ふいになったわらしべ長者
冬至の日までに不用品を処分したいと考えていた。用意したのは一年間出番がなかった服。手提げ袋2つ分にBIGIやY’sのタグが踊る。
総額20万円は下らないはず。古着屋に持って行けばきっと2万円以上では買い取ってくれるだろう。それを元手にイタリア製の万年筆を買い、長編小説を書いて芥川賞をゲットしよう。作品は海外でも評判になり、ノーベル文学賞を受賞。私は世界初の治療家出身作家として受賞式の舞台に立つ…。
妄想を膨らませながら古着屋に向かった。美人の店員さんに札をもらい査定を待つ事15分。呼ばれてカウンターに行くと店員さんは美しい笑顔で値段を提示した。
「750円になります」
笑顔を前にもっと高く引き取ってくれとは言えなかった。私も満面の笑みでお礼を言って硬貨を受け取った。
その750円は帰りしな、かけそばに化けた。腹は満たされたが心に寂しい風が吹いた。
⭐️ そうか。安く買い叩かれて凹むよりも、自分自身で本当に価値のわかる人に売る手があったか!会社員を失業した著者が見つけた古着転売の世界。まずはひと月10万円の利益を目標に確実にプラスを生み出す実践的ノウハウがいっぱい。お値段以上の価値ありの一冊です!
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