ある著名な作家が笑って発見した意外な事実!

マクロビオティック

この世のモノゴトというものは、実は意外なところでつながっています。全ての出来事は、はじめに「原因」があり、それが「縁」によって結ばれ、「結果」を生み出します。

仏教では、こうした存在のあり方やしくみを理解するもとになるものを「縁起(えんぎ)」といいます。

一見関係ないように見えるモノゴトだって、全ては「縁起」によりつながっているのです。

例えば、「笑い」と「治癒力」

長い間、これらは互いに関連のないものとして捉えられてきました。しかし、「笑うこと」が健康に良いことは、今ではすでに常識にとなっています。そもそもそうしたことが知られるようになった発端は、一人の著名なアメリカ人作家、ノーマン・カズンズ氏の体験によります。

 

 

■カズンズ氏が試みた実験

カズンズ氏は日本にも大変ゆかりのある人物です。終戦後、ジャーナリストとして原爆投下後の広島を取材した彼は、その悲惨な状況に強い衝撃を受け、アメリカの行った非人間的行為を全世界に訴える活動を行いました。

それにより世界中から多くの寄付が集まり、戦争孤児の里親をお世話したり、重度の被爆者をアメリカ本国に輸送して治療を受けさせることができました。この功績により彼は広島市名誉市民の称号を与えられました。

そんなカズンズ氏が60年代に当時の人気雑誌『サタデー・レビュー』の編集長として活躍していた頃、突然膠原病にかかり、全身耐えられないほどの痛みに苦しまされました。医師が言うには彼の膠原病が改善する確率は「わずか500分の1」とのこと。

しかし、ある人から「否定的な感情はカラダにとって毒になる」という話を聞き、実験精神旺盛な彼は「ならば、逆に好ましい肯定的な感情は薬になるのではないか?」と考えました。

そして、映写機を手に入れ、チャップリンの喜劇映画を夜通し鑑賞したり、腹を抱えて笑ってしまうようなユーモア小説を連日読み漁ってみたのです。

すると、彼は「ある意外な事実」を発見しました。

■治療に「笑い」を取り入れた結果起こったこと

カズンズ氏が発見した「意外な事実」とは、あれほど苦しまされたはずの全身の痛みが、なんと10分間笑い続けるだけで、少なくともその後2時間は全く痛みを感じず、ぐっすりと眠ることができたのです。

そこで彼は主治医に相談して、治療プログラムの中に「笑い」の要素を組み入れてもらったのです。すると、病状はみるみる快方へと向かい、その後17年以上もの長きにわたり一度も再発することなく元気に過ごせるようになったというのです。

●ノーマン・カズンズ氏 (1915〜1990)
注)鼻はご本人のものではありません。
https://www.vidapositiva.com/Norman-Cousins-o-la-voluntad-de-vivir

カズンズ氏曰く、「笑うことは体内のジョギングである」

それは、腹を抱えて大笑いすることで体内のあらゆる内臓や諸器官が運動することになり血の巡りが良くなるから。さらには、免疫力が高まり、病気に対する抵抗力や治癒力も同時に高まるから。

■吉本の笑いが証明した事実

その後、この事実を受けて各国の医療機関がこぞって「笑い」の持つ可能性を研究し始めるようになります。

日本でも医療チームがあの笑いの殿堂・吉本興業に協力を要請して笑いと治癒力の関係性について実験したのをご存知の方も多くいらっしゃることでしょう。その実験とは次のようなものです。

大阪のなんばグランド花月に19人の被験者を募り、3時間にわたって漫才やコント、新喜劇を見せてその前後で血液成分がどのように変化するかを測定しました。

その結果、ガン細胞を破壊する働きを持つキラー細胞が増加するのが確かめられました。さらにヘルパーT細胞とサプレッサーT細胞の比率(この比率でガンに対する抵抗力が分かります)も測定したところ、低すぎる人は高くなり、高すぎる人は正常値に整えられることが分かりました。

ほかにも女性の関節リウマチ患者の炎症を悪化させる物質の値が、落語を聞く前後で大きく減っていることも確認されました。

つまり、笑いは治癒力を高めることが科学的に証明されたのです!

一見関係なさそうな「笑い」と「治癒力」がつながっていたことがカズンズ氏によって証明されたわけですが、これに加えて実は「マクロビオティック」も縁起によってつながってくるのです。

■カズンズ氏とマクロビオティックのつながり

マクロビオティックの提唱者である桜沢如一先生は、戦後、食養運動とともに「人類はもう二度と悲惨な戦争を繰り返してはいけない」との思いから平和活動に尽力していました。そして、その活動を通して、広島を訪れていたカズンズ氏と出会い、二人は意気投合します。

その頃、桜沢先生は将来有望な日本の若者たちを海外に研修生として送り出し、見聞を広めて後のリーダーにするための支援が必要と考えていました。そしてある時、国際平和について研究する一人の青年のアメリカでの身元引受け人をカズンズ氏に依頼します。

当時はまだ米国の占領下で一般人の海外渡航は自由にできず、アメリカまでは船を使うほかなく、日本円も国外に持ち出すことができません。しかし、カズンズ氏が資金面でも協力し保証人となってくれたことでその青年はビザを取得し、無事渡米することができたのです。

その青年こそが、後にボストンを拠点にマクロビオティックを世界中に広め、ジョン・レノン&オノ・ヨーコ夫妻やマドンナをはじめ、各国の有力者や要人たちに伝えた久司道夫先生だったのです。

なので、マクロビオティックが世界中に広まった背景にはこのノーマン・カズンズ氏の存在があったというわけなのです。

■この世から争いをなくすには?

