ますます二極化する世界

ロシアのウクライナ侵攻以来、世界の二極化は加速しているように感じる。ブラジルは先のG20で、ロシア排除に明確に反対すると表明したし、インドはアメリカの警告を無視してロシアからの原油輸入を増やし、ロシアと外相会談を行って関係維持を明らかにした。また、中国もロシアの軍事衝突を後方支援し、密かに次世代金融システムの構築も共に進めている。これらは謂わゆるBRICsの仲間達だ。

欧米の価値観VS非欧米の価値観。こんな図式が見てとれる。

これからは人と物の流れだけではなく、金融システムも、基軸通貨も一時的に分裂の方向に向かうだろう。今まで石油をはじめ、あらゆるものの国際決済には「ドル」が使われてきたが、これからは「ルーブル」や「人民元」を使う経済圏も出てくる。現にプーチンはNATO加盟国に対し、天然ガスをルーブル決済でなければ分けてやらないと明言している。長く続いた欧米主体の覇権体制が崩れ、新しい秩序が生まれつつある。

日本のメディアだけ信じ、ロシアが悪者、ウクライナが可哀想、とばかり見ていたのでは真実は掴めない。物事を俯瞰してみる視点が必要だ。

⭐️ 欧米中心の文明は今、終焉を迎えつつあるように思う。広大な領土を有するロシアは、良くも悪くもこれからの世界を大きく変化させる「鍵」となる大国である。今だからこそ研究してみたい、ユーラシアの歴史と日本とロシアの関係性。本書はその目的を叶えるかなり重要な資料となるに違いない！