わきがと食べ物

わきが

2019.01.172016.09.04

以前、わきがについて書いたことがありました。

私たちの皮膚には汗せんが２種類あって、においのある脂肪酸を出す「アポクリン腺」と、水分や塩分を出して体温調節をするための「エクリン腺」で構成されており、わきがに関わるのはアポクリン腺であるという話。

エクリン腺は全身の皮膚にあるのだけれど、アポクリン腺はカラダの特殊な部分、例えば、脇の下とか、乳首、外陰部などのセクシャルな場所に分布していて、体臭をつくるのがこのアポクリン腺で、これは私たち人間を含めた動物にとって「異性を惹きつける道具」としての働きも持っているという内容でした。覚えてますか？

ただ、においの元となる脂肪酸をつくる材料も考えてみれば食べ物です。

昔、羊肉を常食するイスラム圏を長く旅した時に気づいたことですが、現地の人たちの体臭のにおいというのも独特でした。もちろんその匂いの元はあのクセのあるマトンやその強い個性を中和させるために用いられるスパイスであることは言うまでもありません。

■匂いの出るところで呼び名が変わります■

人間が生きて生命活動を営むためには、エネルギーを体内に取り込み、それを活動のエネルギーに転換していかなければなりません。そのプロセスで体内で発生する疲労物質や組織の分解産物、老廃物などが絶えず生み出され、体外へ排出されます。

カラダが正常に機能していれば、老廃物は肝臓や腎臓、肺などを通して残らず排出されます。ところがその処理がスムーズに進まなければその代りに目、鼻、耳、皮膚などいたるところから発散放出されるのです。

口に集中して排出が起これば、それは「口臭」となってされ、カラダ全体から排出されれば、「体臭」となり、脇の下などアポクリン腺から排出されれば「わきが」となってしまうわけです。

■治したかったら肝・腎・腸を整える■

もし、カラダから悪臭を発生させたくなかったら体内の処理能力を完全なものにするか、原因となる材料を体内に入れないようにするかのどちらかしかありません。

老廃物を処理する主役は肝臓と腎臓。肝臓により有害な代謝物や化学物質を分解・解毒したら、残った最終産物は腎臓から排出されます。ところが肝臓や腎臓の能力が下がると老廃物は他のどこかから排出しなければならなくなります。

また、腸内環境を整えておくことも重要で、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が優勢になると、腸内で有害物質が大量に作り出されて体内に吸収されてしまいます。これがカラダの余計なところから排出されて不快な臭気を撒き散らすわけです。

なので、わきがを治すにも肝・腎・腸を整え、食事はシンプルなものを摂り、少食にすることが大切です。

■わきが改善のためにお勧めしたい5大食品■

では、わきがを改善したい場合、食べ物はどのようなものを摂取すれば良いのでしょう？

そもそも体臭が、どのようなものを食べたか、あるいはどのようなものを継続して摂ってきたかによるものであることはすでに述べました。例えば、ニンニクやニラなど香味の強いものやスパイスなどの陰性の強い調味料や香辛料などを摂ると、陰性が強いために皮膚の表面に上昇してきて一過性の体臭となったり、肉食が多ければ滞積した老廃物が異臭を放つようになります。

なのでこうした食品をできるだけ控え、穀物を中心に野菜、果物、豆類、海藻などを少量ずつ摂る食習慣へと切り替えられることをお勧めします。意識して摂られると良い食品を次に5つあげたいと思います。ぜひ覚えておいて活用してみてください。

①梅干し

肉系の過食はカラダを酸性に傾けます。そんな酸性体質を改善するにはアルカリ食品。その代表が日本人の知恵の結晶「梅干し」。梅干しの成分が作用し、体内を弱アルカリの状態に近づけてくれます。ワキガ体質の人は、汗の臭いで悩む方も多いですが、梅干しは汗をサラサラにする効果もあるのでお勧めです。

②緑茶

緑茶にはカテキンが含まれ、優れた抗酸化作用を持ちます。脇の下の汗が酸化することで臭いを強くするため、カテキンの抗酸化作用を利用して臭いの抑制に繋げるわけです。

③シソ

シソもやはり抗酸化作用が高い食品です。そこにはβカロテンが多く含まれています。また古くから漢方薬としても活用されてきました。抗酸化のみならず代謝を高める効果もあるので、老廃物の酸化を抑えながら体外へ排出してくれるので利用しない手はありません。

④季節のフルーツ

代謝に必要なビタミン。その供給源として、ミカンなどの柑橘系とりんごなどの季節のフルーツや野菜を中心にして豊富で多様なビタミンをしっかり摂ること。季節に応じてフルーツを変えることもできるので飽きずに続けられます。

⑤発酵食品

日本は味噌、漬物など発酵食品の宝庫です。これらは腸内環境を整え、お腹に毒素を発生しにくくしてくれる食品です。食事の欧米化によりこうした優れた食品を取り込む機会も減ってしまいます。日本食を心がけ、発酵食品を積極的に摂るようにしましょう。

・・・いかがでしょう？