その怒りを鎮めるには

カラダの哲学

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人間、生きていると日々、いろんなことが起こります。

嬉しいこと。悲しいこと。時には当然、怒りの感情だって沸き起こります。

 

情報ばかりが氾濫し、人と人とのつながりが希薄になって、時間に追い立てられてながらも成果を求められるように感じることの多い現代は、誰もが心の奥底に言いしれようのないストレスと「怒り」を溜め込んでいます。

毎日のニュースに衝動的に人を殺めてしまったような事件が多いのは、そんな怒りの感情に上手に対処できない人が増えていることを如実に表していると感じます。

人間という存在は、心とカラダ、そして命が合わさってひとつです。

で、あるならば、心を立て直すことでカラダが良くなったり、カラダを刺戟することで心が良くなったり、心とカラダを活気づけることで命が生き生きと輝き出す、なんてこともあったりすると思いませんか?





 

■野口先生が見つけた怒り鎮静の調整点■

それをお手伝いするのが、私たち治療家の仕事であるわけですが、私自身もそうした技術によって、日々、心とカラダと命の不思議さに気づかせてもらっています。

で、今回のテーマは「怒りを鎮める」ですが、私たちのカラダにもそうした感情をコントロールするポイントというのが多数存在するのです。私が尊敬する治療家に野口整体の創始者・野口晴哉先生がいます。先生はすでに故人となられた方ですが、その鋭い観察眼と深い人間愛から、人々が健康に生きるため知恵を発見、考案し、後世に伝えられました。

その野口先生曰く、怒りの感情を溜め込んだ人というのは、必ず胸のあたりにある鳩尾という場所に硬さが見られます。いくら本人が怒ったと言っても、この鳩尾が硬くなければ、それは単に怒ったふりをしているだけで、感情は発動していない状態とみます。

心臓がどきどきするとか、顔が赤くなるとか、人間の感情が伴った身体反応というのは、それぞれの感情に応じた表現が必ずあるもので、それらが伴わない感情というものはないのです。

また、「腹が立つ」という表現がありますけれども、文字通り、人が腹を立てた時には、腹直筋がピッと縦に緊張します。

野口先生は、これを、頭がくたびれた状態ゆえに起こる現象であると言います。これを立て直すには、頭のくたびれを治し、お腹を柔らかくすること。では、その調整ポイントとは一体どこにあるのでしょう?

 

■調整ポイントを刺激する■

野口整体には、「頭部第二整圧点」と呼ばれる調整ポイントがあります。それがどこにあるかといえば、両目それぞれの中央から頭の方へ垂直に引いていった線と、両耳それぞれの手前から頭の方へ引いていった線の交点。ちょうどトップ画像の赤丸の位置になります。

そこを指先でチョンチョンと刺激したり、軽くトントンと叩くのです。また、愉気(ゆき)といって、優しく手を当てて気を送ってあげても良いです。

そうしてしばらくすると、不思議なことにお腹が緩んで腹直筋が柔らかくなります。立っていたお腹が丸くなるのです。そして、首周囲や、鳩尾付近の緊張も解け、怒りの感情がおさまり、気が乱れなくなります。

 

■誰もが持っている調整する力■

子供さんで怒りっぽいとか、気が散って落ち着かない、なんて時に、お母さんがこの頭部第二整圧点にそっと手を当て、愉気してあげると効果はてき面。お子さんの表情も変わってきます。カラダへの刺激が心にも作用するということを身を持って感じられることでしょう。こうした技術は何も特別な才能や訓練が必要なわけではありません。

気になるところへすっと手がいく。その手が自然と癒しをもたらす。私たち人間に生まれながらにして備わった能力なのです。ところが、生活が忙しくなって気が荒だってしまうと、意識は外へばかり行ってしまい、私たちの中にこうした力が備わっていることをついぞ忘れてしまうのです。

これは、他者に行っても自分自身に行っても有効な技術です。

これからは、職場や大切な席でカーッとなって、つい怒り出したくなった時には、そこでちょっとトイレへ駆け込み、この頭部第二整圧点をそっと刺激してみて下さい。きっと思い直して、すっきりした気持ちで心もカラダもリセットされるはずですから。

今日の札幌の空は荒れ模様で朝から雷まで鳴っていますけれど、せめて心の中は「怒り」なく、青空が広がっていたいですね。

 

 

 

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