最近、どうも元気がない。疲れがとれない。
・・・なんて嘆いてる方いらっしゃいませんか?
そんな方におすすめしたいのが、
「おしゃべりをしない」=沈黙の行(ぎょう)です。
東洋医学的には「腎」のエネルギーは「先天の気」といって、持って生まれた生命力の原点とみなされ、役割のひとつとして性エネルギーを受け持ちます。
野口整体でも、腎臓と生殖器は直結していると考えます。そして、口の中は生殖器と関係が深いと見るのです。
口の中でも、性器に最も近い部分があるのですが、どこかわかりますか?
・・・それは「舌」なのです。
例をあげれば、性エネルギーが盛んになってあり余ってくると、人はおしゃべりになります。これはごく日常的に見られる性のひとつの代替行為です。
ものを食べるのにもそういった側面がありますし、タバコを吸うことも、無意識に指で唇を触ってしまうこともそうやって刺激することで性の代行を果たしている場合があるのです。
子供が成長して思春期を迎えると、それまでよりおしゃべりになることがあります。これなども溢れ出してきた性エネルギーがおしゃべりという行為を通じて発散されているのです。
つまりは、おしゃべり=SEX
・・・な、わけです。
朝昼晩、のべつ幕なしにSEXしてたら、そりゃ性エネルギーだって生命エネルギーだって枯渇しちゃいますよね。それをせずにチカラを温存しようというわけです。
では、年をとってもおしゃべりな人は、どう見ると良いのでしょう?
そうです。生命エネルギーが強いとも言えますし、余剰の性エネルギーを溜め込んでいる状態とも言えます。
おしゃべり好きな芸能人といえば、ちょっと思い浮かぶだけでも・・・
ビートたけしさん、明石家さんまさん、引退した島田紳助さん、などなど、元気で性欲も盛んな印象の方が確かに多いでしょ。ある意味、余剰エネルギーに溢れた人たちと言えるのかもしれない(笑)。
人は誰でも、元気のない時は、他人とおしゃべりしませんし、したくもならないですよね。これは整体的には、舌が萎えてしまっている=生気(性器)が萎えてしまっていると見るのです。
しかし、これを逆に捉えれば、意識してしゃべらずに性エネルギーを抑制すると、相当なエネルギーを自分の内部に蓄えることができるわけです。
昔の偉い修験道の行者たちは、このことをよく知っていました。
舌の動きを止めることで、自身の性エネルギーを温存し、蓄えられたエネルギーを昇華させて宗教的な方向へ使うようにしたのです。それにより、普通の人には耐えられないような荒行を超人的な体力で克服していったのです。
こうしたしゃべらない修行のことを「沈黙行」と言います。
国は違えど、こうした考え方はインドにもありました。
一部のヨーガでは、「言葉」は、発するだけでエネルギーの垂れ流しになると考えられ、
特に、真理に通じてない言葉はなお始末が悪く、
ならば、いっそおしゃべりをやめてしまおうという無言の行があります。
・・・その名も「モウナの行」。
「黙る」ことで満ちてくるエネルギーが、私たちの心の解放を助けるのだそうです。
無駄な言葉で生命力を失うのをやめ、
不要な言葉を垂れ流しにして自分のチカラを垂れ流すのをやめ、
愛のない言葉で人のチカラを奪うのをやめると、
花や樹や数知れぬ植物たちが、
黙ってただそこに存在していることに気がつきます。
動きにおいては目立ち、存在感のある動物界が、
動きなく物言わぬ植物界によって支えられていたことに気がつき愕然とするのです。
実は無言こそがチカラであることを知るのです。
ただ、このおしゃべりを絶つ沈黙の行を行う上で、注意すべき点がひとつだけあります。
それは、あくまでも自発的に行うこと。
しゃべらないことは性エネルギーを抑制し、蓄えることにつながるけれど、自発的に行うことが大事なのです。それはどういうことかというと、自分で意識的に「しゃべらない」と決めること。積極的な意思がそこにはあります。
朝食抜きのテーマでもお話しましたが、「誰かにやらされている」とか、「我慢してやってる」という意識じゃいかんのです。こうした非自発的な意識で行うとカラダを壊します。玄米食だって然り。
一般的に修行というものは、義務のように捉えて行う人がありますが、それは間違いです。それを自発的に自分の意思で行うか否かでその成果というものは全く違ったものになるのです。
さて、そこをしっかりと理解できたあなた。
もうこれからは、どこかで無口な私を見かけたとしても機嫌が悪いなんて思わないで下さい。
そう、性エネルギーを自分の内部に蓄えているだけなのですから(笑)。
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