ヒッピーを目指した日々
- 2023.06.05
- 思想のようなもの
- エコロジー, カウンターカルチャー, ヒッピー
時は1960年代、アメリカのカウンターカルチャーは「ヒッピー」を生み出した。黒人差別が社会問題化し、キング牧師が公民権運動を拡大。その後、ベトナム戦争が勃発すると、愛と平和を訴え、徴兵に反対する若者が急増し、反体制的な空気が強まる。
ベトナム反戦運動は、自然と平和を愛し、自由に生きるスタイルの探求へとつながった。出世や競争から離脱し、近代文明を否定する指向性はドラッグへの関心を生み出した。ヒッピーたちは、LSDによって意識変革が起こり、高次の自己へ到達できると考え、資本主義に支配された身体と精神構造を解放することにより真の幸福を獲得できると論じた。
ヒッピーは、陶酔状態の中で幻覚を体験し、それが無意識的な心の深層を明らかにしていると捉えた。その経験を表した芸術はサイケデリック・アートとして、絵画、デザイン、映像、音楽などの世界に大きな影響を与えた。
さらに東洋の思想や宗教への興味からそこにスピリチュアルな神秘を見い出した。自我解放と自然との一体化を目的に瞑想を取り入れ、精神修行に励んだ。この中でインド世界、日本の禅やイスラームのスーフィズム、中国のタオイズム、ネイティブ・アメリカンへの関心が高まった。
ヒッピーたちはまた自給自足による脱資本主義を目指し、コミューンを形成した。凝り固まった社会規範を打破し解放を志向する流れは、エコロジー思想を生み出した。
現在の私の思想は、こうしたアメリカのヒッピー文化の影響を多分に含んでいる。若い頃外国に旅に出たのもこうした文化の跡を肌身で感じたかったからだ。私は自分のことを「遅く生まれてきたヒッピー」だと思っている。
⭐️ かつてこの日本で、ヒッピーカルチャーに関わった人々が都市部から僻地や離島に移り、半ば自給自足の集団生活を送り、コミュニティを形成し「部族」という、現代社会とはライフスタイルや思想の異なる風土や習慣を生きようと試みた。アメリカのヒッピーと呼応するように仏教以前の自然崇拝を伴う、自然と一体となる生き方を本気で求めた人々がこの国にいた!その活動の全記録。
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