糸かけマンダラの効用とは?

お知らせ

 

あなたは神秘思想家ルドルフ・シュタイナーをご存知ですか?

オーストリア生まれのシュタイナーは、教育、芸術、医学、農業など様々な分野において人間の進化と霊的成長を促すための方法論を説いたヨーロッパの知の巨人です。その思想とアイデアは「人智学」として没後も世界中の研究者によって伝えられ、現在も人々の暮らしの中で活用されています。

 

●ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)

*画像はWikipediaから

 

かくいう私も10代の頃、書店でふと手にしたイザラ書房『シュタイナー選集』の表紙画を、当時大ファンだった横尾忠則氏が描いていたのをきっかけにシュタイナー思想にのめり込み、ずいぶんと著書を読み漁った時期がありました。

 

●イザラ書房/シュタイナー選集第7巻『オカルト生理学』

 

 

シュタイナーが関わった組織のひとつに、スイスで設立され後にドイツで広がったキリスト者共同体があります。キリスト者共同体は、人間の「自由」を活動の根本とし、頑迷な戒律や、それを絶対信じなければならないという教義を持ちません。

イエス・キリストの存在と働きをキリスト教だけに限定せずに他の宗教や精神文化の中にも見出そうとしたり、私たちが暮らすこの地球をもイエスの身体として捉え、自然界の現象を大切に扱おうとする態度がとても新鮮に映りました。

このキリスト者共同体の創立にあたって人々を導いたのがシュタイナーだったのです。私が20代の頃、シュタイナー好きが高じて、ヨーロッパ旅行の最中、キリスト者共同体の活動が盛んな本場ドイツ・ケルン在住の祭司さんのご自宅に単身押しかけたことがあります。

祭司さんは私のために時間を割いてくださって、シュタイナー思想や共同体の活動について熱く語ってくださいました。考え方の中には、東洋の思想や宗教、哲学の影響が色濃く見られ、それらが古来の西洋神秘主義と相まって壮大でまばゆいばかりの宇宙観を創造していて、まだ青年だった私は興奮せずにはいられませんでした。そんなシュタイナー思想は、今でも私自身の「生命」や「宇宙」に対する考え方の根幹をなしています。

さて、シュタイナーが最も力を入れていたテーマの一つが「教育」なのですが、そこから誕生した大変ユニークなワークの一つに「糸かけマンダラ」があります。

 





 

■糸かけマンダラとは?

シュタイナーによると、人間の心とカラダの成長には7年ごとの節目があって、0〜7歳は「意識」を育み、8〜14歳は「感情」を育み、15〜21歳は「思考」を育むと考えます。それら年齢ごとに必要なカリキュラムというのがあって、通常、糸かけマンダラもそこで体験されるもなのです。

マンダラは、漢字にすると「曼荼羅」となり、語源はサンスクリット語で「円」を意味します。古代インドにおける仏教の生命観や宇宙観を仏やサンスクリット文字などの記号を用いながら円を用いて視覚的に表現したものです。

シュタイナー教育におけるマンダラは、64本の釘が円状に打ち込まれた木の板に好きな色の糸を選んで一番下の釘に結びつけ、次はその釘から時計回りに数えて31本目の釘に引っかけ、そこからさらに新たな31本目の釘へと引っかけ、これを順に繰り返しながら最初の釘に戻ったら糸を結んで切ります。

それが終われば、今度は別な色を選んで29本目の釘に引っかけ、同じ手順で繰り返し、これを9本目に到るまで素数の数ごとに行いながら美しいマンダラへと完成させてゆくのです。

 

■シュタイナー流・数字との向き合い方

素数とは、その数自体と1でしか割ることができない数のこと。シュタイナー教育においては「数字」というのは特別な意味を持ちます。

例えば、シュタイナーは「1」という数字を「この宇宙で最も大きな数字である」と定義しました。「1」は「全て」を意味し、いくらカタチや性質の異なる存在があっても、全てを足すと「1なる全体」になるというわけです。なので、「1」以外の数字は、全てを分かち合うためにあるものと考えます。

もしもここに1個の大きなパンがあったとして、それを5人で等しく分けるとしたならどうすれば良いでしょう?それがもし5人じゃなくて6人だったなら?

