イッセイさん、ありがとう!

デザイナーの三宅一生さんが亡くなった。一生さんの服は若い頃から憧れだった。高校生の頃、学校帰りに制服のまま立ち寄ったデパートのメンズフロアの一角に「イッセイ・ミヤケ・ザ・シャツ」の店舗があって、陳列されたシャツの美しさに衝撃を受けて以来、三宅一生の名前と彼の手による作品は、私にとって最先端のモードの象徴となった。
刺し子やかすりなど、日本の伝統技法を取り入れた独特な布地の風合いと、カッティングの美しさに魅せられた私だったが、さすがに一着3万円もするシャツを高校生が手に入れるには無理があったし、何より若すぎる私には似合わない。
「よし、大人になったら絶対に着るぞ」そう誓った数年後、当時ビジネスをしていてはぶりの良かった母が「成人のお祝いに一つだけ欲しいもの買ってあげる」とのことで、私は迷わずイッセイのシャツをリクエストした。
初めて袖を通した時の感激。和紙をイメージした特殊な生地を用いて創られた濃紺のバンドカラーのシャツは私の宝物になった。あれから30年以上もの歳月が経ち、随分と色褪せ、袖口も擦り切れてしまったシャツ。しかし今だに時々タンスから引っ張り出しては着て、悦にいっている。きっとこれからも捨てる事はないだろう。
一生さんの服は、着る者の気分を上げ、人生を変える力を有する。そしてその造形の意外性と美に全世界が驚嘆、賞賛した。まさに彼こそは国葬に値する偉人と呼べるのではないか。
彼の新たなクリエーションに触れられない悲しみは深いけれど、彼が生前創った服に出会え、袖を通せた事が本当に嬉しい。
巨匠よ、おつかれさま。どうぞ安らかにお眠りください。そして暫しの休息の後目覚めたら、その貴方の類い稀なる才能で、今度は天国を最上のモードで彩ってください。今まで本当にありがとう。あなたの服が大好きでした。
⭐️ イッセイさん亡き後、私は「香り」で彼を偲ぼうと思う。東洋的なニュアンスを上手に表現したこの香り。30代の頃、一時期使っていたことがあった。その後、よりスパイシーなものへと興味が移り、長く遠ざかっていたあの香り。また復活してみたい。今の自分の年代のほうがあの頃よりしっくりくるのではないかな…。
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