人は、これからやってくる大寒の時期に、卵醤を試してみてはいかがでしょう?きっと、カラダが強くなって健康になるのを感じることでしょう。

また、卵をいただく時は、卵とニワトリに感謝の気持ちを捧げつつ、誠実な生産者さんの育てられた安心、安全な有精卵を選ぶのが良いのはいうまでもありません。私たち消費者の意識が変われば、きっと養鶏業を取り巻く環境も変わっていくはずですから。

 

 

 

⭐️ この国富自然卵普及会さんの有精卵は、農場でオンドリとメンドリが恋して生まれてきた卵です。通常のようにニワトリが一年で廃棄されることなく大切に飼われています。本当に大切なものは目に見えない。けれど、味わえば教えてくれる本物の証があります。本物の卵をお探しのあなたには、ぜひ!

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