・・・そんな風に考えて、1なるものから皆で等しく分け前をいただきながら、割り算、掛け算など計算を学んで行くのです。このような思考プロセスの中で、子供たちはもともと1つしかないものを、人よりもっと多く欲しがることの愚かさに気がつくかもしれません。日本の義務教育ではついぞ教えてもらうことのない面白い数字の捉え方だと思いませんか?

子供が小学校に入学してこれから数字に初めて触れるというような段階で、こんな風に数字を捉えられたならとても素敵なことですよね。しかもシュタイナー教育では、数字を一つの「美しい造形」として捉える機会も与えます。このカタチはきれいだなとか、面白いなと感じられる感性を育てることこそが大切と考えるのです。それらをしっかり体験し、味わいつくせたなら、きっと誰も数学嫌いの大人になんてならないのではと思います。

 

■優れた脳トレでもあるマンダラワーク

なので、糸かけマンダラワークも、数字そのものの持つ面白さと、造形としての美の両方が感じられるワークとなっています。

実は、その糸かけマンダラのワークショップを、明日、私たちのカフェでも行うことになりました。

数年前に私の娘が講師の緒方紀子先生から教えていただき、完成した作品をしばらくわが家のリビングに飾ってあったのですが、先日、自宅で行われたヨガ教室にご参加くださった一人のお客様の目に留まり、「私もこれをぜひ創ってみたいのです!」とご相談をいただいたのでした。

 

 

●糸かけマンダラ作品例(イメージです)

 

娘が作品を創ったのはまだ小学生の頃と記憶していますが、このワークはどんなに小さな子でも法則性と数字に親しむだけで誰もが例外なく美しいマンダラを完成させることができます。私も娘の作品を見た時、とても感動しました。と同時に、シュタイナー思想がその小さなマンダラ作品の中にしっかりと息づいていることに深い感動を覚えました。

しかもこのワークは、何も子供に向けてだけ用意されたものではありません。視覚的に美しい色彩から刺激を受けるだけでなく、数字と向き合い思考しながら完成のイメージを読み取り、指先を使うことで右脳と左脳をバランスよく活用することから、大人の脳トレや認知症対策としても大変優れています。

一色かけ終わる度ごとに現れるマンダラ。直感で次の色を選び、素数を数えて釘に糸をかける。このシンプルな作業の繰り返しの中に宇宙法則と数字の共通点を見出す面白さ。完成したマンダラには達成感と共になんとも言えない愛しさが感じられ、参加者はそのマンダラ自体が自分自身であったことを知るのです。

 

■絲かけ曼荼羅ワークショップ at Organic cafe 知恵の木

ワークショップもすでに募集定員には達していますが、本日11月19日(火)夕方までなら、ご希望の方を若干名受付させていただきます。ご興味ある方、ぜひお問い合わせください。詳細は以下の通りです。

 

●日時 11月20日(火) 10:30~12:30

●場所  オーガニックカフェ知恵の木 札幌市豊平区西岡4条14丁目4-13

●費用 材料代+お茶代  5,500円
*出来上がった作品はお持ち帰りいただき、お時間内に完成しなかった場合はご自宅での作業となります。

●持ち物 トンカチ、キリ *無い場合、お貸ししますのでお申込時にお伝えください。

●講師 緒方紀子先生

プロフィール: 教職歴35年 教育カウンセラー 曼荼羅アートインストラクター、オーラソーマプラクティショナー、フィンドホーンフラワーエッセンスプラクティショナー、アートセラピスト、エンジェルセラピスト

 

●お申し込み&お問い合わせ 011-853-5134(宮本)

 

*なお、明日11月20日(火)は上記のワークショップのため、知恵の木の開店時間を通常の11:00からではなく、12:30からと変更させていただきますのでどうぞご了承ください。

 

⭐️ 私がシュタイナーを知るきっかけとなった本。生理学をオカルト的に捉えると、なるほどこんな解釈が生まれるのか!横尾忠則作・オカルティックなデザインのインパクトと共にあの模索と青春の日々が今蘇る!私も持っているお気に入りの一冊です!!

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