がごめ昆布がすごいんです！

食と健康

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2019.01.172016.02.26

今まであまり日の目を見なかったものが、ある日突然、高評価を受け、スターダムにのし上がる、なんてことが世の中にはよく起こります。

芥川賞受賞以降、相方の綾部に「大先生」と呼ばれ、停滞した日本の文学界に新たな風を吹き込もうとしているピースの「又吉直樹」しかり。2015年M-1グランプリ王者獲得以降、極端に露出が増え、全国の薄毛男子にとって希望と苛立ちの星となりつつある「トレンディーエンジェル」しかり。

そんな赤丸急上昇中のニューヒーローが、はたして食品業界にいるだろうかと考えてみたら、

・・・いました。ニューヒーローが。しかも、この北海道出身！

何だと思います？

・・・それは、「がごめ昆布！！」

■海の世界のニューヒーロー■

がごめ昆布、ご存知ですか？

実はこれ、ひと昔前までは、地元の漁師さんたちにとってゴミ屑同然の扱い。よって、捨てられていた海藻なんです。

かつて、あの北方四島でも、地元ロシアの漁師さんたちは毛ガニが網にかかると迷惑がって捨てていた時代が長くあったと聞いたことがありますが、がごめ昆布も毛ガニ同様、長く不遇の時代を過ごしていたわけです。

もともと真昆布と同じ北海道の南茅部地域でしか獲れない数の少ない昆布で、粘りやとろみが強いのが特徴です。そんながごめ昆布がなぜ今、高評価を受けているのか？

それは近年研究が進み、がごめ昆布には「フコイダン」という成分が豊富に含まれていることが判明したからであります。

■フコイダンが豊富なんです！■

がごめ昆布に豊富に含まれる粘り成分である粘性多糖類のフコイダン・アルギン酸が、健康改善に様々な効能をもたらしてくれるのです。

フコイダン・アルギン酸は、脂肪を吸収する効果を持ち、糖分の消化・吸収を緩やかにして血糖値を調整し、免疫力を高めてくれます。また、新陳代謝を活発にし、高血圧や動脈硬化などの予防にも有効とされ、ひとつの食材に含まれる健康成分が稀に見るほど豊富ということで世界的にも注目されているのです。

■アトピーやアレルギーにも良い■

現在、日本人の3人に1人は、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を持っていると言われています。がごめ昆布に含まれるフコイダンには、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの分泌を抑える効果があるのがわかっています。このフコイダンは、高い保水力を持ち、肌の保湿力を高めてくれるのです。アレルギー症状を抑えるために、がごめ昆布を食べることを試してみては如何でしょうか？

■腸や糖尿病予防にも良い■

がごめ昆布に含まれる豊富な水溶性食物繊維（難消化性デキストリン）は、整腸作用や便秘解消やダイエットの効果もあるようです。保水性・粘着性が高いので、消化物が胃から小腸へ移動する早さを遅くしそれと同時にブドウ糖の吸収も遅くし、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあります。それによって糖尿病の予防にも効果的なのです。

■美容にも良い■

毎日、お肌のケアに余念がない女性の方はとても多いことでしょう。お肌のきめ細やかさが印象を大きく変えます。女性が美容に気を配るのは当たり前のことですよね。もともと海藻の中でも、特に昆布にはミネラルのヨウ素が多く含まれています。ヨウ素から作られる甲状腺ホルモンは、交感神経を刺激して新陳代謝を活発にし、ダイエットにも効果的と言われています。また、肌や髪などの美しさを保つ働きにすぐれ、貧血予防などにも良いとされています。

■どうやって食すの？■

現在、北海道のスーパーでは様々な種類のがごめ昆布が並んでいます。相場は一枚物（80ｇ）で1000円程度。これはもう高級食材ですよね。で、どのように食すかということなんですが、一枚物であれば、一晩水に漬けて、とろみ成分が出てきたらそこでザルにあげます。そこで使った水は捨てずに飲用として冷蔵庫に冷やしてお飲み下さい。

がごめ昆布水は、口に含んだときのとろみ感がとても優しく、のど越しが良いです。クセなんかほとんどなく美味しく頂けます。昆布にはさみで切り目を入れて水に漬けると、さらに成分がよく出ます。

柔らかく戻った昆布は包丁で刻んで細かくたたき、ネバネバ料理に使います。スーパーでは刻んで売られているものありますが、手間を惜しまない方やたっぷり食べたい時には一枚物を購入されるのが良いかもしれません。

■気軽に使いたい人は細切りもあります■

中には一枚物が手に入らない時や、下準備などせずもっと気軽に調理したいという方もおありでしょう。そんな方には、あらかじめ細く切ってあるがごめ昆布をおすすめします。

細切りがごめ昆布は、戻す時間が短くてすむので楽。細いものほど口当たりがソフトです。価格は40ｇで600円位が相場。戻す時には、一枚物の量より多めの水を加え、軽く混ぜて10～20分おきます。昆布がしなやかに戻ったら、よく混ぜます。箸で持ち上げると糸を引きます。きっとその粘りの強さに驚かれることでしょう。ここでお好みに合わせて調味料やいろいろな材料を混ぜて使います。粘りが少し強すぎると感じた場合は、少し水を足してみられても良いです。

■どんな料理に合うの？■

さて、がごめ昆布を十分で戻し、糸引かせて準備ができたら、何に使うかってことですが、調理はいたって簡単。おすすめは和え物です。私のお気に入りで代表的なものを４つあげたいと思います。

●たらこで和える

魚卵特有のプチプチ感とがごめ昆布のネバネバ感はおすすめのマッチングです。産地の漁師さんたちは、火を通したホッケやゴッコの卵で作ることもあるようです。

●納豆で和える

納豆のネバネバ感とがごめ昆布のネバネバ感。ネバネバ同士の組み合わせもなかなか良いです。ここに薬味として刻んだネギをプラスすれば、精力をつける一品としてもおすすめです。粒納豆よりひきわりのほうが、よく馴染むのでおすすめです。

●浅漬けで和える
野菜にかるく塩をふって絞り、よく混ぜれば漬け物風に。インスタントな松前漬け風食感が楽しめます。おまけに野菜の持つビタミン・ミネラル成分と相まってグッドです。白菜、きゅうり、キャベツ、かぶなんかと相性がよろしいです。

●刺し身で和える
お刺し身と合わせて少しの間おいておくと、昆布じめ風にうまみが移ります。お刺身は、タコやイカの類がよく合います。そこに刻んだ梅肉なんかを合わせると、もうたまりません。

・・・・なんだかこうして書いているうちにいてもたってもいられなくなりました。今夜の晩御飯の一品は、がごめ昆布のタコ刺和えに決まりだな。

今まで一度もがごめ昆布を食されたことのないあなた、ぜひ一度お試し下さい。きっとその食感と栄養成分の素晴らしさに虜になること間違いなしです。北海道の食材界で赤丸急上昇中のがごめ昆布をどうぞごひいきに。

＊トップ画像はまるばん斉藤さんの刻みがごめ昆布の画像をお借りしています。↓

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