世の中にあるものは、陰と陽に分かれます。
例えば男と女、光と影、昼と夜、晴れと雨・・・
いずれも前者は陽の性質が強く、後者は陰の性質が強いと見ます。陽の性質とは中心に向かって回転する求心性のエネルギーを有し、陰の性質は逆に外へ向かう遠心性のエネルギーを有します。陽には縮める性質、下降する性質があり、陰には緩める性質、上昇する性質があります。
マクロビオティックでは、この陰陽を使ってモノやコトの状態を観察し、バランスすることを目指します。
例えば、歩き方ひとつとっても、陽性が強すぎると早歩きしがちになったり、逆に陰性が強すぎるとズルズルと足を引きずるようにして歩きがち。バランスの取れている時というのは、足の運びだってちょうど良いのです。
また、靴の前側が減るのは陽性が強く、後ろが減るのは陰性が強くて腎臓の弱りからきています。また、靴の外側が減るのは陰性が強く、内側が減るのは陽性が強すぎると見るのです。
・・・こんな風にして、モノやコトを眺めてみるのは世界が広がって楽しいです。そして、今の自分の状態を知り、バランスを取っていくのがマクロビオティックの王道。
よくマクロビオティックのコトを「規則の多い制限食」だとか「治療食」として捉える方がいらっしゃいます。確かに人が病に倒れた時にマクロビオティックの食事法で良くなったり、助かったりすることはままあることなのですが、そうした食事のみではくくれない大きな世界観やモノの見方を提供してくれるところにマクロビオティックの素敵さを感じています。
私自身は体調不良が原因でマクロビオティックを始めたわけではなく、実家が玄米菜食の家だったため、子供の頃からマクロは身近にあったのですが、本格的に興味を持ち始めたのは大人になってからのことです。
玄米を食べ始めてから自分の身のまわりに不思議なコトが起こり始めたのと、若い頃、海外で出会った魅力的な人物にマクロビオティックをしている人が多かったのがきっかけで「この世界、一体何なんだ!?」と興味を持ち、学び始めたのです。
そうして学び始めたところが、なるほどと感心するコトや感激するコトがたくさんあって、ますます好きになりました。マクロビオティックは私の世界観を広げてくれたし、何より生きるのを楽にしてくれました。年々歳は取っていくけれど、心もカラダもマクロビオティックを生活に取り入れる前よりもずっと気持ち良いと感じることが多いし、何より楽しいです。
そんな「楽しさ」を人さまにお伝えしたいと思い、こうしてブログに書いたり、パートナーと一緒に10年以上もカフェ活動をしているわけです。
よく人から、「マクロビオティックって窮屈なものだと思っていたけれど、noahnoahさんはずいぶん楽しそうになさってますね」と言われることがあります。その時、私の頭の中は「?」となります。モノの見方は人それぞれに違うと思うのですが、あまりにマクロビオティックを難しいモノとして捉え、伝える人が多いせいなのか、その本質的な楽しさが十分世間に伝わっていないのじゃないかと思うのです。あと、マクロビオティックを長く続けてかえって体調を崩したという人に時々出会いますが、その時も私の頭の中は「?」となります。
先に述べたように、マクロビオティック自体は、陰陽という物差しを使って自分の状態を知り、バランスをとって中庸を目指す道なのです。言ってみれば、その時々の環境の変化に臨機応変に対応していく方法。なのに、本など読んで自分の中にマニュアルを作り、そこからはみ出さないようにしてがんじがらめになって体調を崩してしまう方がいらっしゃる。あげく、「だからマクロは危険だ!」なんてことを言いだしたりして、これじゃ文字どおり本末転倒というものです。本を読んだ末、転んで倒れちゃいけません。知識は自由になるために必要なものなのです。
マクロビオティックは決して危険思想でも、危険な食事法でもありません。ちゃんと理解して活用すれば、大変役に立つし、生きることを楽に楽しくするものなのです。例えば、ごぼう。
マクロビオティックでは、ごぼうを陽性な野菜と見ます。しかし、陽性ではあるけれど、陰性な臭み=アクも持っています。これをいかにバランスのとれたものにするかを考えた場合、甘い香りがするまで炒めることによってバランスを取ろうとします。しかも、この場合、「油」を使って炒めないと理想とする甘さは出てこないのです。さらには、水を加えて煮ると、動物性食品のような味へと変化し、これこそがごぼうの強い陽性さの表れであると見るのです。
普通、日本料理でも、ごぼうのアク抜きは水にさらすのが常識だと思います。しかし、マクロビオティックでは水にさらしません。なぜなら、水にさらすとせっかくのごぼうが持っている旨味も栄養分も逃げてしまう上、水の陰性によって、ごぼうの持ち味である陽性が抜け出てしまうと考えるからです。
・・・では、どうするのか?
煎った玄米と一緒に下茹でするとか、梅干しを使って煮るという方法をとります。がぜん、こちらの方がごぼうらしさが出ていて旨いのです!こうしたことを知って、ごぼうと向き合う人生ってなんだか楽しそうだと思いませんか?
私にとってはこれがマクロビオティック。日本中の人々がこうしたマクロの知恵を活用して日々の調理と向き合うと、お料理がさらに楽しくなり、家庭料理がさらに美味しくなるのです。
こうした知恵は、なにも料理に限ったことではありません。例えば、夜眠れないなんていう人。
マクロビオティック的に言えば、眠れない人にも陰性と陽性の2タイプあります。一つは、細かいことが気になって眠れない人は陰性過多。こんな時は、陽性なごま塩を番茶に入れて飲むと良いです。もう一つは、逆に頭が冴えて興奮して眠れない人、これは陽性過多。こんな時は動物性食品や塩気の多いものを控え、次にお伝えするしいたけスープを試されると良いでしょう。
<しいたけスープ>
材料:
干ししいたけ(天日乾燥)中4〜5枚
醤油 大さじ1〜2杯
水 3カップ
作り方:
①鍋に水と干ししいたけを入れ、蓋をせず強火にかける
②沸騰したら中火にし、煮詰める。
③しばらくして2/3~半分ほどの量になったらしいたけを取り出し、醤油を加え煮込む。
また、人間というものはちゃんと熟睡できていれば、夢なんて意識しないもの。熟睡できているのは、陽性の状態。ところが食べ過ぎて(=カラダが緩むと)しまうと陰性に傾き、熟睡できずに夢を見てしまい、目覚めてからもその記憶があるのです。また、睡眠時間も食べ過ぎると長くなり、よく噛んで少食にすれば短い時間ですみます。疲労の回復にそれほど時間がかからないで良くなるのです。
恥ずかしながら私も最近、寝ていて夢を見ることが多くあり、「そういえばこの頃食べ過ぎていたな」と反省し、食べる量を減らしてみたところ、ぴたりと夢を見なくなりました。カラダは正直なものです。でも、こんなこと学校でも、テレビでも教えてはくれません。これはマクロビオティックが教えてくれた暮らしの知恵なのです。
どうですか?何も窮屈なことではないでしょう?
世界には様々な健康法や食事法があるけれど、マクロビオティックほどシンプルで、それでいて奥深く、あらゆる分野に応用できる哲学や生活法にもなる思想はないのじゃないかと思います。あなたもぜひ、私と一緒に学び遊んでみませんか?
⭐️ あなたの人生を変えうる力を持った本です。今までこの本に出会って人生が変わったという人に3人出会いました。マクロビオティックの提唱者、故・桜沢如一先生が書かれた渾身の一冊。すごい日本人がいたものです。あなたもぜひ一度はまってみて下さい!
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