誰もが本当はアーティスト

サティシュ・クマールという好きな思想家がいる。18歳でガンディーの非暴力と自立の思想に共鳴し、2年半かけて核兵器の放棄を説く1万4000キロの平和巡礼を行った。

彼曰く、アーティストとは、特別な人ではなく、皆が特別なアーティストなのだ、と。

最も優れたアートは美術館にはなく、人生そのものがアートだ。想像力があれば全ての行いが芸術品。歩く事や話す事も素晴らしいアートだ。それを意識しアーティストのように歩き、話し、料理する。

アーティストは決して急がない。行為は深い心の中から出てくるものだから。

確かに現代社会はスピードやプレッシャーで、誰もが自分の持っている能力を忘れがちだ。アーティストの感覚を呼び戻すには自然との時間を持つと良い。無心で森を歩く。湖畔に佇む。意識して自分を自然の中へ連れ出してみる。

毎日の生活に美しさを見出し、全ての行為を心を込めて行えば、貴方も私もきっと世界にたった一人のかけがえのないアーティストなのだ。

 ⭐️ 土・魂・社会=エコ・瞑想・小規模経済の三位一体。古来、インドは多くの聖者や哲人を生み出してきた。ガンディー、タゴール、シューマッハー……ここに新たに思想の歴史にその名を刻むクマール。実践的なエコロジストにして、東洋思想の伝道者でもある著者がこれからの時代のビジョンを示す。