「色」には不思議な力があります。
例えば、赤なら血流を促進して血圧を上げたり、青なら抑制して血圧を下げたり、色が人の心身に対して影響を与える力をもつことも知られています。現に私自身も治療家として「色」を使って治療しています。その人に必要な色紙をちょいとツボに貼るだけで、うまくいけば肩コリや腰痛が楽になったりするのです。
世の中に存在する美しい色の数々。赤、青、黄色、白、黒、緑、ピンク色・・・あなたは何色が好きですか?
もしも、何色が好きか答えるだけで性格が当てられたりしたらびっくりしませんか?
今回はそんなお話です。
スイスの有名な心理学者にマックス・リュッシャーという博士がいます。(日本ではルッシャー博士と表記する場合が多いかも)なぜリュッシャー博士が有名なのかというと、色と心の関係性や法則を見つけ、人々の心理状態を知る手がかりとなる「ある方法」を発明したからです。その方法とは「リュッシャー・カラーテスト」として世界的に知られています。
このテストは被験者の精神状態が実に良くわかるため、別名「心の体温計」とも呼ばれています。
●マックス・リュッシャー博士(1923〜 )
「リュッシャー・カラーテスト」の方法についてですが、とても簡単です。8色ある色の中から被験者に、ただ順番に好きな色を選んでもらうだけ。色によって、その人の潜在意識や性格などを判定することができるのです。このテストからわかることは、人は好きな色には願望や欲求を、嫌いな色には過去の経験を投影し、そしてどちらでもない色の場合は現在の状態を投影しているということだったのです。
色については、私も治療で使用するツールゆえ、今まで様々なことを調べてきました。
色が人間の心にも影響を与えることを西洋人として初めて発見したのは、これまた有名なドイツの文豪・ゲーテでした。ゲーテは1810年に出版された『色彩論』において、私たち人間が色に対してどのような感情を持つかについて深く観察し、その性質について述べています。
●ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749〜1832 )
例えば、黄色ならば「明るく、強く、熱く、近く」感じる性質を持っており、反対に青ならば「暗く、弱く、冷たく、遠く」感じる性質を持っていてこれら2色の関係は「補色」としてお互いを補い合う組み合わせとして定義しました。このゲーテの色彩論は当時の芸術家や建築家にも大きく影響を与え、そこから優れた芸術や建築が生まれるきっかけとなりました。
その後、マックス・リュッシャー博士が登場し、色の好みによってその人の心理が投影されていることを発見、独自の色彩心理テストを発明して西洋における色彩学はさらに大きく発展した、私はそう捉えています。少し前に流行したオーラソーマなどの色彩テラピーもそうした流れの延長線上に存在するわけです。
しかし、これさえも心の奥には「所属している集団や職業的イメージから逸脱したくない」という心理がちゃんと働いているのです。日本は特に、長く農耕民族としての歴史が続き、多くの人が集団に対する帰属意識が強いため、本当は自分が好きでもない色を選んで皆と同じ色のスーツを着てしまうのです。毎年、業界によって設定される「流行色」が街に一斉に流行り出す現象も同じような心理によるものと思われます。
そうした人間心理の深い部分と色との関係性を見出したのが、リュッシャー博士。では、いよいよ彼のカラーテストについて触れてみましょう。もし時間があれば、あなたもどうぞ試しにテストしてみてください。
●青
●緑
●赤
●黄
●茶
●紫
●黒
●グレー
・・・・選びましたか?
選んだら、その色にまつわる意味とパーソナリティーについてお伝えしましょう。
●青を選んだ人 冷静で誠実な知性派
●緑を選んだ人 心穏やで堅実な平和主義者
緑色が好きな人は、心穏やで優しく堅実な人。その奥に実は頑固さと自信を秘めています。平和主義で争いごとを好まず人を大切にします。仕事も真面目で効率的にこなします。しかし、少し考えすぎのきらいがあるため、過度に用心深くなったり、頼まれると嫌と言えない性格からストレスをためてしまいがち。時には、自分の気持ちを率直に伝えるのも大切です。
●赤を選んだ人 積極的で情熱的な行動派
●黄を選んだ人 好奇心旺盛な野心家
●茶を選んだ人 親しみやすく家庭的な努力家
●紫を選んだ人 感受性が鋭く直感を大切にするロマンティスト
紫色が好きな人は、生まれながらの高貴さと威厳を身にまとい、神秘的な世界への興味も人一倍あります。さらには美的センスや表現能力にも優れ、エロスへの感応力も高い。非日常への憧れがあります。しかし、刺激を求め過ぎるがゆえ、神秘やエロスの世界にハマり過ぎてバランスを崩すことがあります。また、疲れていたり、体調が悪い時、人は本能的に紫を好むとも言われています。
●黒を選んだ人 反骨精神を持った孤高の理想主義者
●灰を選んだ人 感情に流されず自分を守る個人主義者
・・・いかがでしたか?
あなたが思う自分の性格と一致するところはありましたか?
人が好む色は言葉を介しないコミュニケーションの表現であり、その人が好んで着ている服やアクセサリーの色をじっと観察すれば、ある程度その人の性格がわかるというわけです。そんな風に色と関わってみるのも「人間」を理解する上で大いに参考になると思いませんか?
厳密に言えば、この「ルッシャー博士のカラー心理テスト」は本に付属している色と番号のついた8枚のカードをよくきり、好きな色を順番に8色選ぶことによって本人の性格のみならず潜在的な願望や目標、自分さえも気づかない現在の心理状態、知らず知らず押さえ込んでしまっている感情や行動など、さらに細かい心理の奥底にあるものまで炙り出すことができるのです。
それにより、自分では気づいていなかった自身の内面と出会うことができるのです。もしもあなたが、「色」に興味があったり、現在「色」に関わる仕事をしていたとしたら、リュッシャー博士のアイデアはとても参考になるはずです。興味のある方はぜひ博士の著書に触れてみてください。現在、残念ながら絶版ですが、Amazonならプレミア価格で購入できるようです。
また、最近私はリュッシャー博士の8色に4色加えた12色の色から、自分自身が抱えている問題の「答え」を見つけ出すカラーテラピーにも出会いました。これが、なかなか不思議と効果があるのです!
例えば、「今の自分にとって最も必要なものは何か?」と問うて色を選べば、ちゃんと色がその答えを教えてくれます。その不思議なカラーテラピーについては次回ご紹介いいたします!
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⭐️ 色を仕事にしている人なら、リュッシャー博士の著書と並ぶ必須アイテムと言っていいでしょう。天才ゲーテの色に対する洞察の鋭さにしびれます!読後、あなたもきっとこう叫ぶはず「もっと光を!もっと色を!」。
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