頼まれ事は喜んで断るべし！

成功法則では、「人からの頼まれ事は喜んで引き受けよ」という。はたして本当だろうか？これは段階によると思う。人生は段階によって、流れの乗り方が異なる。その時のタイミングによって学ぶ事や実践する事は変わるのだ。

例えば、小学生にいきなり大学の講座を受けさせて理解できるわけはない。段階があるからだ。算数なら、最初は足し算、続いて引き算の順に覚えていくのが正しい。

新しい事を始める場合も最初は足し算から始まる。上から言われるがままに教わる事は全てやる。これによりスキルは高まる。頼まれ事もどんどんやって足していく。しかし、こうして能力が高まった後、次第に本当にこれで良いのかな？と疑問が出てくる。これが次の段階が始まったサインだ。実はここからが引き算で、頼まれ事を断るのが大事になってくるのだ。つまりそれまで足していったものを捨てていく時期、手放す時期、断る時期なのだ。

だがそれには不安と恐怖が襲う。足して増やす中でできた繋がりや人脈、これらに距離を置く事になるから。ここで大切なのは、絶対にやりたくないことを明確にする事。これにより自分のテーマがはっきりし、信念が形成される。私はこう生きていくという核ができるのだ。

引き算の時期は試される事が多く、友達も離れていくかも知れない。多くの人が誘惑に負けて、元の状態に引き戻される。しかし、自分のポリシーに適わなければ勇気を持って断るべき。信念はこのように削ぎ落とす中で形成される。

引き算の洗礼を受ける事により、執着を手放し、過去の夢を捨て、人は真の自分の人生を歩むようになる。

⭐️ 私自身、スピリチュアルは嫌いではないし、むしろスピリチュアルな考え方の中から人生に対する多くを学んできた。しかし、これだけ世にスピリチュアルが蔓延する今、それを傍において、もっと現実的な側面から人生の成功法則を捉えてみたいという思いにも強く駆られていた。と、そんな時、出会った本書はまさに常識的な視点からそれを捉え、表している。「人間、当たり前のことが一番大切！」生前そう語っていた祖母の言葉が思い出される。