「糖」は私たち人間にとって永遠のテーマです。
私たちの活動を司る大切なエネルギーであると同時に、
摂り過ぎれば、不健康と不幸を創り出す元ともなってしまう。
80年代にアメリカ・バージニア州の少年院で、
行われていたある実験があります。
収容されている若者たちに、
高糖食と抵糖食の二つを食べさせてみて、
それにより、院内での暴力行為が
どう変化するかをみたのです。
結果、分かったことは、
低糖、もしくは無糖の食事を食べさせると
暴力行為がはっきりと減少すること。
なんと3ヶ月間で、深刻な問題行動が80%、
粗暴な行動が55%減少したというのです。
脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖です。
糖分そのものは、脳にとって必要なのは事実です。
大脳の「辺縁系」は感情を司り、
「皮質」は理性を司るのですが、
ブドウ糖が不足した状態では、
いつも辺縁系が勝っています。
白砂糖を摂りすぎるのが習慣になると、
血糖を下げるためのインシュリンが
大量放出されて、血糖が乱高下し、
脳の辺縁系は手に入るブドウ糖を
むさぼるように代謝します。
この時、体内ではアドレナリンや
ノルアドレナリンが放出されます。
そのため、感情的なふるまいが、支配的になり、
理性的なふるまいを退けてしまうのです。
アドレナリンは、別名「攻撃ホルモン」
とも呼ばれ、分泌されるとイライラしたり、
怒りっぽくなります。
また、ノルアドレナリンの分泌は、
不安感や恐怖感が増すなど、
発作的・衝動的感情が増して情緒的問題を
創り出す要因となります。
こうして白砂糖の過食が
暴力と結びつくことは、
生理学的に説明がつくのです。
本来、脳のためには、
一定の血糖値が保たれる必要があります。
世界にはさまざまな民族が存在しますが、
その多くが穀物を主食としています。
穀物の主成分はデンプンで、
このデンプンは、
徐々に分解されてブドウ糖に変化し、
ゆっくりと脳の栄養源になります。
結果として一定の血糖値を保ちやすく、
変化が急激じゃないので、
カラダへの負担が少なくてすむのです。
栄養学などない昔から、
人類が穀物を主食にしてきたのは、自然の摂理で、
人間の生存本能による発見だったのかも知れません。
ところが産業革命以降、
大量に生産され出した精白糖=白砂糖は、
その便利さと大衆のニーズから、
瞬く間に世界中に広がりました。
そして、その大量消費は、私たちのカラダに
血糖の急激な変化をもたらし、
低血糖症や糖尿病のリスクを高める
原因となって、現在に至っています。
もしかしたら、
「白砂糖の大量消費」は、
単に病気や暴力と関係しているだけでなく
現代人の心とカラダに深く作用して、
社会のさまざまな問題と
密接に結びついているのではないか?
・・・そんなこんなを考えていたおり、
先日、ある人物から「糖について話してくれないか?」
との依頼を受けました。
大勢の聴衆の前で、
しかも「糖と性愛」というお題で話してほしいというのです。
「糖と性愛?んなもの関係がありますかいなぁ?
なんも関係あらへんがなぁ」
関西弁混じりにそう言って、一度は依頼を断ろうとしたものの、相手は
「性愛にかけては専門じゃないですか。ぜひお願いします」と言って譲りません。
結果、来月ある場所で講義をすることにあいなりました。
講義タイトルは「スウィーツと性愛と人生の極意」。
その詳細については次回、お伝えしたいと思います。
★本のタイトル通り白砂糖をやめるだけで良くなるものが数多くあります。けれども、甘いものってなかなか断ちがたいですよね。ではそんな甘いものとどう付き合ったら良いのか。その答えは講義でお話ししようと思います。
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