古いものの役割とチカラ
古木は森の中で特別な役割を持ち、生態系全体に多様性を与える貴重な存在であるらしい。
周囲の樹木よりも遥かに高齢な古木は、日本では昔から「ご神木」と呼ばれ、信仰の対象となってきた。実際、遺伝的にも周囲の木とは異なる特別な存在のようだ。
飛びぬけて年齢の高い古木は、周囲に生息する木々とは最適とする環境が異なり、遺伝的に特殊である事がわかった。樹木の寿命は長いから高齢の木では定着した時代と現在の環境との間に相当ギャップがある。数百年から数千年を経た、今生息する若い木々とは、好む環境そのものが違っているのだ。
古木の遺伝子は森全体の多様性を維持するのに役立っているらしく、環境が激変し現在の森の主流となる木々の生育が難しくなっても、古い時代の異なる環境で生育した古木達があれば、森は速やかに回復する。
森にとって古木は、異なる環境に適応する遺伝子を与えてくれる貴重な存在だったのだ。私には、人間社会における年長者の存在も同じように思えてくる。
⭐️ 巨木は全てを知っている。私たちよりずっと昔からこの地上に生まれ、愚かな人類の振る舞いを見てきた彼らこそ、至高の叡智を有している。本書は自然・地球と人間の関わり方の間違いや矛盾を枯木の視点から教えてくれる。巨木は言う「このまま人間の行為が突き進むと、取り返しがつかなくなる」と。
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