不食生活とブッダ

長い旅から戻ってまいりました。それは「不食」という名の旅であります。そこで思いがけない風景に出会いました。それを皆さんにシェアしたいと思います。

食べない35日間

きっかけは、最近のインフルエンザやコロナの大流行。まだウイルスの活動期でもないこの季節に流行るのは、人々の免疫力が低下しているからに違いない、そう考えた私は、ちょいとここらで自己免疫力を上げておかねばと思い、断食を始めました。2,3日の断食なら過去に何度も行っており、免疫力向上に効果があるのを知っていたからです。

ところが…断食3日目の朝、何か心身ともに満たされた気分になって「あゝ、もう食べなくていいかも…」そう感じたのです。さらに1週間食べずに過ごしても楽々まだ続けられそうな感じがして…気がつけば、35日が経過。…36日目の朝、顔を洗おうと洗面所の鏡を見たら…

そこには断食するブッダが映ってました（笑）。

この35日間は原則、水と番茶はOKとし、必要に応じて味噌汁や麹スムージー、プロテインなど液状のものは1日1杯なら飲用可としました。理由は、体重の減少にともない筋力が落ち、治療の仕事に差し支えると感じたから。特にタンパク質と酵素不足をからだで感じたため、補う意味で上記のものを摂取しました。

あと、誕生日、結婚記念日、ワイン試飲会など前から約束していたイベントがあったためこれら3回は飲食可としました。それ以外は固形物禁止。結果、体重は63kgから55kgに→8kg減。ウエストは78cmから71cmに→7cm減。心身ともにスッキリしました。

断食の効果とは？

食事を断つことで得られる効果には次のようなものがあります。

①内臓の休息と修復：消化器官に休息を与えると消化器官が働く時間が減り、内部の修復や再生が行われます。これにより、内臓の機能が改善され、消化や代謝が良くなります。

②炎症の軽減：食事制限によって炎症反応が抑制され、炎症性サイトカインの産生が減少し、慢性的な炎症状態が改善され、関節炎やアレルギーなど炎症性疾患の症状が軽減されます。

③脂肪燃焼と体重管理：断食中、エネルギー源として脂肪が燃焼するため、体重が減少します。結果、ダイエットやメタボリックシンドロームの改善にも効果有り。

④インスリンの感受性向上：血糖値が下がり、インスリンの分泌が抑制され、血糖値の調節が改善されます。

⑤免疫機能の向上：断食中は、身体のエネルギーが内部の修復や免疫システムの活性化に使われ、免疫細胞の働きが活発化し、病原体や異物に対する抵抗力が高まります。

断食が精神にもたらしたもの

あと気がつけば、わが家の冷蔵庫が空っぽになりました。5人家族用に購入した冷蔵庫も、今や子供達が巣立ち、私が食べなくなったことで食品を大量に買わなくなったからです。お米も全然減りません（笑）。さらには食品を買わなくなったので、スーパーやコンビニに寄らず、お菓子もお酒も買わないので財布のお金が全く減らないのです。

代わりにめちゃくちゃ増えたのは「時間」です。買い出しに行く時間、調理する時間、食べる時間、そして食べた後眠くなってソファーに横になる時間がなくなったことで、自由な時間が信じられないくらい増えます。それで私は何冊も並行して電子書籍の原稿を執筆できました！

あと、これらに加えて精神的な変化を強く感じました。それはからだのみならず心の中も浄化されクリアになったことです。そして瞑想の実践がより効果的になり、内なる平和と調和を感じることができたのです。その感覚はまさに「自分の中のブッダが目覚めた」感じ。

食事制限によりからだのエネルギーが内側に向かい、感覚が研ぎ澄まされ、普段は気づかないようなスピリチュアルな洞察や気づきが得られます。さらにエネルギーが消化や代謝から解放され、心のエネルギーに注がれるようになり、からだと心のバランスが整い、より高い意識状態に到達することができるのです。食を断つことが、自己中心的な欲望や物質的な欲求を超えた、より大きな意味や目的に繋がるのにも気づきました。

食事制限により他の人々が抱える飢えや苦しみに共感できるようにもなります。こうした共感と連帯感はスピリチュアルな成長や社会的な関与を促進し、誰もがブッダのような心境になれるのです。