「アート」が人間に与える驚きの影響と今週末始まるアート展の話


あなたは、日常生活で絵を描いたり、音楽を奏でたり、いわゆる「アート=芸術」に関わる行為をする習慣がありますか?

アートとは絵画、彫刻、陶芸、音楽、ダンスなどを含むすべての表現行為を指します。

もしかしたら、そうしたアートは一部の才能豊かな人にだけ許された「特技」のように思ったりしてませんか?

時々、人と話していて感じることなのですが、この国ではアートというものがいつの頃からか妙に敷居の高いものになっているのではないか。

それって、実に残念なことです。

なぜなら、アートほど暮らしの身近にあって、私たちの心やカラダに良い影響を及ぼすものはないのですから・・・


■アートが人を幸せへと導く

現在、アートを活用して人間の健康を増進させようという取り組みが世界中に広がっています。

以前、私が訪れたデンマークでは、学校や図書館、病院に至るまであらゆる公的施設には必ずといって良いほど絵画や彫刻などのアートが設置され、週末には多くの国民が余暇を過ごしに美術館を訪れていました。

またデンマークを含む北欧諸国では長く暗い冬を乗り切るため、長い歴史の中でアートと関わる暮らしが深く根付いていて、それゆえ工芸、家具、デザイン、テキスタイルなどの分野で優れた作品が日々生み出されています。

こうしたアートが医療に活用されれば、患者やその家族はもちろんのこと、そこで勤務する医師や看護師、お見舞いに訪れる人々にまで高揚した気持ちや幸福感がもたらされるのは想像に難くありません。

■医療現場で実証されたアートの効果

実際、イギリスのある病院では、施設に意識的にアートを導入したことで、患者さんの当初予定していた入院日数が大幅に短縮したり、鎮痛剤や消炎剤など薬剤の使用量が抑えられたり、認知症の症状が改善された例があります。

具体的にいえば、救急医療の病室で天井に気球を描いたイラストを施したり、壁に動物の絵柄を用いたりするのですが、それらを眺めることによって人々の治療に対する不安が和らぎ、実に患者の87%がそれらによって「痛みが軽減した」と感じたとの研究データもあります。

治療時間の短縮という例では、通常7分かかっていた採血に要する時間が、半分の3分以下にまで短縮されたケースもあり、アートは心理的な面だけでなくカラダにとっても確実に作用するものであることが証明されているのです。

■アートセラピーによってもたらされるもの

さらには、アートは末期ガンなど終末期医療の現場でも用いられています。その場合、患者は鑑賞するだけでなく、創作する側になります。

専門教育を受けたセラピストやアーティストが患者に寄り添い、ともに創作活動を行うのです。それにより患者は病気の不安を減らし、人生に安らぎと希望を見出します。こうしたメソッドは、「アートセラピー」と呼ばれます。

アートはもともと言葉では伝えられないものを表現する手段として発展してきました。ゆえにアートセラピーによって、人は自分でも気づかなかった「感情」と出会うことができます。

喜びや楽しさなどのポジティブな感情のみならず、不安や悲しみ、寂しさなどのネガティブな感情も含めて見つめ直すことになり、それが失われていた自己を取り戻し心身ともに良い変化をもたらすきっかけを与えてくれるのです。

■アートセラピーの4つの効用

アートセラピーを行うことにより、私たちが受け取ることのできる恩恵には計り知れないものがありますが、その効用としてあげられるものには大きく次の4つがあります。

①内に秘められた感情を解放する

絵を描いたり粘土をこねたり、思うままに表現する行為によって長い間心の内に秘められていた言葉にできない感情が、外へと発散・昇華され、解放されていきます。これが心理的な浄化=カタルシスを生み、人をさらなる創造へとかき立ててくれるのです。

②思考の整理をする

極端に高度化された現代的な生活の中で、私たちは誰もが何かしらのストレスを抱えています。それにより思考が混乱し、生きる目的を失ってしまう人も多くあります。しかし、それを色やカタチを用いて可視化・記号化して表現することで思考が整理され、本当に大切なものを見つけられるようになります。

③感覚的な刺激を与える

手で感じる粘土の感触、紙の上を滑るクレヨンの柔らかな質感、重なり合う美しい色彩・・・アートはさまざまな素材を通じて私たちを感覚的に刺激します。五感を通じた刺激が私たちの心の内に眠る童心を蘇らせ、生きる意欲をも鼓舞するのです。

④脳のバランスを取る

脳科学において右脳は感情・創造を担当し、左脳は論理・言語を担当していることは知られています。しかし、現代社会はさまざまな知識と情報に溢れ、左脳ばかりを過度に使う場面が多いもの。それでは真にリラックスすることができません。アートは逆に右脳を活性化し、脳のバランスを取り、心が本来のゆとりを取り戻すのに大変有効なのです。

■アート本来の意味を知る

アートが私たちの心身にどれほど良い影響を与えるものであるかお分りいただけたことと思います。しかし、冒頭に述べたように巷では敷居の高いものと思われている方がまだまだ多いです。なぜでしょう?

