吉本ばななさんとCS60

CS60

一度も会ったことがない人なのに、何か一つ共通点を見つけただけでとても近しく感じ、今までずっとそばにいた人のように感じることがある。

吉本ばななさんを知ったのは、私が20代になって間もない頃、美大受験に失敗し精神的に打ちひしがれていた時期だった。書店に平積みされていた『キッチン』を見つけ、キラキラ輝くシルバーの装丁に惹かれ、手にした私は冒頭の一文にやられた。

「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う」

透明で優しい感性が紡ぎ出す儚くも美しい物語。その世界にぐいぐい引き込まれた私は本を購入し、その日のうちに読了した。登場人物たちのもつ不思議で哀しい存在感。物語に秘められた深い思いやりと哀しみに涙した。

受験に失敗し自信を失っていた私に、その本はそっと寄り添い、「生きていていいんだよ」と励ましをくれたような気がした。以来、『キッチン』をお守りのようにして鞄に入れて持ち歩き、時間を見つけてはページを開き読み返した。

年月は過ぎ、現実世界にどっぷりと染まってしまった私は、いくぶん逞しくなって小説も読まなくなり、若い頃夢見た芸術家ではなくて治療家となってしまったが、先日ふと手に取った『暮らしの手帖』にあの吉本ばななさんを見つけた。

著名人の健康法について特集されたページの中にばななさんが載っていて、日々の健康管理・増進のためにCS60を活用されているという内容だった。体の凝りや痛みを溜めないよう気をつけているばななさんはCS60が大のお気に入りで、定期的にプロの施術を受けるほか、自宅でもセルフ用のデバイスをもっていて活用されているとのこと。

私が若い頃、小説を通じて元気を与えてくださったばななさん。そのばななさんの元気を今CS60が支えているという事実に嬉しくなった。もう、ばななさんは私にとって他人ではない。「CS姉弟(きょうだい)」だと勝手に思っている(笑)。

いつか機会が巡ってきて、ばななさんに施術させていただくことができたなら楽しいな。その時は、私の暗く辛い青春時代に希望の光をくださったお礼を一言申し上げたいと思う。

*写真は毎日新聞さんのWebサイトから

吉本ばななさん、創作の原点は「下町の論理」 街の思い出に重ねる半生 | 毎日新聞
何気ない日常や身の回りの世界を丁寧に見つめ、人生の哀歓を柔らかな筆致で浮かび上がらせてきた吉本ばななさん。このほど刊行したエッセー集「私と街たち(ほぼ自伝)」(河出書房新社)では、街の思い出を軸に自身の半生を振り返っている。創作の原点に「下町の論理」があるという吉本さんに、長年暮らしてきた東京の街

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