ちなみにアメリカに渡った久司青年ですが、はじめはニューヨークで皿洗いのアルバイトをしながらコロンビア大学・大学院の国際政治学を学びました。

しかし、英語の授業がさっぱり分らないことから図書館にこもり、「世界平和」について書かれた古今東西の思想について文献を調べまくりました。

そこで、アメリカ議会では「世界を平和にするためには最終的に世界政府の建設が必須である」という決議が何度も出されていたことを知ります。

けれどもその時、久司青年はこう思いました。「もし世界政府ができたとしても、根本的に人間の争いはなくならないのではないか?人間が争うことの根っこには人間性の問題があるのではないか?」

そして、原因が人間性の問題だとしたならば、人間そのものを良くしなければこの世から争いはなくならないという結論に達したのでした。

そこで、彼は、人間の本質を見つめ直すために大学院の授業を一度脇に押しやって、ニューヨークの五番街に立ち、来る日も来る日も通りを行き交う人々を観察し始めたのです。

 
■人間を平和的に改造する食べ物

 肌も目の色も異なるニューヨーカーが次々と通り過ぎるストリートで久司青年は人々を観察しながら「ある重要なこと」に気がつきました。

それは、人間というものはたとえ人種が違ってもその性質を決定する二つの決まった条件があること。

条件とは、第一に「環境」、第二に「食物」。人間は他の生物と同じように、まず環境によって支配され、それから毎日食べているものが血液や細胞に転換していき、個を創り出します。

ならば、もしも人類の人間性を平和的に改造するためにはどんな食べ物を食べれば良いかということになりますが、突き詰めて考えた結果、久司青年はそれは「穀物」であると結論しました。

 

■全ては「縁起」でつながっている

穀物を採集する農業は、当時の学説では約1万年前に始まったとされていたのですが、彼は人類が誕生して間もない時期にはすでに穀物食が始まっていたのではないかと考えました。

その後の研究でそれは実証されました。アフリカの発掘調査でなんと人類は100万年以上も前から穀物を食べてきたという痕跡が多く見つかったのです。

結果、穀物を主にして火を使い、料理をするようになったことから人間の大脳が急速に発達した事実を知ることとなります。

そこで、人間本来の健康やものの考え方を維持・発展させるためには、やはり一定の食べ物が必要であり、それは穀物を中心にした食体系であり、古来、日本で伝統的に守られてきた食体系であるということに気がついたのでした。

つまり、若かりし頃の久司先生は、一見関係ないように見える「世界平和」と「食」を「マクロビオティック」という縁起で結びつけたのでした。

マクロビオティックをただの玄米菜食法として捉えられる方がまだまだ世の中には多いですが、その本願は、食を整え、自然と調和した世界を創造することにあります。これはもう単に「自分だけが健康になれば良い」という食事法ではないのです。

・・・「笑い」と「治癒力」から連想して、随分と長い文章になってしまいました(笑)。

しかし、笑いの効用はなにも治癒力を高めるだけではありません。最後に笑いがもたらすほかの利点についてもまとめ、このテーマを終わりにしたいと思います。

 

■笑いがもたらすそのほかの利点

①血行が良くなる

人が笑った時の呼吸は、深呼吸や腹式呼吸と同じように体内に十分な酸素を取り込み、血行が良くなります。

②記憶力が良くなり、脳の働きも良くなる

笑うと記憶に関わる脳の海馬の容量が増えて記憶力がアップし、リラックスをもたらすα波も増え、大脳新皮質に流れる血液が促進され脳の働きが良くなります。

③自律神経が整う

自律神経は、交感神経と副交感神経によって成り立ちますが、これらのバランスが崩れると体調不良をもたらします。昼間活動する時は交感神経が優位なのですが、笑うと副交感神経が優位となり、これら相互のスイッチが盛んに切り替わることにより自律神経のバランスが整います。

④美人になる

笑うことで、普段使うことの少ない腹筋や横隔膜、肋間筋、それに豊かな表情を作り出す顔の表情筋をよく動かすことになるので、愛らしくて笑顔の美しい人になります。私たち男性というのは、笑顔美人が大好きです。あなたが笑顔になるだけで、周りの人をハッピーにし、世の中を明るくします。

⑤幸せになる

笑うと、人に幸福感をもたらすといわれる脳内ホルモンのエンドルフィンが盛んに分泌されます。それによって人は孤独を忘れ、他者との一体感を取り戻します。

 

 ・・・いかがでしたか?

この世における全ての存在は何らかのかたちで他者と密接に関わり、互いに影響を及ぼし合っているのがお分りいただけましたか。それが「縁起」なのです。

すなわち、あなたが元気で微笑むと、周りの人たちも元気になって笑顔が溢れてくるのです。

これからもあなたのかけがえのない人生が、たくさんの良い縁起によって幸せへと導かれますように。

 

 

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