・・・原因は、日本の美術教育にあると思います。

私たちは子どもの頃から学校教育の中で点数をつけられ評価されて大人になります。芸術の世界において確かに技術的な上手下手というのはありますが、そもそも「表現」とはその人自身の生きていることの証であり、一人ひとりの表現は他者と比べられるものではありません。

言葉にできない内側の感情を創造力を用いて文字通り「表に現す行為」、それが表現でありアートなのです。

誰もが他者とは異なる心の様相を抱えて毎日を生きています。それは評価される対象とはなり得ません。表現とは呼吸のようなものであり、その人自身であるからです。

しかし、美術で低い評価を受けた子どもはまるで自分自身を否定されたように感じます。そして早いうちから美術に対して苦手意識を持ち、アートを鑑賞する楽しささえも放棄します。かくしてこの国にアート嫌いな大人が大量に出来上がるわけです。

表現する喜びを知る以前に、評価によって自己否定を強める傾向のある現在の日本の美術教育はとても残念でなりません。今こそ誰もが技術的な面よりも心とのつながりをより重視してアートと親しみ、暮らしに活用できるような試みがこの国にも必要と感じています。

■今週末、知恵の木でアート展がはじまります!

さて、あなたも身近なところからアートに触れる機会を持ってみませんか?

実は私がディレクターを務めるオーガニック・カフェ知恵の木で2月9日(土)からアート展がはじまります。題して「Hashimoto Aiko アート展・time〜束の間の時間」。

昨年、あるお客様がお友だちを連れてカフェへ食事に来られました。そのお友だちというのが Hashimoto Aikoさん。札幌在住のイラストレーターです。

Aikoさんはその時、ご自身の作品集を持って来られたのですが、私はそこに描かれたファンタジックな世界に魅了されました。

まるで童話の一場面のような物語性と愛らしさを秘めた描線、淡く紙面に幾重にもにじむ色彩・・・、いつの間にか私は目くるめく彼女の作品世界の住人になっていました。

「なぜこうも惹かれるのだろう?」

しばらくして、どの作品にも「旅」のエッセンスが含まれていることに気がつきました。若い頃、長く海外を旅していた私でしたが、彼女の絵には「旅人」が異国で感じる空気や気分が丁寧に織り込まれているのです。

聞けば、彼女も旅が大好きとのこと。けれど、海外にはあまり行ったことがなく、心の中で生じる異国への憧れのようなものを作品を通して表現されているとのことでした。

■あなたの大切なものを思い出してください

Aikoさんの作風を言葉で表現するなら、「Natural & Organic」。これは私たち知恵の木のコンセプトにぴったりです。

幼い頃から絵画に親しんでいた彼女は、画家である酒井芳元氏から水彩画・油彩画の教えを受け、地元のデザインの専門学校に学んだ後、会社勤務の傍ら創作活動に励み、現在の作風を完成されました。

そんなAikoさんの作品を2月9日(土)から23日(土)にわたり知恵の木の壁面スペースに展示いたします。

今、手元に彼女が私にプレゼントしてくれた1枚のポスト・カードがあります。少年が毛布にくるまり、夜の木陰でランプを灯し星空を眺めているステキな作品です。

●Hashimoto Aiko「森のとばりのひととき」

何を隠そう私も子供の頃からアートが大好きでした。小学生の頃は漫画家を目指し、中学生の頃はイラストレーターを目指し、高校生の頃は美術工芸家を目指し芸大受験するも力足らず不合格の苦汁をなめました。

結果、挫折して進路変更。現在は治療家を生業としているわけですが、彼女のポストカードを見ると若い頃の夢を思い出します。しかも、仕事があるがゆえ長い旅に出られないストレスがこの絵を見るといつの間にか薄まって、描かれた風景の中に私の意識がすっぽりと包まれてしまうのです。

表現はその人自身です。彼女はきっと孤独を愛し、それを包み込むやさしさを持ち合わせた女性に違いない。それは、私も孤独を知る人間なのでわかります。

アートはセラピーであり、それをさりげなく作品を通じて他者に提供できる彼女は間違いなく優れたセラピストである、私はそう直感しました。

あなたもぜひ彼女のアートに触れてみてください。心の中にある大切なものをきっと思い出すはずです。週末は知恵の木へ。あなたのお越しをお待ちしています。

Hashimoto Aiko アート展・time〜束の間の時間

日時:2月9日(土)〜2月23日(土)11:00~17:00
会場:Organic cafe 知恵の木 札幌市豊平区福住1条6丁目11-10

*入場無料


お問い合わせは
☎︎011-853-5134(Organic cafe 知恵の木・宮本)

*Hashimoto Aikoさんのホームページ

https://aiko-bblc.jimdo.com/

*ブログも文章が雰囲気あってお上手です!

http://aaaa9972.blog.fc2.com/

⭐️内容はプロのセラピスト向けであるけれど、書かれている原理を学んでセルフセラピーのテキストとして用いることもできる本。 アートは他人に評価されるものにあらず、自分自身を大きく成長させるツールであることに改めて気づかされます!

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