口論を電話でしてはいけません

心と体

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以前、NTTの研究所所員が話していた印象深い話があります。

電話で口論すると、話がこじれることが多くなるから気をつけた方がいいですよ。この頃は携帯やスマホの普及で道を歩きながらしゃべっている人も多いけど、恋愛の別れ話なんかは絶対に歩きながら携帯電話でしない方がいい!」

なぜなら、感情が暴走しやすくなるからだというのです。

これは必ずしも科学的に証明された話ではないけれど、人間の耳や脳のメカニズムを知っていれば、ある程度頷けるところがあります。

情報というものは様々な場所からカラダに入ってくるけれど、耳から入ってくる情報は、頭を使ってあれやこれやと考えるよりも先に私たちの感情を動かし、さらにはカラダにも反射的な行動をとらせるのです。

 





 

■音は感情を伝える■

もし、あなたが道を歩いていてどこかで女性が「キャー」と叫んでいるのを耳にしたら、頭であれこれ考えるより先に「ハッ」としますよね。あるいは、先の鋭いもので金属を引っ掻いた音を聞いた時、頭でその音が何であるかを理解するより先にカラダの方が「不快」を感じ取りますよね。理屈で考える以前に、音は感情とカラダに影響を与えるものなのです。

もし、誰かと電話で話していて考え方の違いから口論になったとします。相手の声がだんだんと大きな怒鳴り声になってくる。この怒鳴り声というのは、それだけで人に生理的反応を起こさせるものなんです。

私はよく、邦画や欧米以外の映画を観ることがあります。インド映画やアラブの映画、東欧圏の映画などかなりマニアックな国々の映画です。たとえ、言葉の意味がわからない外国語のドラマを字幕なしに観ていたとしても、感情を交えた喜怒哀楽の叫びなどは言葉の意味を超えてすぐにその感情がこちらに伝わってくるのです。

 

■音は口ほどにモノを言う■

現在、携帯やスマホが驚くほどに世の中に普及して、誰もがいつでもどこでも簡単に電子メールや電話を利用できるようになりました。もう何年も公衆電話なんか使っていない、なんていう人も多いことでしょう。

でも、思ったことをすぐ伝えられるということは、案外便利なようで注意が必要です。

携帯やスマホに限らず、電話で口論すると、耳から入ってくる声が理性よりも先に感情を刺激して、怒りの気持ちを煽り、結果、収拾がつかなくなることがあるからです。

もし、実際に相手と面と向かって話ができる環境であれば、耳から聞く以外の情報やカラダの仕草、表情から伝わる雰囲気を通じて様々な情報が感情に影響を与え、理性を働かせる余裕ができるかもしれません。

もちろん、そうした他の情報がさらに怒りの感情に油を注ぐ場合もあるでしょうけれど、耳から入ってくる声の情報が怒りを加速する一方で、視覚や触覚、嗅覚などから得られた情報が怒りを緩和することの方が多いと思います。

こちらがいきり立っている場面でも、そこに自分と相手以外の他者がいることに気づいて怒るのを恥と感じたり、どこからともなく芳しい花の香りがやってきて怒りの気持ちが和んでしまったり、「まあまあ、そう怒らずに」と優しく背中をさすってくれる友人が傍にいてくれたりしても、怒りの感情はリセットされたりするものなのです。

 

■音は感情を伝える■

もともと怒りというものは、心の中に「恐怖」や「不満」「不愉快」な気分がある時に現れる感情です。

それゆえ、いつも怒っている人は、暮らしの中で絶えず「恐怖」や「不満」「不愉快」を感じている人といってもいいでしょう。そして、いつだって怒りの奥には「深い悲しみ」が存在します。

人間の中で、最も怒りをストレートに表現するのが、赤ちゃんや幼児です。なので、しょっちゅう怒ってばかりの人は、幼児から進歩していない人と思われても仕方ありません。

現に、いつもイライラしたり、怒ってばかりの人の中には、幼児期や少年期に親や周囲から充分に「愛」を与えられておらず、いつも無視されていたり、ほったらかしにされて育ったという率が高いようです。その悲しみは、親から正しく愛情をもらえなかった「悲しみ」なのです。

怒りは不愉快な気分の表れでもあるので、怒って「自分が不愉快である」と主張することで、その気分を開放しそこから遠ざかることはできます。

 

■電話では喜びを伝えたい■

・・・でも、その不愉快で如何ともしがたい感情を上手にコントロールし、自分のことも他人のことも尊重してあげられるのが大人の証拠です。

先のNTTの研究員曰く、

「別れ話のような大事な話は、電話ではしない方が良い。・・・いや逆に、もし別れたかったなら、電話で大げんかすれば、後で顔を合わせにくくなって綺麗さっぱり別れられることは保証するよ」

さて、口論は相手と会ってするか、それとも、電話でするか、それを決めるのはあなた次第です。怒りの感情に翻弄されるよりは、それを上手にコントロールしながら、喜びや好意を伝え合うために電話を利用したいと私は思います。

あなたなら、どう思いますか?

 

 

 

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