今も心に響く天風先生の言葉

20代の頃、ある人物に惹かれ、彼の書いた著書や講演集に触れまくり、思想にどっぷりと浸かった事がある。その人物とは中村天風先生。

天風先生を説明しようと思うと400字じゃ足りっこないので気になる方はググッて頂くとして、そんな先生の残した言葉に今なお心に響き続けるこんな台詞がある。

「一度だけの人生だ。だから今この時だけを考えろ。過去は及ばず、未来は知れず。死んでからのことは宗教にまかせろ！」

なんたる潔さ、そしてカッコ良さ。今でこそ「今、ここ」の大切さを説く人は多いが天風先生は戦前に生まれた方だから、その先見性と真理を言い当てる鋭さには今もシビれてしまう。

人間の多くは過去の失敗を悔やみ、「あの時あんな事をしていなければ、今こんな事になっていなかったのに」とか思うものだ。すでに過ぎ去った過去に生きている人の何と多い事か。

しかし、大切なのは「もし明日世界が滅びるとしても、今日りんごの木を植える」事だと天風先生は説かれた。

意識が過去や未来に行き過ぎて、信念がぐらつきそうになった時こそ、先生の言葉を思い出し「今、ここ」に一点集中したい。

⭐️ 天風先生に興味を持った方には、ぜひその肉声に触れていただきたい。その男らしい発声とこちらの心に響き渡る言葉。そして、厳しさと類いまれなるユーモアセンス。どれをとっても唯一無二の講演家であり、一流の指導者であった。時を経ても今なおこうして先生の肉声に触れられる幸せに酔いしれながらも、人生を積極的に生きたい！