人間というものを考えた時、宇宙の存在は切り離すことができません。私自身、マクロビオティックスの考え方に出会ってから、自分と周囲の環境、そして宇宙との関わりを考えながら、日々いただく食べ物を選び、思考し、行動するようになりました。
今は亡き師、久司道夫先生は生前、こう言われました。
「人間が自分の食べ物を管理できるようになることは、無限についての記憶を拡大することなんだ。記憶の中の無限が広がると、夢もまた限りなく発展するよ。人間の身体は小さいけれど、精神の海は時間と空間を越えて果てしない。それは、始まりのない始まりへと浸透し、終わりなき終わりを抱擁するんだよ」
無限の宇宙の中に、無限の宇宙秩序の証として生まれた私たち人間は、宇宙にあるあらゆるものを摂取して生きています。それはこの地球上に現れた生物の進化の過程を表すかのようにプログラムされています。
地上に初めて登場した生物が海から生まれ、そして陸へと活動の舞台を次第に変化させていったように、私たち人間もまず第一に母の胎内で羊水という名の海に浸かり、そこから水とミネラルを摂取し、母の食べたあらゆる生物の生命を摂取して成長します。そして、出産した後は、呼吸器官と皮膚表面の呼吸によってこの地球を取り巻く大気を食べ始めるのです。
食べ物というと、私たちは目に見える食物ばかりイメージしがちですが、私はマクロビオティックスに出会って、食べ物とはそれだけではないことをしりました。それは何か?
母の胎内を離れ、この世に誕生した私たちが摂取するのは、地球の大気ばかりではありません。この空間には、長波から短波、高周波から低周波に至るまであらゆる種類の電磁波が存在しています。これらは目に見えずとも、それぞれ固有の周波数で振動しています。
マクロビオティックスでは、これらも人間にとっての「食べ物」であると定義しているのです。これらの振動を、感覚器とカラダ全体を使って、日々食べているのである、と。
この考えはとても新鮮、かつ進歩的なものでした。私はこの考えに触れてから知覚する世界が大きく変わりました。私たちの触覚は固体の振動を捉え、味覚は液体の振動を捉え、嗅覚は気体の振動を捉え、聴覚は大気中の振動を捉え、視覚は光の振動=波を捉えている。これらは皆、感覚的な食べ物であるのだと。
現在、最先端の科学分野である量子の世界では、全ての物質の本体は振動=波であることが分かっています。マクロビオティックでは、かなり早い段階でそのことを伝えてくれていたのです。
人間はこの五感を通じて、至る所から絶え間なくやって来る放射線や振動=波を感じ取っています。その中には、きっと種々の宇宙線を含め、何千億光年も離れた場所から来る振動もあるでしょう。
東洋医学で考えられている「経絡」も、これら外部からやって来る振動=波をカラダの表面が受けとめ、その一部を新たな電磁波へと転換して胎内に循環させることによって生じる通路なのではないかと考えられます。それが五臓六腑と皮膚表面のツボと間を連絡しながら全身を廻ります。
この電磁波という振動によって、何兆もの細胞や腺、組織や器官、そしてカラダ全身が充電されて、私たちは動き、消化し、呼吸し、排泄し、思考します。あぁ、何という壮大な生命システムが私たち自身の内に、外に、働いていることでしょう!
穀物、野菜、肉、魚、乳製品などなど…。目に見える食べ物や大気などの元素を含む気体を「物質的食物」としたならば、先に挙げた振動、波、放射線や種々の光線などの電磁波は、目に見えない「精神的食物」と言えるでしょう。
目に見える物質的食物は、一定の時間をおいて摂取したり休んだりしながら意識的に摂りますが、目に見えない精神的食物は人間がこの世に生まれてから死ぬまで休むことなく連続的に摂取し続けています。言い換えれば、物質的食物の摂取量は限定されますが、精神的食物は無限に摂取され続けるということになります。
これら異なる2つの食物は、互いに対立し合ったり、また時には補い合ったりしながら存在します。これがマクロビオティックスの言う「陰陽」の関係。実は、この陰陽のバランスが、私たちの心とカラダに多大な影響を与えることになるのです。それがどんな影響なのかについては次回にお話したいと思います。
⭐️ 20代の頃に読んで深い感銘を受けた久司先生のご著書。食べ物はカラダをつくる物のみにあらず。思想をつくり、行動をつくり、結果、現在の地球の状態を創る。もしも真の平和と繁栄を望むなら、それは私たちの毎日の食卓から始まる。
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