便利だけど怖い形状記憶シャツ

アレルギー

 

世の中には便利なものが無数にあります。トースター付き電子レンジや、Excelで仕事する人向けの計算機付きマウス、はたまた、愛車に鳥のフンを落とされるのを防止する空気で膨らむカバーなんてものまであります。

それほど奇抜な発明品じゃなくても、いつの間にか登場して暮らしの中に違和感なくスッと入り込んでしまった便利な商品というのはあります。けれど、そんな便利グッズが、実は私たちの健康に害を及ぼす可能性があったならどうでしょう?

便利を取るか?健康を取るか?そう問われたなら、あなたはどちらを取りますか?今回は、そんな悩ましい便利グッズ、「形状記憶シャツ」についての話題です。

 




 

 

あの化学物質が皮膚をただれさせる

あなたや、あなたのご家族は、今までこんな症状を体験したことはありませんか?新しく買ったシャツに袖を通してみたところ、肌がピリピリと痛み出した。得体のしれない痒みが起こる。首元がヒリヒリとして赤くなる。皮膚がただれる…。

生地をパリッと仕上げるために使用されたであろう洗濯糊に原因があるかと思い、シャツを洗ってみても不快な症状は一向に変わらない。

そんな時は、そのシャツがどんな製品であるのか一度よく確かめてみてください。もしもそのシャツに「形状記憶」あるいは「形態安定」と表記されていたとしたなら、きっと不快な症状の原因は、シャツを加工する過程で使用される化学薬品にあるかもしれません。

ホルムアルデヒドをご存知ですか?以前なら、よく壁紙や家具の合板の接着剤として使われていた薬剤ですが、シックハウスの原因となることで一時問題になりました。しかし、実はこの薬剤が形状記憶シャツにも使用されているのです!

 

形状記憶シャツの立役者ホルムアルデヒド

ホルムアルデヒドは、発がん性があるとされる化学物質です。しかし、昔から安価なため、暮らしに関わる様々な製品に使われてきました。空気中に少しずつ揮発するため、それが含まれる空気を長時間吸っていると発疹が出たり、吐き気をもよおしたりすることもあります。そして、一度カラダがこのホルムアルデヒドに過敏に反応してしまうと、形状記憶シャツに含まれる僅かな量にも反応してしまうのです。

形状記憶シャツは、洗ってもノーアイロンのままシワのない状態で着られるため、Yシャツ着用が義務付けられているサラリーマンのいる家庭に人気があります。以前は「パーマネントプレス加工」と呼ばれましたが、今は「形状記憶シャツ」という呼び名が一般的です。しかし、呼び名は変われど、現在でもそれらのシャツの多くはホルムアルデヒドを含んだ樹脂の加工剤が使用されているのです。

この樹脂が綿などの繊維と結合するとシワを伸ばす作用が生まれます。しかし、どうしても繊維と結合せずに遊離したままのホルムアルデヒドが衣服に残り、これが人体に影響を及ぼしてしまうのです。

基準値をもうけたとは言うけれど

日本の経済産業省も、一応は衣類に使用されるホルムアルデヒドの基準値を設定してはいます。シャツの場合は300ppm、上着の場合は1000ppmとしています。また、肌に直接触れる肌着の場合は、二歳児以下の乳幼児製品を使用0に、大人の下着の場合は75ppm以下としています。

しかし、以前の調査では市販されている形状記憶シャツの30%が基準値を遥かに超えていたそうです。メーカーによっては基準値以内の製品を作ろうと努力しているところもあるようですが、違反しているメーカーもまだまだ多くあります。

しかも、現在は製造の拠点を中国や東南アジアに移してしまったメーカーも多くあることから基準値に問題がないかどうかチェックすることが益々困難になっているのです。実際に消費者団体が調査した結果、輸入物のワイシャツの多くにホルムアルデヒド基準値超えの商品が見つかりました。

 

まだまだ検出される現状。私たちのニーズを変えていこう。

輸入品の問題点で言えば、先の消費者団体が行った調査によると、形状記憶という表記のない女性用のブラウスにもホルムアルデヒドが検出される例が多くありました。それは生地そのものにではなく、襟やボタンなどの部品にホルムアルデヒドが使われているためです。

また、本来は禁止されているはずの乳幼児用の帽子からもホルムアルデヒドが検出されました。私たちが思っている以上に、衣服にはホルムアルデヒドが使われているのです。

消費者の要望は際限なくメーカーに届けられ、メーカーはそれに応えようとするけれど、要求があまりに過度なものだと常軌を逸した方法を用いねばなりません。それが自然の法則を破り、人体にとって有害な商品を量産してしまうことに繋がるのです。

便利だからという理由で消費者が求めて開発された商品は形状記憶シャツだけではありません。抗菌・防臭グッズ、柔軟加工洗剤、撥水加工製品などなど…。ちょっとここらへんで消費者である私たちも、それらの商品が本当に必要なものであるのかどうか、考え直してみる時期にきています。

消費者のニーズが変われば、自然とそれらの過剰に便利なグッズは淘汰されていくに違いありません。木綿や麻など、自然な風合いを楽しめるスタイルを定番にしてできるだけ加工していない衣服を着る人が増えれば、きっと店に並ぶ商品だって変わっていきます。

それでも知らずに形状記憶シャツを買ってしまった人は、まずは洗濯をすること。ホルムアルデヒドは水に溶ける性質を持っています。データによれば、1回の洗濯によって1/3に減るそうです。しっかり洗ってから着るようにしてください。

 

 

 ⭐️ オーガニックコットンの世界三大産出国のひとつトルコ共和国で綿花栽培から紡績・製織・縫製までを一貫して行い、イタリア高級メーカーの美しいシャツ作りの技術を継承しながら製作されたオーガニックコットンシャツ。一度着たら手放せない着心地。形状記憶シャツの対局にあるMARKAWAREのスピリットがここにあります!

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